一見すると、よくあるイケメンだらけの学園ドラマかな?と思いきや、これがもう…息が詰まるようなヘビーな展開からの、スカッとする大逆転劇!初回からアドレナリン全開で、完全に心を鷲掴みにされちゃいましたよ!

完璧な優等生、その仮面の下の「地獄」

物語の主人公は、キム・ウィギョム。彼は転校生で、前の学校ではトップの成績を誇る、まさに絵に描いたような優等生です。彼の父親は、新しい担任教師に「うちの息子は全てにおいて優秀です」と自信満々に語ります。

でもね、この完璧な姿は、あくまで「外向き」の顔。

家に帰れば、そこは息の詰まるような監視部屋。父親はウィギョムに医者になることを強要し、宿題の進捗をSNSで報告させ、一問でも間違えようものなら、正解するまで部屋から出してくれません。この父親からの過度なプレッシャーと精神的な虐待に、ウィギョムの心は静かに壊れていきます。

夜、父親が寝静まった後、彼は自らの首に手をかけ、命を絶とうと試みる…。このシーン、本当に見ていて胸が苦しくなりました。彼がどれほど追い詰められているかが、痛いほど伝わってきます。

新たな地獄、そして「覚醒」の引き金

家庭という地獄から逃れるように通う学校。しかし、そこにも新たな地獄が待っていました。

案の定というべきか、クラスにはホンイという典型的なイジメっ子とその仲間たちが。彼らは弱い生徒からパンをカツアゲしたり、やりたい放題。ウィギョムは関わらないようにヘッドホンで音楽を聴いて過ごしますが、その態度がホンイの気に障ってしまいます。

そして、運命の日。いじめられっ子を庇おうとしたわけではなく、父親の理不尽な姿がいじめっ子の姿に重なり、思わず声を荒げてしまったウィギョム。これがきっかけで、彼はホンイたちに目をつけられてしまいます。

放課後、路地に連れ込まれ、金を奪われ、理不尽な暴力を受けるウィギョム。しかし、彼の目は死んでいませんでした。むしろ、どこか冷めた目で相手を観察しているかのよう。

そして、ついにその時が訪れます。

ホンイがウィギョムから奪ったウォークマンを、彼の目の前で無慈悲に踏み潰したのです。このウォークマンは、亡くなった兄スギョムの大切な形見でした。

プツンッ。

ウィギョムの中で、何かが切れる音がしました。

今まで抑え込んできたすべての怒り、悲しみ、理不尽さが一気に爆発。優等生の仮面をかなぐり捨てたウィギョムは、獣のような雄叫びをあげ、ホンイに殴りかかります。その姿は、もはやただの優等生ではありません。圧倒的な力でホンイを叩きのめし、もはや起き上がれないほどに打ちのめすのです。

このシーン、正直言って最高にスカッとしました!抑圧からの解放が、暴力という形で爆発する瞬間は、まさにこのドラマのハイライトの一つです。

謎の傍観者、ユンギの登場

この一連の騒動を、どこか面白そうに、そして興味深げに見ていた男がいました。彼の名は、カン・ユンギ。いつも遅刻してくる、ちょっと掴みどころのない同級生です。

彼はウィギョムに近づき、「どうするんだ?あいつの仲間が黙ってないぞ」と声をかけます。そして、なぜか喧嘩の戦術までアドバイスし始める始末。ウィギョムの戦いの才能を見抜いたユンギは、彼を利用しようとしているのか、それとも…?彼の存在が、今後の物語の大きな鍵を握っていることは間違いありません。

反撃の狼煙、そして次週への期待感!

ホンイを倒したことで、今度はその仲間で、ボクシングで1年生の頂点に立つという実力者スンジュンに目をつけられてしまいます。

再び呼び出されたウィギョム。スンジュンは「俺に勝てたらウォークマンを返してやる」と、一方的な勝負を仕掛けてきます。

試合が始まると、やはりスンジュンが優勢。ウィギョムは殴られ、蹴られ、防戦一方。しかし、彼の目はまだ死んでいません。むしろ、やられながらもスンジュンのパンチの軌道、攻撃のリズムを冷静に学習しているかのようでした。

そして、第1話のラストシーン。

スンジュンが繰り出した渾身のパンチを、ウィギョムは紙一重でかわします。そして、がら空きになった相手の顔面に、強烈なカウンターパンチを叩き込む!

ここで第1話は終了!いやー、こんな最高の「引き」ありますか!?

優等生の仮面の下に隠された、ウィギョムの恐るべき才能。彼を操ろうとするかのような謎の男ユンギ。これから彼らは、暴力が支配するこの高校の序列をどう変えていくのか。

『ONE:ハイスクール・ヒーローズ』第1話の感想

第1話は、主人公ウィギョムが抱える家庭での抑圧と学校での暴力という二重の苦しみが、非常に丁寧に描かれていました。完璧な優等生の仮面が剥がれ落ち、内に秘めた怒りが爆発するシーンは圧巻の一言。暴力の描写は生々しいですが、それ以上に彼の心の叫びが伝わってきて胸を打たれます。謎めいた同級生ユンギの存在も相まって、物語の深みが増しています。今後の展開が非常に気になる、骨太な人間ドラマの幕開けでした。

つづく