サンピルが刺された――。その衝撃的な知らせは、ジェイをパニックのどん底に突き落としました。病院へ駆けつけた彼女の目に飛び込んできたのは、担架の上でピクリとも動かないサンピルの姿…。見ているこっちの心臓まで止まりそうでしたよね。
この一報は、もちろんキソン市を牛耳るチャ・ムンスク判事とアン・オジュ市長の耳にも入ります。面白いのは、二人とも「相手がやったに違いない」と疑心暗鬼になっていること。巨大な権力で結ばれていたはずの二人の間に、ハッキリとした亀裂が生まれた瞬間でした。
幸いにもサンピルは一命を取り留めますが、意識が戻りません。彼のそばで付き添うことを許されたジェイは、眠るサンピルにこれまで言えなかった素直な気持ちを涙ながらに語りかけます。すると、なんとサンピルが静かに目を開けるじゃないですか!そう、彼は全部聞いていたんですね。この男、どこまで抜け目ないんでしょうか(笑)。
サンピルが入院している間、無法ローファームはジェイが一人で切り盛りします。かつての頼りない姿はもうありません。サンピルのもとで数々の修羅場をくぐり抜けてきた彼女は、立派な弁護士として事務所のメンバーに的確な指示を出し、皆を引っ張っていきます。その成長ぶりには胸が熱くなりました。
一方、チャ判事との約束を反故にしそうなアン・オジュは、あろうことかサンピルの病室へ挑発しにやってきます。怒りに震えるサンピルですが、ベッドに手錠で繋がれていては手も足も出ません。この悔しさは、きっと次なる反撃のエネルギーになることでしょう。
さらに驚きの展開が。サンピルを刺した実行犯が病室に連れてこられますが、サンピルは「この男じゃない」と証言するのです。犯人すらも驚くこの行動、サンピルには何か大きな狙いがあるようです。
そんな中、ジェイは謎の女性(実は行方不明だった彼女の母親!)から、チャ・ムンスクとアン・オジュが対立し始めているという重要な情報を得ます。時を同じくして、ジェイの父はチャ判事の家で写真を撮る仕事中に花瓶を割ってしまい、そこにジェイの母がお茶を持って現れるという、ハラハラドキドキのニアミスも発生!運命の歯車が少しずつ噛み合っていくのを感じさせます。
チャ判事に見限られ始めたアン・オジュは、焦りからか再びサンピルの病室を訪れます。そこでサンピルと話していると、突然黒服の男たちがなだれ込んできました!彼らはチャ判事がサンピルを消すために送り込んだ刺客。しかし、そこにアン・オジュがいるのは完全な計算外でした。
「年寄りが一人増えただけだ」と侮る刺客たちに、アン・オジュの怒りが爆発!「サンピル、お前は自分で何とかしろ」と言い放ちながらも、次々と敵をなぎ倒していく姿は圧巻の一言。まさか、敵であるはずのアン・オジュがサンピルを助ける形になるとは!
この混乱に乗じて病院を抜け出したサンピルは、傷だらけの姿で事務所へ。ジェイは彼の身を案じ、唯一サンピルを守れるであろうチョン検事に連絡します。
そして迎えた2回目の公判。ジェイが証人として法廷に立たせたのは、なんとアン・オジュその人でした!騒然とする法廷で、アン・オジュは高らかに宣言します。「ポン・サンピルは犯人じゃない」。これには、被告席のサンピルはもちろん、裁判官席のチャ・ムンスクも驚きを隠せません。敵の敵は味方、ということなのでしょうか。予測不能な法廷劇の幕が上がりました!
『無法弁護士~最高のパートナー』第10話の感想
今回のエピソードは、物語の構図が大きく動いた、まさに転換点となる回でした。最大の敵であったはずのアン・オジュが、自らの保身とチャ・ムンスクへの反発から、結果的にサンピルを助けるという展開には痺れましたね。アン・オジュというキャラクターが、単なる暴力的な悪役ではなく、プライドと野心、そして人間的な弱さも併せ持つ複雑な人物であることが浮き彫りになり、物語に一層の深みを与えています。また、サンピル不在の事務所を一人で守り、弁護士として目覚ましい成長を遂げるジェイの姿も非常に印象的でした。彼女の強さと聡明さが、今後の戦いで不可欠な力となることを確信させます。ジェイの両親の運命が少しずつ交錯し始めるサスペンスフルな要素も加わり、復讐劇、法廷劇、そして人間ドラマが巧みに絡み合った、見事な脚本だと感じました。
つづく