第8話のラスト、ついに想いを確かめ合ったジェハとダウン。夕日を背にしたあのキスシーンは、美しくて、でもどこか切なくて、思わず息を呑みましたよね。恋人として新たな一歩を踏み出した二人ですが、第9話はそんな甘い時間だけでは終わらせてくれませんでした。むしろ、これまで以上に過酷な現実が二人を襲い、見ていて胸が締め付けられるような展開の連続でした。
それでは早速、『私たちの映画』第9話のあらすじとネタバレに参りましょう!
脚本の変更と固まる決意
物語は、ダウンと手をつなぎながら、彼女が死んでしまう状況で愛し合うことの倫理について語り合うジェハのシーンから始まります。そんな二人の親密な様子を、偶然にも撮影監督のチョルミンやメイクのジョさんたちが目撃!二人はとっさにロケハン中だとごまかしますが、ジュンビョンは怪しんでいます。さらにギュヨンも、ダウンのカメラにジェハの映像がたくさん入っているのを見つけ、例のキス相手がジェハだと気づいてしまうのでした。
撮影は続き、ジェハは映画の幸せなシーンに自分とダウンを重ね合わせます。そして、いよいよ問題の「別れのシーン」のリハーサル。ジェハは、原作映画ではヒョンサンが本当にギュウォンを愛し、彼女は生き残ることを思い出します。彼は、この別れのシーンをカットし、ヒョンサンの愛を貫くという大きな決断を下しました。この変更はスタッフにも受け入れられ、ジェハ自身も新しいシーンに手ごたえを感じるのでした。
忍び寄るスキャンダルの影
一方、ノ記者は諦めていませんでした。プロデューサーのスンウォンに取材をシャットアウトされ、腹を立てた彼は次にコ代理のもとへ。しかし、ソヨンから「誠実さ」について諭されたコ代理も、彼を追い返します。万策尽きたノ記者が思い出したのは、ダウンに嫉妬心を燃やす新人女優のジェインでした。
撮影後、ダウンはウノの最終日を見送ります。彼女の別れの言葉はどこか不吉でしたが、ウノは再会を約束して去っていきました。寂しそうなダウンをジェハが慰め、嫉妬したフリをしてふざけあう二人の姿は、束の間の幸せを感じさせます。
ダウンが脚本の変更について尋ねると、ジェハは「死にゆく女性を愛するヒョンサンの気持ちがやっと理解できた」と打ち明けます。その言葉に喜ぶダウン。二人は、なぜジェハの母親が原作でヒロインを生かしたのか、その答えを一緒に見つけようと約束するのでした。
スキャンダル勃発と周囲の反応
しかし、幸せな時間は長くは続きません。ノ記者はついに、ジェハとダウンの熱愛、そして縁故採用疑惑の記事を公開します。ジェインが提供した、ダウンがジェハのホテルの部屋に入る写真が決定的な証拠となってしまいました。
この記事は瞬く間に広がり、ダウンの主治医であるイ医師は心を痛め、投資家のハンは自社にも縁故採用の疑いがかけられ激怒します。さらに、コ代理のもとには「ソヨンもジェハと寝て役を得た」という誹謗中傷まで届き、事態は最悪の方向へ。
撮影現場では、ジョンウがコ代理を責めますが、意外にもソヨンが彼女を庇います。ソヨンは、ジェインが写真を撮る瞬間を目撃していたのです。彼女はゴシップを広めるジェインを「同じ女優を標的にするなんて」と一喝しました。
ダウンの元には、親友のギュヨンが駆けつけます。彼女は落ち込むダウンを励ますだけでなく、ジェインがノ記者に自分の名前を伏せるよう念押ししている通話内容を録音するというファインプレーを見せます。
そしてソヨンも、ついにダウンと直接向き合いました。彼女は嫉妬していたことを認めつつも、ダウンの立場を理解していると伝え、「最後まで一緒にやり遂げよう」と約束するのでした。
明かされる真実と最後の告白
そんな中、スンウォンがジェハを問い詰め、衝撃の事実が明らかになります。なんとジェハは、ダウンの2回目のオーディションの様子を隠し撮りしていました。そこには、彼女が末期の病であることを語る姿が映っており、ジェハはその映像をスンウォンと投資家のハンに見せることで、映画の資金を保証させていたのです。ジェハは「彼女を愛している」と告白し、スンウォンに助けを求めます。
ジェハは海辺でダウンを見つけ、すべて自分のせいだと謝ります。しかしダウンは、自分も夢のために彼を利用したと返し、「少しのスキャンダルくらい平気」と気丈に振る舞います。二人は、これから何が起きても一緒に乗り越えようと誓い合いました。
その夜、キム医師が撮影現場に駆け込み、必死にダウンを探します。その様子を見たコ代理は、ダウンの秘密に気づいたかのように悲しい表情を浮かべます。そして、投資家のハンからスンウォンに「ジェハを降ろせ。さもなくば資金を引き上げる」という最後通告が下されました。
追い詰められたジェハとダウン。二人が選んだ道は、すべてを打ち明けることでした。
『私たちの映画』第9話のラスト、ジェハとダウンはスタッフ全員の前に立ちます。ジェハは「彼女を愛しています」と告白し、続けてダウンが「私は、死を前にしています」と真実を明かしました。衝撃に静まり返るスタッフたちを前に、二人はただ静かにお互いを見つめ、微笑み合うのでした。
『私たちの映画』第9話の感想
スキャンダルという大きな波が、登場人物たちの本心や隠された関係性を浮き彫りにした、非常に密度の濃い回でした。特に印象的だったのは、逆境に立たされた時の人々の反応です。ジェインのように嫉妬から他者を蹴落とそうとする人間がいる一方で、ソヨンやギュヨンのように、自分の感情と向き合いながらも、友のために行動できる人々の強さと優しさが心に沁みました。また、ジェハが資金調達のためにダウンの病を利用していたという過去の事実は衝撃的でしたが、それも彼の不器用な愛の形だったのかもしれません。すべてを失う覚悟で、大勢の前で真実を告白した二人の姿は、悲壮感よりもむしろ、ようやく本当の意味で自由になれたかのような清々しささえ感じさせました。困難な状況だからこそ、二人の愛の純粋さが際立ち、物語の深みを一層増したように思います。
つづく