ついに迎えた最終回。まるで長い間一緒に過ごした仲間を見送るような、少し寂しくも温かい気持ちになりましたね。今回は、それぞれのキャラクターが選び取った未来と、彼らの変わらぬ絆を描いた第12話のあらすじを、ネタバレ全開で語っていきたいと思います!
物語は、村人から慕われていたパクさんの葬儀から静かに幕を開けます。彼の死を悼み、多くの人が集まる光景は、このドラマが大切にしてきた人の温かさを象徴しているようでした。
しかし、事務所に戻ると、まるで堰を切ったように変化の波が押し寄せます。まず、チャンウォンが検事になるため事務所を去ることを決意。続いてサンギも、長年の夢だった博士課程に進むため退職を表明します。さらに、出産を控えたムンジョンは、ワークライフバランスを考え、企業内弁護士への転職面接を受けると宣言。そしてヒジもまた、ジュヒョンに国選弁護人という厳しい道へ進む決意を打ち明けるのでした。
まさに解散前夜ともいえる雰囲気の中、それぞれの物語がクライマックスに向けて動き出します。
ムンジョンは、いざ転職の面接に臨んでみて、今の仕事がいかに自分にとって大切かを再認識します。そして、転職ではなく、自ら産休中の代替人員を探し出すという力強い選択をしました。
一方、ヒジは新たに担当したセクハラ事件で、一筋縄ではいかない依頼人に向き合う中で、国選弁護人としての覚悟を固めていきます。父親の反対を押し切ってでも、自分の信じる道を進もうとする彼女の姿は、とても印象的でした。
そんな中、事務所には思わぬ激震が走ります。サンギの恩人でもあるキム・ヒョンミンが運営する財団に、脱税調査のメスが入ったのです。これは、かつて事務所が関わったイ・ドンスによる告発が原因でした。事務所全体が捜査の対象となり、不穏な空気が漂います。
サンギは、恩人であるヒョンミンへの感謝を胸に、自身の夢である教職への道を歩み始めます。そして、ひょんなことから一夜を共にしてしまったリュジンとの関係も、気まずさを乗り越えて新たな一歩を踏み出します。
そして、我らがジュヒョン。彼は、過去に担当した保険金訴訟で、会社側の代理人として再び依頼を受けますが、これをきっぱりと拒否。自分の正義を貫くため、そして自分のやり方で事件と向き合うために、辞表を提出し独立する道を選びます。9年間勤めた事務所を去る彼の背中には、迷いと、それ以上の強い決意が感じられました。
時が流れ、物語はエピローグへ。
出産を終えたムンジョンが事務所に戻ると、そこにはかつての合同事務所はなく、それぞれが独立した形になっていました。サンギは大学の助教として、そしてリュジンと恋人として充実した日々を送っています。チャンウォンは念願の検事に、ヒジは国選弁護人として、それぞれの場所で奮闘していました。
そしてジュヒョンは、自身の法律事務所を構え、亡きパクさんの事件の真相を追い続けていました。
最後は、それぞれの道を歩み始めた5人が、以前と変わらずにランチに集まるシーンで締めくくられます。場所や立場は変わっても、彼らの絆は永遠だということを感じさせてくれる、希望に満ちたエンディングでした。
『瑞草洞<ソチョドン>』最終回 第12話の感想
派手な逆転劇や劇的な事件解決で終わるのではなく、登場人物一人ひとりが自分の人生と向き合い、悩み、そして未来を選び取っていく姿を丁寧に描いた最終回でした。彼らが下した決断は、決して簡単なものではなかったはずです。それでも、自分の信じる正義や幸せを追い求めることをやめなかった彼らの姿に、静かな感動を覚えました。特に、それぞれの道を歩み始めた後も、変わらずに食卓を囲む5人のラストシーンは、このドラマのテーマそのもの。困難な現実の中でも、人と人との繋がりこそが救いであり、希望なのだと改めて教えてくれた気がします。観終わった後、温かい気持ちと共に、明日を生きる小さな勇気をもらえた、そんな素晴らしい最終回でした。