突然の知らせ

おばあちゃん、倒れる

姚志明(ヤオ・ジーミン)から麦承歓(マイ・チョンホワン)に一本の電話が入る。祖母の陳淑珍(チェン・シュウジェン)が倒れて病院に運ばれたという知らせだ。承歓は言葉を失い、すぐに病院へ駆けつける。

幸い、処置が早くて大事には至らなかった。医者の話を聞いて、承歓はホッと胸をなでおろす。昨夜、自分が遅くまで引き留めたせいだと後悔する承歓。そんな彼女を、病室のベッドにいる祖母は優しく慰める。本当に強い人だ。

承歓が薬を取りに行っている間、祖母は姚志明(ヤオ・ジーミン)に核心を突く。例のホテル、兴安里を共同経営する件だ。姚志明(ヤオ・ジーミン)が正直に認めると、祖母の顔には少し影が差す。彼はそれ以上、何も言えなかった。

麦一家の引っ越し騒動

まさかの豪邸暮らしへ

承歓の両親と弟の承早(チョンザオ)もお見舞いにやってくる。母親の劉婉玉(リウ・ワンユー)は、承歓が足を引きずっているのを見逃さない。娘を心配しているのが伝わってくる。

家のリフォームの話が出た時、祖母がとんでもない提案をする。自分の持っている庭付きの洋館に住めばいい、と。断りきれない両親は、その申し出を受けることに。母親の劉婉玉(リウ・ワンユー)は、その豪邸を見るなり目が輝く。もうウキウキが隠せない。

承歓は祖母のことが心配でたまらない。家族を家に案内すると、すぐに病院へ戻ってしまう。そんな娘の態度に、劉婉玉(リウ・ワンユー)は不満そうだ。父親の麦来添(マイ・ライティエン)が、まあまあと彼女をなだめる。

祖母が明かす家の秘密

病院に戻った承歓は、姚志明と交代して祖母に付き添う。そこで祖母から、あの洋館の秘密を聞かされる。あの家は、姚志明の祖父との結婚生活を送った場所。そこには、あまり良くない思い出がたくさん詰まっているらしい。だからずっと空き家にしていたんだな。

祖母は、承歓に母親と仲直りするように優しく諭す。本当に孫娘のことが大事なんだ。

仕事と、それぞれの想い

ホテル経営の行方

体調が少し戻った祖母は、仕事の話も忘れない。姚志明たちが持ってきたホテルの設計案に目を通す。自分のホテルが、外資のボッティチェリ傘下に入ることは承知できない。長年、家族同然に付き合ってきた従業員たちのことを一番に考えている。

姚志明が全従業員の雇用維持を約束すると、祖母の表情が少し和らぐ。彼女は、綺麗なチャイナドレスを着て、堂々と退院したいと告げた。

弟の恋の予感?

承歓は弟の承早と一緒に、友人の毛毛(マオマオ)のライブ配信を手伝う。毛毛は、自分のデザインを盗んだ有名インフルエンサーを告発しようと意気込んでいる。承歓たちは少し心配するが、彼女の決意は固い。

その配信を、祖母も病室から見ていた。姚志明にやり方を教わりながら、毛毛にギフトを送る。なんだか微笑ましい光景だ。

配信の後、毛毛はイヤリングの試着のしすぎで耳が化膿してしまう。承早が手際よく消毒してあげる。その時、毛毛が不意に承早の耳たぶに触れた。彼は顔を真っ赤にする。これは、何か始まりそうな予感がするぞ。

交錯する退院日

姚志明は、退院する祖母のためにチャイナドレスを贈りたいと考える。承歓に相談し、上海で一番の仕立て屋を訪ねる。承歓が祖母の好みやサイズを完璧に把握していることに、姚志明はただ感心するばかりだ。自分がいかに祖母を知らないかを痛感しただろう。

退院の日。両親は祖母を自分たちの新しい家、つまりあの洋館に迎えようと計画していた。そうすれば承歓も一緒に帰ってきてくれる、という計算だ。

ところが、祖母の決断は違った。弁護士との話を終えた彼女は、姚志明に送らせて老人ホームへ戻ると言う。一人で静かに過ごすことに慣れているから、と。その代わり、今夜はみんなを兴安里ホテルでの食事に招待してくれた。

承歓にも電話が入る。彼女の大好物、カニみそ小籠包を用意したと。承歓もまた、祖母へのサプライズプレゼントを用意していた。二人の間には、確かな絆がある。

今回の感想(ネタバレあり)

いやあ、今回は家族の問題がてんこ盛りだったな。祖母の陳淑珍(チェン・シュウジェン)が倒れたことで、麦家も姚志明も、みんなが揺さぶられた回だった。

特に印象的だったのは、母親の劉婉玉だ。娘を心配する気持ちは本物なんだろう。でも、その表現がいつも裏目に出る。豪華な洋館に住めることになって、つい本音が出ちゃうあたりが人間くさくて面白い。承歓が苦労しているのは、この母親の存在も大きいよな。

一方で、姚志明が少しずつ変わり始めているのが見える。最初はビジネスライクだった彼が、祖母や承歓と関わることで、人間的な感情を取り戻している感じがする。承歓が祖母のことを知り尽くしているのを見て、自分が何も知らなかったと気づくシーンは、彼の変化の始まりを象徴している。

それから、弟の承早と毛毛のサイドストーリーもいいアクセントになっている。不器用で初々しい二人のやり取りには、思わずニヤけてしまった。

陳淑珍(チェン・シュウジェン)の強さと優しさも際立っていた。ただのおばあちゃんじゃない。自分の足で立ち、自分の意志を貫く経営者としての顔も持っている。彼女を中心に、みんなの物語が複雑に絡み合っていく。見ごたえのある回だった。

つづく