東宮に幽閉されてしまった世子イ・ファン。しかし、彼はただ閉じこもっているだけではありませんでした。内官に扮するミン・ジェイに密かに指示を出し、10年前に兵曹にいたパク・ハンスという人物を探させます。彼は、右議政チョ・ウォンボが牛耳る星州チョ氏とは無関係の唯一の人物。事件の真相を探るための重要な鍵となりそうです。

一方、宮殿内ではファンの味方も動いていました。継妃(王妃)は王にファンの幽閉を解くよう懇願しますが、その動きはすぐに叔父であるチョ・ウォンボの耳に入ってしまいます。激怒したウォンボは継妃を脅しつけ、彼女は無力な自分に血を流すほど悔しがるのでした。

そのウォンボの魔の手は、ファンの手足となって動くジェイにも迫ります。ウォンボはジェイが持っていた書物から密書を見つけ出し、彼女の正体を知っていると脅しをかけます。絶体絶命のピンチ!その時、割って入ったのはファンの友人であり、ジェイの元許婚でもあるハン・ソンオンでした。ソンオンの助けで、ジェイはなんとかその場を切り抜けます。

ファンとジェイは、互いを必ず守り抜くと固く誓い合います。ファンのために動けることに、ジェイは密かな喜びを感じていました。

仲間たちの協力も加速します。キム・ミョンジンとチャン・ガラムは成均館に潜入してファンに有利な噂を流し、テガンはパク・ハンスが賭博に溺れていることを突き止めます。

そして、ファンの見事な一手が放たれます。ジェイを通じて、星州チョ氏出身でありながらも中立的な成均館の掌儀(チャンイ)に協力を依頼。掌儀は儒生たちを率いて王に直訴し、ファンの類まれな記憶力を称え、彼の復帰を求めました。これには王も心を動かされ、ついにファンの幽閉は解かれるのです!

自由の身となったファンは、弓術大会でその驚異的な記憶力と才能を臣下たちの前で見せつけ、敵であるチョ・ウォンボを苛立たせます。

そんな中、ジェイの記憶が少しずつ蘇り始めます。かつて、自分の家族が殺される直前に家に現れた偽の役人…その顔が、ファンの護衛武士であるテガンだったことを思い出したのです!衝撃の事実に気づいたジェイは、ファンとテガンの後を必死に追いかけるのでした。

『青春ウォルダム 呪われた王宮』第12話の感想

今回は、これまで劣勢に立たされていたイ・ファンと仲間たちによる、見事な反撃が描かれた回でした。特に、幽閉という絶望的な状況から、知略を巡らせて自力で解放を勝ち取るファンの姿は圧巻です。ただ待つのではなく、仲間を信じて的確な指示を出し、敵の意表を突く手腕には、未来の王としての器の大きさを感じさせられました。また、ファンを救うためにそれぞれの場所で奮闘するジェイ、ソンオン、ミョンジン、ガラム、テガンの連携プレーも見どころです。彼らの絆が深まるほどに、物語の熱量も高まっていきます。悪役チョ・ウォンボの憎々しいまでの存在感も、物語の良いスパイスになっています。最後にジェイが思い出した記憶の断片が、今後の展開にどのような影響を与えるのか、目が離せません。

つづく