今回の『私たちの映画』第10話、とんでもないことになりましたね…。ダウンの告白から始まった波紋が、ついに撮影チームを崩壊の危機にまで追い込んでしまいました。でも、ただ落ち込むだけじゃないのがこのドラマ。絶望の淵で、ジェハが下したある”決断”が、物語を大きく動かしていきます。今回は、そんな激動の第10話の詳しいあらすじと、グッと来たポイントを語っていきたいと思います!
撮影中断、そしてチームは崩壊へ
物語は、ダウンが自らの余命を告白したことで騒然となった撮影現場から続きます。追い打ちをかけるように大雪に見舞われ、撮影は中断。ダウンは自分のせいだと責任を感じて落ち込みますが、ジェハは必ず映画を完成させると力強く約束します。
しかし、事態は悪化の一途をたどります。ダウンの病気が何者かによってインターネットにリークされ、「病気の女優を利用する非情な監督」としてジェハは世間から猛烈なバッシングを浴びてしまうのです。これに投資家のハンが激怒し、後任のパク監督を連れて現場に乗り込み、資金の引き上げを宣告。
さらに、ゴシップ記者のノが嗅ぎまわり、現場は混乱。ついに、俳優のチョルミンが「仲間を利用してまで映画は撮れない」とチームを去ることを決意。これをきっかけに、多くのスタッフが現場を後にしてしまいました。
ジェハの覚悟と、隠された真実
たった一人残されたプロデューサーのスンウォンと酒を酌み交わすジェハ。そこで彼は、衝撃の事実を打ち明けます。これまで父であり巨匠監督のドゥヨンが発表してきた映画は、すべて亡き母ウネが書いた脚本だったこと、そしてこの映画を通して、その真実を世に暴露するつもりであることを。自らのキャリアが破滅することも厭わないジェハの覚悟に、スンウォンは言葉を失います。
その頃、わずかに残ったホン助監督、マネージャーのジュンビョン、ギュヨンはダウンの病室に集まっていました。ジェハは映画を完成させるため、自ら借金に奔走します。そしてダウンの元を訪れ、二人がいかにお互いの支えになっていたかを静かに語り合いました。
母から託された想い
とある映画館で、ジェハとダウンはドゥヨンの過去の作品を観ます。そこには、涙を流す女優ジニョの姿がありました。ここでジェハはついに、ダウンに全ての真実を語り始めます。かつて、ジェハの母ウネと女優ジニョは親友でした。ジニョは、ドゥヨンが妻であるウネの才能を盗んでいることに気づいていました。彼女はウネに脚本家としてクレジットされるよう強く勧めますが、ドゥヨンはこれを拒否。ジニョが真相を暴露すると迫ると、ドゥヨンは彼女とジニョの不倫疑惑をでっち上げ、二人を引き裂こうとします。それでもウネは、自分のために映画に出てほしいとジニョに懇願し、「時が来たら、息子ジェハに真実を伝えて」と後を託していたのです。
ジェハは、母が映画に込めた本当の想いをようやく理解できたとダウンに語ります。二人は互いの第一印象を笑いながら語り合い、出会えたことに感謝するのでした。
「死にたくない」――涙の告白
ジェハが去っていったスタッフたちを説得して回っている間、ダウンの病状は悪化し、発作を起こしてしまいます。担当のイ医師は、ジェハの誠実な姿とダウンへの深い愛情に心を打たれ、「彼女の夢を叶えるために、どうか映画を完成させてあげてほしい」と涙ながらに懇願します。
エピソードの最後、イ医師は悲しみをこらえながらダウンの退院を許可。ジェハは彼女を自分の実家へ連れて行きます。するとそこには、チョルミンをはじめ、戻ってきたスタッフたちの姿が。その光景にダウンは感動し、泣きながら外へ駆け出します。そしてジェハの胸で、「死にたくない」と初めて本音をぶつけ、涙を流すのでした。ジェハはそんな彼女を強く抱きしめます。物語の冒頭にも登場した、あの印象的な木が二人を見守るように映し出され、第10話は幕を閉じます。
『私たちの映画』第10話の感想
今回のエピソードは、登場人物たちの感情が深く、そして静かに描かれていたのが印象的でした。特に、多くの仲間が去っていく絶望的な状況下で、父の罪を暴くという自らの宿命と、ダウンの夢を叶えるという二つの重責を背負うことを決意したジェハの姿には胸を打たれました。彼の行動は、単なる恋愛感情だけでなく、人としての誠実さと、母から受け継いだ映画への純粋な愛から来ていることが伝わってきます。一方で、気丈に振る舞っていたダウンが、最後に「死にたくない」と弱さを見せるシーンは、見ていて本当に辛かったです。しかし、その弱さを受け止めるジェハがいたからこそ、二人の絆がより一層本物になったのだと感じました。静かながらも、物語の核心に迫る力強い回でした。
つづく