いやはや、今回の『メスを持つハンター』第12話は、息をするのも忘れるほどの展開でしたね…。父の狂気から逃れようともがく娘と、正義を追い求める刑事たちの執念が、最悪の形で交差してしまいました。早速、衝撃の第12話を振り返っていきましょう。
物語は、幼いセウンと父チェ・ミングクの過去の回想から始まります。仕事から戻った父は、セウンにバンの掃除を命じて家を離れます。しかし、部屋に入ったセウンが見たのは、ウンソが用意してくれた誕生日の飾り付けとケーキ、そして真新しい制服でした。束の間の幸せに浸るセウン。その一方で、バンの後片付けをしようとしたウンソは、車内に残されたおびただしい血痕を発見し、恐怖に凍りつきます。この過去の断片が、現在の悲劇の根深さを物語っていますね…。
そして現在。セヒョンの手は包帯で巻かれ、痛々しい姿です。その頃、警察署には意外な人物、クォン・ヒョンジョが現れます。彼は「男に襲われた後、現れた女に手当をされた」と証言。男からは「laxの匂いがした」という決定的な一言が。
この証言から、チャンジンとジョンヒョンは犯人がチェ・ミングクであると確信。しかし、チャンジンが上司に捜査を進言すると、なんと交通課への左遷を命じられてしまいます。理不尽な命令ですが、彼の正義の炎は消えません。チャンジンは「ジョンヒョンと二人でやる」とチームに告げますが、仲間たちも彼を見捨てることはなく、共に捜査へ向かうことに。このチームの絆、熱いじゃないですか!
一同はジョンヒョンと合流し、チェのクリーニング店へ潜入。そこには、まるで少女が暮らしていたかのような部屋が。しかし、指紋は綺麗に拭き取られていました。そこにチェ本人が帰宅!ソクウが必死に時間を稼ぎ、なんとか脱出しますが、チェは彼らが侵入したことに気づいてしまいます。
その頃、チェのバンの中では、セヒョンが妹のセウンが自分の腕時計をしていることに気づきます。彼女は「このボタンを押せば助けを呼べる」と、最後の望みを託すように使い方を教えますが、失血により意識を失ってしまいます。
チェはレンタカーを借りて再び移動を開始。チャンジンはCCTVカメラを駆使してその行方を追い、ジョンヒョンが追跡します。人気のない土地でついにバンを発見。チェはセウンに薬を買いに行かせますが、処方箋がないため手ぶらで戻ってきます。
痺れを切らしたチェは、3人で薬局へ。この隙をついて、セヒョンは催涙スプレーで父に反撃を試みます!しかし、無情にも力でねじ伏せられ、殴られてしまうのです。その時、駆けつけたジョンヒョンが割って入りますが、なんとチェは隠し持っていた刃物でジョンヒョンを刺してしまいます!
ジョンヒョンは血を流しながらも、最後の力を振り絞ってチェの足に掴みかかり、その場にパトカーが到着。警官たちが銃を向ける中、チェはセウンを人質に取り、車で逃走してしまいました。
地面に倒れ込み、薄れゆく意識の中でジョンヒョンは「君を信じなくて、すまなかった…」とセヒョンに謝罪し、目を閉じるのでした…。
『メスを持つハンター』第12話の感想
父であるチェ・ミングクの歪んだ愛情と、それに翻弄されるセヒョンとセウンの姿が痛々しく、見ていて胸が締め付けられました。特に、セヒョンが勇気を振り絞って父に反撃するも、いとも簡単に力で押さえつけられてしまう場面は、彼女の絶望が伝わってくるようでした。一方で、理不尽な左遷にも屈せず、自らの信念を貫き捜査を続けるチャンジン刑事と彼のチームの姿には、確かな希望を感じさせられます。正義とは何か、家族とは何か、そんな根源的な問いを突きつけられたような回でした。ラスト、ジョンヒョンが刺され、セウンが人質に取られるという最悪の状況で幕を閉じましたが、これは単なるサスペンスではなく、人間の深層心理を鋭くえぐる重厚な物語なのだと改めて実感しました。
つづく