迫り来る魔の手!オクニョ、絶体絶命の危機

恩師パク・テスの死の真相を胸に秘めたまま、捕らわれの身となったオクニョ。そんな彼女の元へ、王室護衛官のキ・チュンスが密かに現れます。彼は文定(ムンジョン)王后の命を受け、パク・テスの死の真相を探っていたのです。しかし、オクニョは上官カン・ソノの「お前が責任を認めれば命は助けてやる」という言葉を信じ、固く口を閉ざします。

その頃、黒幕であるユン・ウォニョンは、オクニョの口を永遠に封じるため、刺客を放ちます。なんと、オクニョと同じ牢にいた女囚がその刺客でした!眠っているオクニョの首を絞めようとしますが、武術の達人であるオクニョがそう易々とやられるはずもありません。見事返り討ちにするも、騒ぎを聞きつけた役人には「仲間を殺そうとした」と誤解され、独房に入れられてしまうのでした。

オクニョの殺害に失敗したと知ったユン・ウォニョンは激怒し、今度こそ確実に息の根を止めるよう部下に厳命します。しかし、彼らが駆けつけた時には、オクニョの姿はどこにもありませんでした。キ・チュンスが、彼女を典獄署(チョノクソ)の地下牢、つまりパク・テスがいたあの場所へ密かに移していたのです。

それぞれの思惑と、見えない絆

オクニョが行方不明になったという知らせは、彼女を心配する仲間たちを駆け巡ります。育ての親チ・チョンドゥクはもちろん、師匠のイ・ジハムやチョン・ウチも、オクニョの身を案じて必死に行方を探します。

一方、商団で頭角を現していたユン・テウォンは、父がユン・ウォニョンであることを利用して商売敵を蹴落としたと仲間から誤解され、裏切り者扱いされてしまいます。しかし、テウォンは商団の頭コン・ジェミョンに正直な想いを打ち明け、復讐のためだと告白。彼の覚悟を知ったコン・ジェミョンは、テウォンを信じ、全面的に協力することを約束するのでした。

しかし、そんな彼らにチョン・ナンジョンの魔の手が忍び寄ります。彼女はユン・シネの婚約者であるソン・ジホンを使い、テウォンの商団に違法な取引の疑いをかけて強制捜査を入れさせます。これにより、コン・ジェミョンは捕らえられてしまいました。

地下牢での再会と、託された未来

典獄署の署長チョン・デシクは、ユン・ウォニョンに買収され、オクニョが地下牢にいることを密告してしまいます。それを偶然聞いてしまったユン・テウォン!彼はすぐさま行動を起こします。

その頃、地下牢のオクニョは、養父チ・チョンドゥクの手引きで、スリのチョンドンと密会していました。オクニョは、自分が幼い頃からコツコツ貯めてきた全財産をチョンドンに託し、「パク・テス様の孫を必ず見つけてほしい。それから、私の母の遺品と同じ指輪を持っていた女性も探してほしい」と依頼します。これは、オクニョが未来のために打った大きな布石でした。

決死の救出劇!そして、明かされる真実

ユン・ウォニョンは、オクニョの居場所を知るや否や、部下を地下牢へ向かわせます。まさに絶体絶命!その時、地下牢の扉を破って現れたのは、なんとユン・テウォンでした。彼はオクニョの手を取り、間一髪のところで脱出に成功します。

テウォンの隠れ家で、オクニョはついにすべてを打ち明けます。自分が体探人(密偵)になったこと、明の使節暗殺という初任務、そしてその過程でパク・テスが亡くなったこと。さらに、彼の死がユン・ウォニョンによる陰謀であり、その罪をなすりつけられ命を狙われていることを涙ながらに告白するのでした。

「お前を使い捨てにした奴らが悪い。自分を責めるな」

テウォンの言葉に、オクニョはどれほど救われたことでしょう。敵の息子であるはずの男と、追われる身の少女。二人の間には、この瞬間、確かな信頼が生まれたのでした。

一方、またしてもオクニョを取り逃がしたユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンは、怒りに震えます。文定(ムンジョン)王后がパク・テスと婚約まで考えていた過去を知り、何としてもオクニョを見つけ出し、口を封じなければならないと決意を新たにするのでした。

『オクニョ 運命の女(ひと)』第9話の感想

今回は、オクニョとユン・テウォンの関係が大きく動いた回でした。これまで互いに素性を隠し、どこか距離を置いていた二人が、ついに秘密を共有し、信頼で結ばれる。この変化には胸が熱くなりました。特に、すべてを告白し涙するオクニョを、テウォンが静かに受け止める場面は、彼の器の大きさと優しさが際立っていました。

また、文定(ムンジョン)王后とパク・テスの間にあった意外な過去が明かされたことで、物語に一層の深みが出ましたね。大妃がなぜあれほどパク・テスに固執するのか、その理由が分かり、彼女のキャラクターが単なる権力者ではない、一人の女性として描かれている点に引き込まれます。それぞれの人物が抱える過去や思惑が複雑に絡み合い、物語の重厚感を増しています。

つづく