いやはや、とんでもない展開になってきましたね、ドラマ『かくれんぼ』!第3話は、ヒロイン・チェリンの壮絶な過去と、生き抜くための凄まじい覚悟が描かれる、息もつけない回となりました。まさか、結婚を拒んだだけで精神病院に放り込まれるなんて…。祖母ヘグムの恐ろしさ、ここに極まれり、です。

祖母の狂気!精神病院に囚われたチェリン

テサングループの御曹司ジェサンとの結婚を拒んだチェリン。彼女を待ち受けていたのは、祖母ヘグムが仕組んだあまりにも非情な罠でした。なんと、留学時代の精神科通院歴を口実に、チェリンは精神病院に強制入院させられてしまいます。 「結婚を承諾するまで一歩も出さない」というヘグムの言葉は、まさに悪魔の宣告。

一方でヘグムは、テサングループ会長のムン・テサン親子には「チェリンは花嫁修業のため留学させました」とシレッと嘘をつく徹底ぶり。この女、マジで怖い…。しかし、百戦錬磨のテサン会長は何かを察し、秘書のウニョクにチェリンの居場所を探るよう命じます。

ウニョクはキム室長を尾行し、ついにチェリンが精神病院にいることを突き止めます。そして、病室のドア越しに聞いてしまったのです。チェリンの絶望の叫びと、キム室長の冷酷な言葉を…。

「お嬢様は、ご自分が主人だと思っているからここにいるのです。我々の主人は、ただ一人…ミン・スアお嬢様だけ」

この言葉に、チェリンは完全に心を打ち砕かれます。20年間、会社のために、家族のために身を粉にして働いてきた。血の繋がりはなくとも、両親を心から愛してきた。その全てが、「偽物」の一言で否定されてしまったのですから。ドアの外で全てを聞いていたウニョクもまた、同じように「愛されない子供」である自分とチェリンを重ね、彼女の絶望に深く共感するのでした。

明かされる過去…高麗人参が入れ替えた運命

絶望の淵で、チェリンは過去を思い出します。

孤児院にいた頃、わざと反抗的な態度をとることで、逆にヘグムの目に留まり養女の座を勝ち取ったこと。 養父母には可愛がられたものの、ヘグムからは本当の孫娘スアの「身代わり」として、常に冷たい仕打ちを受けていたこと。

そして、運命を決定づけた「高麗人参事件」。

チェリンが猩紅熱で高熱を出した際、ヘグムはなんと彼女を病院にも行かせず、地下室に放置したのです。 「この子が病めば病むほど、スアは健康になる」という、おぞましい迷信を信じて…。

飲まず食わずで死の淵をさまよっていたチェリンは、生きるために、地下室に保管されていたスアのための「百年の高麗人参」を食べてしまいます。 後日、その事実を知ったヘグムは顔面蒼白に。「人参の主が変われば、死ぬべき者が生き、生きるべき者が死ぬ…運命が入れ替わる」という言い伝えを信じていたからです。そして、その直後にスアが行方不明になったことで、ヘグムのチェリンへの憎しみは決定的なものとなったのでした。

屈辱と覚悟の結婚承諾

過去の記憶は、チェリンに生きるための闘志を再び燃え上がらせました。「あの時も生き延びた。今度も必ずここから出てみせる!」と。

彼女はヘグムを呼び出すと、床にひれ伏して土下座し、ジェサンとの結婚を承諾します。

こうして、会社の倒産の危機はテサングループからの投資金で回避されました。しかし、それはチェリンが自らの人生を犠牲にして得たもの。ジェサンは結婚の準備さえウニョクに丸投げする始末です。

皮肉にも、ウニョクと二人で結婚指輪やドレスを選ぶチェリン。店員に「お似合いのカップルですね」と褒められ、束の間だけ「幸せな花嫁」を演じます。 その頃、ウニョクの本当の恋人であるヨンジュも、彼との未来を夢見て嫁入り道具を揃えているのでした…。

夜、一人でヤケ酒をあおるチェリンの元にウニョクが現れます。

「愛する女性はいる?」

そう問いかけるチェリンに、彼は答えません。チェリンはグラスを見つめ、ポツリとつぶやくのでした。

「…かわいそうに」

その言葉は、愛のない結婚をする自分に向けられたものか、それとも愛する人と結ばれないウニョクに向けられたものだったのでしょうか。

『かくれんぼ』第3話の感想

今回のエピソードは、チェリンというキャラクターの深層をえぐる、非常に見ごたえのある回でした。彼女がただの逆境に負けない健気なヒロインではなく、生き抜くためなら手段を選ばない、したたかさと強靭な精神力を併せ持った人物であることが鮮烈に描かれています。特に、孤児院時代に自ら養女の座を掴み取りにいく姿や、地下室で高麗人参を食べてでも生き延びようとする執念は、彼女の根幹を成す「生命力」そのものだと感じました。祖母ヘグムの常軌を逸した血筋への執着は、もはや愛情ではなく狂気であり、その歪んだ感情がチェリンをより強くさせているという皮肉な構図が浮き彫りになっています。ウニョクが彼女の絶望に静かに寄り添う姿も印象的で、似た境遇を持つ二人の間に芽生え始めた共感が、今後の物語にどのような影響を与えていくのか、目が離せません。

つづく