『春花焔』第1話:ネタバレ
復讐のために生きる少女
物語は10年前にさかのぼる。大炎国の三皇子、慕容璟和(ぼようけいわ)が青州を奪還した。でも、その直後に街が燃やされる。眉林(びりん) の父親は、彼女をかばって死んだ。眉林は、現場で威北軍の令牌を拾う。犯人は慕容璟和の軍の人間だ。世間では、慕容璟和が青州の民を虐殺したと噂される。彼は人殺し将軍と呼ばれ、荊北へ左遷された。
眉林は父の仇を討つことだけを考えて生きてきた。暗殺組織暗廠に入り、冷酷な刺客になった。生きるためには、組織から与えられる解毒薬が必要。そんな地獄の中でも、彼女は優しさを完全には捨てていない。他の少女が自分と同じ道に進まないよう、こっそり助けたりもする。
ターゲットとの遭遇
10年が経ち、大炎と西焉は和平を結ぶことになった。西焉は公主と100人の美女を大炎に送る。その出迎え役に、あの慕容璟和が自ら名乗り出た。眉林にとっては、これが絶好のチャンス。暗廠の主人から、和親の使節団に潜入して慕容璟和を暗殺しろと命じられる。成功すれば、自由になれる。彼女は美女の一人になりすまし、ターゲットが待つ荊北へ向かう。
最悪のファーストコンタクト
荊北の城門に着くと、空から紙銭が舞っていた。まるでお葬式だ。すごく不気味な出迎え。城門が開くと、慕容璟和が輿に乗って現れた。彼はなんと、死んだ亀の葬式をしていると言い放つ。完全に使節団をバカにしている態度。彼は美女たちを品定めし始める。そして、ずっと黙っていた眉林に目をつけた。この男、食えない。一筋縄ではいかない相手だとすぐにわかる。
罠と、命がけのキス
その夜、眉林は慕容璟和の屋敷に忍び込む。暗殺を実行するためだ。彼の寝室は罠だらけ。本当の寝場所は隠し部屋だった。眉林は薬湯を運ぶ侍女のふりをして、池にいる慕容璟和に近づく。彼の女になるフリをして、油断したところを狙う作戦だ。
でも、慕容璟和は一枚上手だった。彼は眉林をいきなり池に引きずり込む。池の水には、体の力が抜ける薬が混ぜてあった。完全に罠にはめられた。お前の目的は何だ。追い詰められる眉林。そこへ、物音を聞きつけた家来たちが駆けつけてくる。絶体絶命のピンチ。その瞬間、眉林はとっさの判断で慕容璟和にキスをした。
この大胆な行動で、彼女はなんとか命拾いする。慕容璟和は彼女を殺すのをやめた。それどころか、都へ一緒に連れて行くと告げる。一人になった慕容璟和は、ニヤリと笑う。あの小さな乞食、期待通りだ。このセリフ、どういう意味だ?二人は昔、会ったことがあるみたいだ。
感想
1話からすごいスピード感だった。復讐を誓うヒロインと、一癖も二癖もあるターゲット。この構図だけで面白い。眉林はただの暗殺者じゃない。過酷な状況でも優しさを失わない強さがある。彼女がどうやって慕容璟和に復讐を遂げるのか、目が離せない。
慕容璟和もいいキャラしてる。残忍な将軍という噂だけど、態度はふざけてるし、頭も切れる。彼が本当に眉林の父親を殺した犯人なのか。まだ何か裏がありそうだ。最後の小さな乞食っていうセリフが最高に気になる。二人の過去に何があったのか。ただの復讐劇じゃなくて、深い因縁がありそうなのが良い。ロマンスも期待できそう。これは続きを見るしかない。
つづく