いやあ、今回の『メスを持つハンター』第10話は、息をするのも忘れるくらい見入ってしまいましたね…。セヒョンにこれでもかと襲いかかる過酷な運命。彼女の過去と現在が交錯し、ついに全ての元凶である人物との直接対決が描かれました。早速、緊迫の第10話の展開を振り返っていきましょう!

セヒョンにかけられた殺人容疑

物語は、ジョンヒョンから姉ウンソについて問われ、涙を流すセヒョンの姿から始まります。彼女の脳裏には、父であるチェさんによって妹セウンから引き離された、幼い日の悲しい記憶が蘇っていました。

その頃、チャンジン率いる捜査チームは、クォン・ヒョンジョの自宅で凄惨な事件現場を発見します。そこには、犯行に使われたと思われる筋弛緩剤「パンクロニウム」、そして決定的な証拠となる「SSH」とイニシャルが刻まれたメスが…。それはまさしく、セヒョンのメスでした。

警察は一気にセヒョンへの疑いを強めます。科捜研の同僚からの「メスはセヒョンのものと酷似している」という証言が、彼女をさらに窮地へと追い詰めていきます。

たった一人の逃亡と追跡

病院から母の容態が良くないと連絡を受け、駆けつけたセヒョン。幸い母の命に別状はありませんでしたが、そこで彼女は、かつて母から「あなたは良い人間よ」という言葉と共にこのメスを贈られた日のことを思い出します。

母の枕の下に隠されていた古いノートを見つけたセヒョン。そこには、過去の自分が描いた絵、そして「ソ・ウォニ」という名前で購入された洗浄剤のレシートが挟まっていました。これが、反撃の鍵となるのでしょうか。

警察の包囲網が迫る中、セヒョンは間一髪でその場から逃走。彼女の無実を信じたいジョンヒョンとチャンジンは、セヒョンがかつて父と暮らしていた街・ハヨンへと向かいます。

一方、セヒョンの自宅を捜索した別の警官チームは、浴室で血の痕跡が付着した青いバケツを発見。状況はますますセヒョンにとって不利になっていきます。

父との対決、そして衝撃の結末

ハヨンに着いたジョンヒョンは、セヒョンが住んでいた古い家で、床にこぼれた赤いペンキの足跡を発見します。左足を引きずる特徴的な足跡…それは、ジョンヒョンが知る人物、チェ・ミングク(チェさん)のものでした。

その頃、警察の追跡を振り切ったセヒョンは、あるクリーニング店にたどり着きます。そこにいたのは、彼女の父。セヒョンは怒りに任せて父に襲いかかりますが、無情にも力でねじ伏せられ、あのパンクロニウムを注射されてしまうのでした…。意識が遠のいていくセヒョン。彼女の運命は、一体どうなってしまうのでしょうか。

『メスを持つハンター』第10話の感想

今回のエピソードは、主人公セヒョンが背負ってきたものの重さと、彼女を取り巻く状況の絶望感がひしひしと伝わってくる回でした。無実を証明しようとすればするほど、状況証拠が彼女を犯人へと仕立て上げていく展開は、見ていて非常に胸が苦しくなります。特に、かつて母から愛情の証として贈られたメスが、自分を殺人犯に仕立て上げる凶器として現れる皮肉には、言葉を失いました。ジョンヒョンがセヒョンの無実を信じようと奔走する一方で、彼の仲間たちは彼女を容疑者として追う。この警察内部の対立構造も、物語に深い緊張感を与えています。そして、全ての元凶である父親との対決シーン。怒りと悲しみをぶつけるセヒョンが、逆に薬物を注射され意識を失うという結末は、あまりにも衝撃的でした。彼女の正義は、このまま闇に葬られてしまうのでしょうか。物語の核心に迫る、非常に見応えのある一話だったと感じます。

つづく