生まれつき痛みや味覚などの感覚を持たないミステリアスな皇子・陌軽塵(はくけいじん)。ある日、彼は逃亡中の泥棒少女・林池(りんち)と出会います。なぜか彼女にだけ特別な匂いを感じた彼は、彼女を屋敷に連れ帰ることに。感覚を持たない皇子と、おてんばな少女の奇妙な同居生活が始まるラブコメディです。

「初恋ロマンス」あらすじネタバレ1話

不吉な予言と、感覚を持たない皇子

物語は23年前の南麓国の宮殿から始まります。深夜、国師が慌てた様子で皇帝のもとへ駆け込みました。星の動きが示す予言は、あまりにも残酷なものでした。

これから生まれる皇子は、痛みも味も匂いも感じない無知無覚の存在だというのです。さらに、その皇子の誕生は国に災いをもたらすと告げられます。災厄を避ける唯一の方法は、母子ともに命を奪うことでした。

しかし、皇帝に愛する妻と息子を殺すことなどできません。苦渋の決断の末、皇帝は秘密を守るために国師を始末してしまいます。こうして、感覚を持たない皇子の存在は闇に葬られたのでした。

運命の出会いは馬車の中で

時は流れ、23年後。牢屋に閉じ込められていた少女、林池(りんち)が登場します。彼女は持ち前の機転で看守を騙し、鍵を盗んで脱獄に成功しました。

追っ手から逃げる途中、彼女は通りかかった馬車に飛び乗ります。その馬車の主こそ、成長した皇子・陌軽塵(はくけいじん)でした。彼は突然乗り込んできた林池(りんち)を追い出そうとしますが、ふと動きを止めます。

生まれつき何の匂いも感じないはずの彼が、林池(りんち)の髪から漂う香りを感じ取ったのです。それは彼にとって、暗闇に差し込む一筋の光のような衝撃でした。陌軽塵(はくけいじん)は林池を気絶させ、自分の屋敷無墨山荘へと連れ帰ります。

師匠に売られた!?奇妙な同居生活

翌日、目を覚ました林池は豪華な待遇に戸惑います。逃げ出そうと木に登りますが、足を滑らせて落下。そこを陌軽塵(はくけいじん)が華麗に受け止めました。

なぜ自分が捕まったのか分からず怯える林池。そこへ、彼女の師匠である荘塵(そうじん)が現れます。なんと師匠は、金を受け取って林池を陌軽塵に引き渡してしまったのです。

もちろん師匠にも考えがあり、3日後に稼ぐだけ稼いでから林池を連れて逃げる計画でした。林池は泣き真似をして抵抗しますが、師匠にしっかり稼げと諭され、しぶしぶ滞在することになります。

感覚を取り戻すための実験

陌軽塵の行動は不可解でした。彼は林池にお茶を飲ませて味を探ろうとしたり、雪景色の中で彼女を抱き寄せたりします。お互いに温め合うためだと言い訳しますが、林池にとっては恐怖でしかありません。

林池はハサミを自分の首に突きつけて脅し、屋敷から出ようと試みます。しかし、陌軽塵が投げた小石でハサミは弾き飛ばされ、彼女は手の甲にかすり傷を負ってしまいました。

彼は痛みを感じない怪物?

その夜、驚くべきことが起こります。陌軽塵が林池の部屋に入り込み、なんと彼女の布団に入ってきたのです。彼は林池の体温を通して、初めて暖かさを感じていました。

パニックになる林池ですが、ふとあることに気づきます。先ほど彼がベッドに入ってきた際、彼の髪の毛を強く引っ張ってしまったのに、彼は全く反応しなかったのです。さらに、彼は寒さも痛みも感じていない様子でした。

一方、林池の兄弟子である捕頭の杜若(とじゃく)しに屋敷へやってきます。しかし、陌軽塵の権力の前には手も足も出ず、引き返すしかありませんでした。

屋敷の中では、林池が陌軽塵に向かって衝撃の事実を突きつけます。あなたは痛みも寒さも感じない、無知無覚の人なんでしょう?彼女が彼の最大の秘密を見抜いたところで、第1話は幕を閉じます。

第1話の感想

設定がとてもユニークで引き込まれました。主人公の陌軽塵がイケメンなのに五感がないという設定が切なくもあり、ミステリアスですね。ヒロインの林池は、脱獄したり師匠に売られたりと散々な目に遭っていますが、明るくてたくましいキャラクターで好感が持てます。

特に面白かったのは、陌軽塵が真顔で林池のベッドに入ってくるシーン。彼にとっては感覚を確認する実験でも、林池からしたら大事件ですよね。このすれ違いが今後どう恋愛に発展していくのか、続きがとても楽しみです。

つづく