真実の告白と、新たな火種

前回、ボムがサゲに「あなたの瞳が、お母さんのものだって知ってる」と告白した衝撃のシーンから物語は再開します。静かに雪が降る中、ボムは「やっと安心できた気がする」と穏やかな表情を見せるんです。このシーン、本当に美しくて切なかったですよね…。でも、サゲの心は穏やかじゃありません。ボムの母の事故の真相…つまり、自分の視力と引き換えに隠蔽された事実を話すべきか、激しく葛藤します。

その頃、悪の親玉チョ・サンホンは、秘書のカン・ソッキに6年前のサゲの行動を徹底的に洗い出すよう指示。不穏な空気が漂い始めます。

引き裂かれる絆と、すれ違う想い

バンドメンバーは、戻ってくるはずのテヤンのためにスタジオを飾り付け、歓迎ムード一色。しかし、そこに現れたテヤンは「俺はここのバンドメンバーじゃない」「ハンジュバンドに会いに来ただけだ」と冷たく突き放します。これにはサゲもボムたちもショックを隠せません。

諦めきれないボムがテヤンを追いかけると、彼はバンドを辞めて俺のところに来い」と迫ります。しかし、ボムは自分のレーベルを立ち上げ、サゲと契約したことを告げ、きっぱりと拒絶。改めて想いを伝えるテヤンでしたが、ボムの心は動かず、「番号も消す」とまで言われてしまいます。回想シーンでは、母を亡くして悲しむ幼いボムを、テヤンがずっとそばで支えていたことが描かれ、彼の長年の想いを思うと胸が締め付けられました…。

サゲの苦境と、仲間たちの温かさ

メンバーに給料を払うあてもなく、サゲはなんとフードデリバリーのバイトを始めます。しかも徒歩で!そんなサゲの窮状にいち早く気づいたのは、やっぱりボムでした。彼女は正体を隠し、謎の美人バイカーとしてサゲの配達を手伝うんです。言葉を交わさなくても通じ合う二人の姿に、ほっこりしましたね。

一方、ギュリとジングの関係にも進展(?)が。ジングが高級車に乗るところを目撃したギュリは、彼が借金取りに拉致されたと勘違い!ジャヨンも巻き込んで、謎の男(実は運転手)を追い払うという珍プレーを繰り広げます。このコミカルなシーンは、シリアスな展開の良いスパイスになっていました。

逆転の狼煙と、暴かれる悪事の全貌

ついに学費の支払いにも困ったサゲは、大切にしていたギターを売りに出します。すると、すぐに「あなたのファンです」という人物から連絡があり、なんと1億ウォンもの大金が振り込まれるんです!しかも「ギターは持ったまま、演奏を続けてほしい」というメッセージ付きで。

この謎の救世主の正体は…なんと、仲間のジングでした!彼が実は大金持ちの御曹司だったという、まさかの展開。この思わぬ大金で息を吹き返したサゲは、反撃開始。スンスに協力を頼み、事故当日にサンホンとミンチョルが病院で治療を受けていたという決定的な証拠を手に入れます。

サゲは二人の元へ乗り込み、「警察署で会いましょう」と宣戦布告。しかし、本当の悪夢はここからでした。

父ミンチョルの様子がおかしいことに気づいたテヤンは、サンホンとミンチョルの会話を偶然聞いてしまいます。そこで語られていたのは、ボムの母の事故の真相、そして「サゲを殺してしまえ」という恐ろしい計画でした。信頼していた父が、愛する人の母を死に追いやり、ライバルの命まで狙っている…この事実を知ってしまったテヤンの衝撃は計り知れません。

炎に包まれたステージ

悪党たちの策略とも知らず、サゲたちのバンドにテレビ出演のオファーが舞い込みます。人気番組「ザ・クラウン」の特別編へのゲスト出演という、またとないチャンス。ボムは乗り気ではありませんでしたが、ギュリに説得され、出演を決意します。

迎えた本番当日。父たちの計画を知り、心ここにあらずのテヤン。番組が進行し、サプライズゲストとしてサゲたちのバンドが紹介されます。彼らが演奏を始めたその時、テヤンはサゲの隣の機材から火花が上がっているのを目撃!彼は迷うことなくサゲに駆け寄り、強く突き飛ばします。直後、機材は炎上。ステージ上で意識を失い倒れるサゲとテヤン…という、あまりにも衝撃的なラストで第9話は幕を閉じました。

『サゲの春~恋めぐる僕らの季節~』第9話の感想

今回のエピソードは、登場人物たちの絆と対立が、これまで以上に色濃く描かれた回でした。サゲが経済的に追い詰められる中、何も言わずにバイクで手助けするボムや、正体を隠して大金で支援するジングの行動には、胸が熱くなりました。仲間たちの温かい支えがあるからこそ、サゲはどんな困難にも立ち向かっていけるのだと改めて感じさせられます。

その一方で、テヤンの置かれた状況はあまりにも過酷です。愛するボムと、罪を犯した父親との間で引き裂かれ、苦悩する姿には深く同情しました。そして、衝撃的なラストシーン。父の罪を知りながらも、ライバルであるサゲの命を救うために身を挺した彼の決断は、この物語の大きな転換点となるでしょう。悪役たちの非道な計画がエスカレートしていく中で、テヤンの行動が今後の展開にどのような影響を与えるのか、片時も目が離せません。

つづく