あらすじとネタバレ
13年ぶりに蘇る悪夢
刑事隊長の陸行知(ルー・シンジー)は、雨の夜に人質救出作戦を指揮していた。彼は経験豊富で、やり方も手慣れたものだ。現場を見てすぐに、犯人は一人じゃないと見抜く。ベッドの下を調べさせると、もう一人の犯人が見つかった。そいつは左利きだった。人質の顔の傷跡の位置から、陸行知(ルー・シンジー)は犯人が二人いると確信してたんだ。作戦は無事完了。人質は助かった。
この人質、実は13年前に陸行知(ルー・シンジー)が取り調べた男だった。男はふと13年前のあの殺人事件、解決したんですかと尋ねる。陸行知は何も答えなかった。
場面は変わって、家具市場で殺人事件が発生する。陸行知がチームを率いて現場に向かう。途中の道が車で塞がれていた。そこに居合わせた引退した元刑事の衛崢峵(ウェイ・ジョンロン)が、道を譲るよう運転手に声をかける。運転手は言うことを聞かない。すると衛崢峵(ウェイ・ジョンロン)は、まだ腕は衰えていないとばかりに、男の指をぐいっと捻り上げた。男は悲鳴をあげて、すぐに車をどかした。
現場の家具店に着く。被害者は裸でバスタブの中にいた。まるでアート作品みたいに、奇妙なポーズを取らされている。その光景を見て、陸行知は背筋が凍る思いがした。13年前のあの殺人事件が頭をよぎる。被害者の指が差す方向を確認する。そこには何もなかった。陸行知がホッと息をついた瞬間、法医がカーペットの下から一本のHB鉛筆を見つけた。
その場にいた若手刑事の小明(シャオミン)以外、陸行知と法医はその鉛筆が何を意味するのか分かっていた。二人の顔つきは、みるみる険しくなる。
13年前、すべてが始まった日
陸行知は小明に、1997年の出来事を語り始める。その年、彼は24歳だった。妻の楊漫(ヤン・マン)と結婚したばかりの新婚だ。11月19日、新人刑事として警察署に初出勤した。指導役は、経験豊富なベテラン刑事の衛崢峵(ウェイ・ジョンロン)。でも、その衛崢峵は署にいなかった。前日の夜から、街で起こりかけた大規模なケンカの仲裁に行っていたんだ。衛崢峵は銭湯で、対立するグループのリーダー二人を風呂に入れながら話をまとめていた。腕力沙汰になりかけた揉め事を、見事に丸く収めてしまったわけだ。
署に戻ってきた衛崢峵。陸行知は彼が本人か確かめようと、そっと背後に立った。すると衛崢峵は振り返りざま、一瞬で陸行知を投げ飛ばす。彼が新人の陸行知だと分かると、何事もなかったかのように手を放した。陸行知の席は、衛崢峵の真ん前だった。衛崢峵は、陸行知の机に置いてあった妻との写真を見て、それをしまうように言った。言い方はぶっきらぼうだけど、本当は陸行知のためを思ってのことだった。別の先輩がここに来る連中に、奥さんの顔を見られない方がいいと教えてくれた。
陸行知は本気で刑事になりたかった。凶悪な殺人犯を捕まえて、世の中を平和にしたかったんだ。でも衛崢峵は、彼の熱意がこもった決意書を青臭いと一蹴する。
そんな陸行知の配属初日に、とんでもない事件が起きる。現場には一本のHB鉛筆が落ちていた。被害者は、まるで何かを表現するかのように、異様なポーズで横たわっていた。遺体を見た陸行知は、たまらず外に駆け出して吐いてしまった。
時間は2010年に戻る。陸行知は小明にすべてを話した。彼は、嫌な予感がしていた。署に戻って報告すると、局長が尋ねる。現場に、何か普通じゃないものはあったか。
第1話の感想
いやあ、1話目からガツンとくる重厚な雰囲気だね。こういうのを待ってたんだよ。物語は2010年と1997年、二つの時間軸を行き来しながら進む。ベテランになった陸行知と、まだ青臭さが残る新人時代の陸行知。この対比がすごくいい。そして、彼の上司になる衛崢峵のキャラクターが最高だ。粗野で口は悪いけど、めちゃくちゃ頼りになる昔ながらの刑事。この二人がどういう関係になっていくのか、すごく気になる。13年の時を経て繰り返される、HB鉛筆と奇妙な遺体のポーズ。模倣犯なのか、それとも同じ犯人なのか。謎が謎を呼ぶ作りで、一気に引き込まれたよ。派手なアクションはない。静かで、じっとりとした緊張感がずっと続く感じ。これは腰を据えてじっくり見たいドラマだね。
つづく

