ついに迎えた最終回!前回、歌っているサゲをかばって感電してしまったテヤン。物語は、病院に緊急搬送される衝撃的なシーンから幕を開けます。サゲは、テヤンが父ミンチョルの罪に気づいていたことを悟り、呆然とするしかありませんでした。
病院に駆けつけたミンチョルはパニックに陥りますが、幸いにもテヤンの命に別状はないとのこと。しかし、ボムはサゲが何かを隠していることに気づきます。サゲは真実を告げられないまま、独自に調査を開始。彼が連絡を取っていた刑事と共に、マイクがすり替えられた証拠を探し始めます。
一方、スンスもカン秘書の行動を怪しみ、警察に通報。さらに、ある記者がミンチョルに関する告発記事を準備していたことも判明します。それは、ミンチョルが過去に有力な政治家の手術を優先し、一般の患者を見殺しにしたという衝撃的な内容でした。
そんな中、ジャヨンが撮影していた映像が決定的な証拠となります。そこには、カン秘書が警備室に入る姿が映っていたのです!この映像が決め手となり、カン秘書と黒幕であるチョ・サンホンはついに逮捕されます。
意識を取り戻したテヤンは、母の墓がある崖の上へ。父ミンチョルに罪を告白するよう、悲痛な叫びで迫ります。そして、ついにミンチョルは警察に出頭し、ボムの母親の死に関するすべての真実を自白するのでした。
あまりにも残酷な真実を知ってしまったボム。サゲが自分に隠し事をしていたことにも深く傷つき、「もう会いたくない」と彼を突き放します。心を閉ざしてしまったボムは、やがて「幸せを探しに行く」という手紙を残して姿を消し、それを追うようにサゲもまた、人々の前からいなくなってしまいました。
物語は、そこから2年後へ。
アメリカから帰国したボムは、人気アーティストに楽曲を提供するソングライターとして活躍していました。テヤンは医療ボランティアとして、人々のために尽くす日々を送っています。
ボムとサゲは互いを忘れられずにいましたが、ある日、SNSへの投稿がきっかけで、ボムはサゲの居場所の手がかりを見つけます。
街で偶然テヤンと再会したボムは、彼の心を縛り付けていた重荷を解き放つように、優しい言葉をかけます。「あなたのせいじゃない」と。そして、サゲもまたテヤンと再会し、バンド時代の思い出が詰まった映像を渡して、二人の間には再び友情が芽生えます。
ボムは、かつてサゲと初めて出会った大学のキャンパスで、ついに彼との再会を果たします。ボムは、サゲがアメリカにいる自分へ匿名で好物を送り続けてくれていたことに気づいていました。「どうして電話してくれなかったの?」と問い詰めるボムに、サゲはついに想いを告げ、彼女を強く抱きしめます。「もう二度と離さない」と。
ラストシーンでは、サゲがボムの作った曲を演奏し、二人の新しい「春」が始まる様子が描かれ、物語は美しく幕を閉じました。
『サゲの春~恋めぐる僕らの季節~』最終回 第10話の感想
すべての物語が、あるべき場所へと静かに着地した、そんな余韻に満ちた最終回でした。前半で描かれた罪の告白と、それに伴う登場人物たちの深い悲しみは、見ていて胸が締め付けられるほどでした。特に、愛する人を信じたい気持ちと、知ってしまった真実の間で揺れ動くボムの姿は、痛々しいほどリアルに感じられました。しかし、2年という歳月が、彼らにとってただの空白期間ではなく、それぞれが自分自身と向き合い、成長するための大切な時間だったことが丁寧に描かれていたのが印象的です。罪を犯した者、それに苦しんだ者、そして巻き込まれた者、全員がそれぞれの形で救いを見出し、未来へ歩み出す姿には静かな感動を覚えました。派手な演出に頼らず、登場人物たちの心の機微をじっくりと見せることで、心に深く残る結末になったと思います。