長年の宿敵・厳世蕃(げんせいはん)がついに裁きの時を迎え、夏家の冤罪は晴らされます。しかし、悲願を達成した袁今夏(えんきんか)の喜びも束の間、陸繹(りくえき) が下したある重大な決断によって、二人の運命は再び過酷な試練にさらされることに。愛する人を救うため、今夏は必死に奔走しますが、その道は険しく閉ざされてしまいます。多くの困難を乗り越えてきた二人が、最後にたどり着く未来とは?愛と信念が奇跡を呼ぶ、感動の最終回です。

「花様衛士~ロイヤル・ミッション~」あらすじネタバレ最終回・55話

ついに、ついにこの時がやってきました…! 長きにわたる因縁と復讐の物語、『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』が感動の最終回を迎えます。憎き厳世蕃(げんせいはん)に裁きは下るのか?そして、多くの困難を乗り越えてきた陸繹(りくえき) と今夏の二人に、幸せな未来は訪れるのでしょうか?涙なしには見られない、最終話のすべてを詳しくお届けします!

悪の終焉!厳世蕃(げんせいはん)、ついに断罪の時

物語は、陸繹(りくえき)に厳世蕃の倭寇との通謀の証拠を突きつけるシーンから始まります。これには皇帝も激怒!即刻、厳世蕃を斬首に処すよう勅命が下るのでした。

陸繹自ら厳府に乗り込み、まだ状況が飲み込めていない厳世蕃を捕らえます。聖旨の内容を知った厳世蕃は信じられないといった様子で陸繹に詰め寄りますが、もはやこれまで。鎖に繋がれ市中を引き回される彼の姿に、民衆からは「殺せ!」との怒号が飛び交います。

その光景を、今夏、林菱(りんりょう)、丐叔(かいしゅく) たちは複雑な思いで見つめていました。長年追い続けた仇の無様な最期。ついに処刑人が刃を振り下ろし、厳世蕃の首がはねられます。夏家の冤罪は晴らされ、藍青玄(らんせいげん)の無念もようやく癒された瞬間でした。陸繹もまた、この日を迎えられたことに安堵の息をつきます。一方、人知れずその光景を見つめていた翟蘭葉(てきらんよう)は、静かにその場を去り、郊外に厳世蕃の墓を立てるのでした。

愛のための代償…陸繹、自ら獄中へ

大願成就を果たした今夏ですが、その心は晴れません。丐叔(かいしゅく) に今後のことを聞かれても、陸繹との関係をどうすればいいのか分からず、彼を避けてしまいます。そんな今夏の部屋に、陸繹が忍び込み、夏家の冤罪に関する巻宗(調査記録)を持ち去ります。去り際に今夏と鉢合わせした陸繹は、「必ずけじめをつける」とだけ言い残すのでした。この言葉の意味を、今夏はまだ知る由もありません。

後日、街で犯人を捕らえていた今夏のもとに、楊岳(ようがく) が血相を変えて駆け込んできます。なんと、陸繹が朝廷の宴席で夏家の冤罪を晴らす上奏書を提出し、父・陸廷(りくてい)の罪を告白したというのです!皇帝は激怒し、陸繹は官職を剥奪され、全財産没収の上、投獄されてしまいました。

「けじめをつける」という言葉の真意を悟った今夏は、パニックになりながら詔獄へと走ります。陸繹は、夏家の悲劇に父が関わっていた責任を、自らの命で償おうとしていたのです。しかも、判決は「秋後の斬首」。絶望的な状況に、今夏はいてもたってもいられません。

「私があなたを待つ」愛の誓いと仲間たちの奔走

愛する陸繹に一目会うため、今夏は母である袁大娘(えんたいじょう)に泣きながら土下座し、嫁入り道具として貯めていたお金、さらには母の棺桶代まで借り受けます。やっとの思いで面会が叶った詔獄で、囚人服姿の陸繹は「これは俺の決断だ。俺のことは忘れ、他の誰かと幸せになれ」と別れを告げようとします。

しかし、今夏は決して諦めませんでした。「夏家の件はもう水に流した。あなたを恨んだことなんて一度もない!」「あなたが私を娶ると言ったんじゃない!」と涙ながらに訴え、必ず助け出すと誓います。その強い瞳と想いに、陸繹の心も揺さぶられるのでした。

ここから、仲間たちの陸繹救出作戦が始まります。謝霄(しゃしょう) は無謀にも劫獄を考えますが、岑福(しんふく)がより現実的な策として、朝廷の首輔(首席大臣)である徐大人(じょたいじん)に助けを求めることを提案します。徐大人(じょたいじん)にとって、今夏の祖父・夏然(かぜん)は恩師。しかし、夏家が陥れられた当時は沈黙を貫いた過去がありました。

今夏は深夜、徐府に忍び込み、自らの素性を明かして助けを求めます。夏家の生き残りがいたことに驚きつつも、陸繹の忠義を知る徐大人は、今夏の覚悟に心を動かされ、命がけで皇帝に嘆願することを約束してくれました。

徐大人の尽力により、陸繹は死罪を免れ、終身刑へと減刑されます。しかし、面会は一切禁止。それでも今夏は諦めず、来る日も来る日も詔獄に通い、番兵に賄賂を渡しては陸繹への差し入れを頼み込みます。中秋節には、月餅の中に「我等你(あなたを待つ)」と書いた紙を忍ばせ、その想いを伝え続けました。月餅を口にした陸繹は、涙をこらえきれませんでした。

雪解けの再会、そして永遠の約束へ

季節は流れ、上官曦(じょうかんぎ) の間には新しい命が宿るなど、周りにも少しずつ幸せな変化が訪れます。そして、厳しい冬がやってきたある日、奇跡が起こります。皇帝が夢で先帝を救った陸繹の父・陸廷(りくてい)の姿を見て、恩赦を出し、天下に大赦令を下したのです。

雪が降りしきる中、いつものように詔獄の前で待ち続けていた今夏。凍えながら帰ろうとしたその時、固く閉ざされていた扉が開き、陸繹が姿を現しました。信じられない光景に目を見開く今夏。二人は見つめ合い、ゆっくりと駆け寄ると、固く手を取り合います。

「これからは私があなたを養うわ」と言う今夏に、陸繹は「官職に復帰することになった」と微笑みます。「じゃあお給金を上げて!」とおねだりする今夏に、陸繹は「俺に嫁げば、家の銀子はすべてお前が管理しろ」と、最高のプロポーズで応えるのでした。

長い冬が終わり、二人の手の中には、確かなぬくもりと輝かしい未来がありました。

『花様衛士~ロイヤル・ミッション~』最終回 第55話の感想

長きにわたる物語の終着点として、これ以上ないほど感動的で、満足感に満ちた最終回でした。前半で宿敵・厳世蕃が裁かれ、復讐劇に一つの区切りがついた後、物語は陸繹の自己犠牲という、より深く重いテーマへと移行します。愛する人のために自らの命さえ差し出す陸繹の覚悟と、彼を救うためにすべてを投げ打つ今夏のひたむきな愛情には、胸が締め付けられる思いでした。特に、どんなに絶望的な状況でも決して諦めず、待ち続けることを選んだ今夏の強さには心から敬服します。雪の中での再会シーンは、二人が乗り越えてきた苦難の道のりを思うと、涙腺が緩まずにはいられません。すべての伏線が美しく回収され、登場人物それぞれが幸せな未来へと歩み出す、見事な大団円だったと思います。

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