ついに迎えた『モーテル・カリフォルニア』の最終回。父チュンピルの病を知ったチ・ガンヒの心は、後悔と悲しみで張り裂けそうでした。ソウルに戻ったガンヒは、恋人ヨンスの前で、父が送ってくれた料理を前に「ありがとうも言えなかった」と涙を流します。過去のすれ違いを悔やむガンヒを、ヨンスはただ静かに抱きしめるのでした。

その頃、ハナ邑ではチュンピルがスンオンを役所に連れて行き、正式に養子として迎え入れます。血の繋がりだけではない、新しい家族が誕生した瞬間でした。

モーテルに戻ったガンヒは、荷物をまとめる父の姿を目にします。抗がん剤治療に付き添うと申し出る娘に、チュンピルは「お前は自分の人生を生きろ」とだけ告げます。その知らせはすぐに広まり、旧知のスンジャも涙ながらにチュンピルを見舞いました。

友人たちもガンヒを支えます。ジョングは「お父さんは前みたいに病気に打ち勝つ」と励まし、ガンヒとヨンスは、チュンピルを介護施設には入れたくないという共通の想いを確かめ合います。そんな中、町ではスンオンとアルム、ハンウとナヌという若いカップルたちの幸せそうな姿があり、少しだけ心が和むのでした。

一方、ソウルでは別の物語が。ガンヒの同僚ソクギョンは、シングルマザーになる決意をしたエスターのため、お見合い相手探しを手伝っていました。しかし、失礼な相手に嫌気がさしたエスターは、もう探さなくていいと伝えます。ソクギョンの支えのおかげで、一人で子供を育てる強さが湧いてきたのです。彼女が「手伝ってくれる?」と尋ねると、ソクギョンは心から同意するのでした。

そんな中、ガンヒの元に衝撃的な電話がかかってきます。「チュンピルがモーテルを売る」。急いでハナ邑に戻ったガンヒが見たのは、父からの手紙でした。そこには、仲間たちがモーテルを出て、それぞれの家を見つける時が来たと書かれていました。ガンヒの脳裏に、このモーテルで過ごした幼い頃の思い出が溢れ出します。

買い手候補がモーテルを無神経にけなすのを見て、ガンヒの怒りは頂点に。病院へ向かい、ベッドに横たわる父の姿に言葉を失います。父は、ガンヒ一人に思い出の詰まったこの場所の重荷を背負わせたくなかったのです。しかし、ガンヒの決意は固まっていました。「このモーテルを私にちょうだい」。彼女は、ここを介護施設に改装し、父や仲間たちとずっと一緒に暮らすという未来を提案します。

その計画に、仲間たちは大賛成!チュンピルを説得するため、みんなで思い出の写真を飾り付けます。スンオンは「兄として」と改装費用を差し出し、正式な兄妹になった証明書を誇らしげに見せるのでした。

ガンヒは新しい介護施設の設計に没頭し、時を同じくして新しいモーテル「オテル・ハナ」も完成間近。ソクギョンはエスターへの想いをガンヒに打ち明け、ガンヒはすべてお見通しだったと微笑みます。

そして、「オテル・ハナ」のオープニング当日。ガンヒはここで介護施設のプレゼンをする計画でした。しかし、主役であるチュンピルが来られないとの連絡が。ガンヒが「モーテル・カリフォルニア」へ向かうと、そこには村の長老たちと語らう父の姿が。ガンヒは、父を支えてくれた長老たちに深く頭を下げます。

パーティー会場に戻ると、かつてガンヒを敵視していたホニョルまでもが謝罪し、介護施設への寄付を申し出ます。皆が過去を乗り越え、和解を果たした瞬間でした。

その夜、仲間たちは「モーテル・カリフォルニア」で、チュンピルのためのサプライズの誕生日兼クリスマスパーティーを開きます。感謝を述べる父に、ガンヒは初めて「チュンピル」ではなく「お父さん」と呼びかけました。

雪が舞い始め、ガンヒとヨンスは二人きりで外へ。雪の上に家の絵を描き、その中に寝転びながら、ガンヒはヨンスのそばにいることを誓います。

物語は、チュンピル、ガンヒ、ヨンス、そしてかけがえのない仲間たち全員の、幸せに満ちた記念写真で幕を閉じました。

『モーテル・カリフォルニア』最終回 第12話の感想

最終回は、登場人物一人ひとりの「これから」を丁寧に描ききった、非常に心温まる結末でした。父と娘の長年のわだかまりが雪解けのように溶けていく様は、涙なしには見られません。特に、ガンヒが初めて「お父さん」と呼ぶシーンは、この物語の集大成と言えるでしょう。また、血の繋がりを超えた家族の形や、過ちを許し合う友人たちの深い絆が、観る者の心を優しく包み込みます。ガンヒが過去の思い出が詰まったモーテルを、未来を創造する場所へと変えようと決意する姿は、過去と共に生きていくことの尊さを教えてくれました。それぞれのキャラクターが自分の居場所を見つけ、幸せな未来へと歩み出すラストは、深い感動と満足感を与えてくれる素晴らしいフィナーレでした。

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