ついに、あの二人が…!と思ったら、まさかの急展開!第14話は、甘さと切なさが入り混じる、見逃せない回となりましたね。

父親との辛い対面を終えたクァク・ヒョンを、ソン・ウンジェは一人にはしませんでした。ヒョンが子供の頃に両親と来た思い出の場所で、二人は静かに語り合います。「父がもう生きたくないと言った時、なぜか解放された気がしたんだ」と本音を吐露するヒョン。そんな彼の弱さを受け止めるウンジェ。夕日が海を真っ赤に染める中、お酒の力も少しだけ借りて、二人の距離は急接近。ヒョンは、ついにウンジェにキスをしました。

翌朝、病院船で顔を合わせた二人は、昨夜のキスを思い出して超気まずい雰囲気に!ウンジェは平静を装い、「昨日のことは、お酒とホルモンのせい。気にする必要ないわ」と、お得意の理屈で片付けようとします。しかし、ヒョンはもうごまかされません。ウンジェをぐっと引き寄せ、「この心臓の音を聞いて、まだホルモンのせいだと言える?」と、ストレートに自分の想いをぶつけます。ウンジェの動揺がこちらまで伝わってきましたね。

一方、歯科では一騒動。治療を嫌がる老人をなんとか診察台に乗せたものの、麻酔の痛みに驚いた老人が暴れ、チャ・ジュニョンの鼻にクリーンヒット!鼻血を流すジュニョンの助っ人として呼ばれたのは、キム・ジェゴルでした。なんとその老人、ジェゴルが子供の頃に家で働いていた執事だったのです。両親に構ってもらえず、兄ばかり可愛がられていた幼いジェゴルにとって、唯一の遊び相手だった大切な人でした。老人の質素な暮らしぶりに心を痛めたジェゴルは、母親から別荘の鍵をこっそり手に入れ、彼に渡すのでした。ジェゴルのクールな表情の裏にある、温かい心にじんとします。

そんな中、病院船には嬉しいニュースと、新たな波乱の予感が。腕の怪我が治ったジョンホが、生まれたばかりの赤ちゃんと一緒に帰ってきました!船の皆で祝福していると、そこに現れたのはニューヨーク帰りの美しい画家、チェ・ヨンウン。彼女は病院船をテーマにしたチャリティー個展を開くためにやってきたと言います。皆が歓迎する中、ヨンウンはまっすぐヒョンの元へ。二人が旧知の仲だと分かり、船内はざわつきます。

その直後、腕に怪我をした女性が船を訪れますが、固く口を閉ざして治療を拒みます。彼女が話せないことに気づいたヒョンが、手話で優しくコミュニケーションを取ると、子供の病気を治してほしいと訴えていることが分かりました。

その様子を、ウンジェは少し離れた場所から見つめていました。患者に寄り添うヒョンの姿に、思わず笑みがこぼれるウンジェ。その時、すぐそばにヨンウンが立っていることに気づきます。「私が毎日恋しく思っていた男性よ」と、ヒョンを見つめながら言うヨンウン。怪訝な顔をするウンジェに、彼女は衝撃の一言を告げました。

「私はクァク・ヒョンの婚約者よ」と。

『病院船〜ずっと君のそばに〜』第14話の感想

ようやく想いが通じ合ったかのように見えたヒョンとウンジェの関係に、強烈な横槍が入った回でした。前半のロマンチックなキスシーンからの、ラストの「婚約者」発言。この高低差には、本当に心を揺さぶられます。不器用ながらも少しずつ心を開いてきたウンジェと、そんな彼女を大きな愛で包み込もうとするヒョンの姿は、とても応援したくなるものでした。だからこそ、突如現れた才色兼備の恋敵の存在は、物語に大きな緊張感をもたらします。彼女の言葉は真実なのでしょうか。また、今回はキム・ジェゴルの人間的な深みも描かれました。普段は皮肉屋でクールな彼が、かつて自分を支えてくれた執事に見せた優しさは、彼のキャラクターに一層の魅力を与えています。恋愛模様だけでなく、それぞれの登場人物が抱える過去や人との繋がりが丁寧に描かれることで、物語全体が豊かになっていると感じました。

つづく