いやあ、『かくれんぼ』の第33話、とんでもない回でしたね…。ついに、あの事件の核心に触れる、ウニョクの過去が明らかになりました。今回は、見ているこっちの胸が張り裂けそうになる、そんなエピソードのあらすじとネタバレをお届けします。
衝撃の幕開け!ウニョクの過去に隠された罪
自分が本物のミン・スアだと明かしたヨンジュは、チェリンとウニョクの関係を嘲笑います。「そんな大事なことを、彼に話してなかったの?」と。その言葉は鋭い刃のようにチェリンに突き刺さります。ウニョクは、あまりの衝撃に言葉を失い、まるで魂が抜けたかのようにヨンジュ(スア)と共にその場を去ってしまうのでした。残されたチェリンの、あのどうしようもなく不安げな表情が忘れられません…。
車中でヨンジュは勝ち誇ったように、かつての自分とチェリンの立場が逆転したことを語ります。しかし、彼女自身も誘拐された当時の記憶は曖昧で、チョ・ピルドゥ以外の誰かが関わっていたような気がすると口にします。その言葉が引き金となり、ウニョクの脳裏に封印されていた20年前の記憶が鮮明に蘇るのでした。
20年前の真実…少年が犯した過ち
時間は20年前に遡ります。ウニョクはまだチョ・スンミンという名の少年で、父ピルドゥの命令で裕福な家で働いていました。そこで彼は、太陽のように明るい少女、ミン・スアと出会います。自分のことを「良い人だ」と屈託なく笑うスアに、虐げられて育ったスンミンの心は初めて温かい光が差したのかもしれません。
しかし、その出会いが悲劇の始まりでした。金に汚い父ピルドゥは、スアが裕福な家の令嬢だと知るや、邪な考えを抱きます。そして、悪魔のような父から逃れたいと願うスンミンの弱みにつけこみ、「一度だけ言うことを聞けば、お前を自由にしてやる」と誘拐計画への協力を強要するのです。
スンミンは苦悩の末、かくれんぼをしていたスアを連れ出そうとします。一度は良心が痛み、スアを帰そうとしますが、その瞬間も父ピルドゥは見ていました。結局、スアはピルドゥによって力ずくで連れ去られてしまいます。「やめてくれ!」と泣き叫ぶスンミンの声は、無情にもかき消されるのでした…。
罪悪感に苛まれるウニョクと、彼を案じるチェリン
すべての記憶を取り戻したウニョクは、計り知れない罪悪感に打ちのめされます。一方、チェリンは連絡の取れないウニョクを必死に探し回ります。彼女は、ヨンジュがスアだと知ったウニョクが傷ついていると思い、彼を慰めようとしますが、ウニョクが抱える秘密の深さをまだ知りません。
その裏で、ムン・ジェサンはほくそ笑んでいました。彼はピルドゥからウニョクの過去を聞き出し、これを利用してチェリンを手に入れようと画策します。チェリンがウニョクの罪を知れば、その罪悪感を軽くするために、本物のスアにあらゆる補償をしようとするだろう、と。なんとも卑劣な考えです。
そして物語の終わり、絶望の淵に立たされたウニョクは、父ピルドゥを車に乗せ、自暴自棄な行動に出ます。アクセルを全力で踏み込み、すべてを終わらせようと心中を図ったのです。間一髪で事故は避けられましたが、車を降りて泣き崩れるウニョクの姿は、彼の背負ってきた十字架の重さを物語っていました。
『かくれんぼ』第33話の感想
今回のエピソードは、登場人物たちが抱える心の傷が深くえぐり出された回でした。特に、チャ・ウニョクが背負ってきた秘密の重さには胸が締め付けられます。彼が単なる誘拐の協力者ではなく、自身もまた「悪魔」のような父親の被害者であったという構図が、物語に一層の深みを与えています。純粋な少年が犯した過ちが、20年もの間、どれほど彼を苦しめてきたのかを思うと、言葉を失います。一方で、どんな状況でもウニョクを信じ、支えようとするチェリンの健気さには心を打たれました。彼女の愛が、絶望に沈むウニョクにとって唯一の光となることを願わずにはいられません。それぞれの運命が複雑に絡み合い、誰一人として単純な善悪では語れない、このドラマの真骨頂が発揮された素晴らしい脚本でした。
つづく