ついに迎えた最終回!カン・ヨハンが逮捕されるという衝撃的な展開で幕を開けた第16話。信じていた人々に裏切られ、絶望の淵に立たされたキム・ガオンは、自らの過ちを正し、ヨハンを救い出すことができるのでしょうか?そして、悪の限りを尽くす社会的責任財団との最後の戦いの火蓋が、今切って落とされます!
ガオンの覚悟とミン・ジョンホの裏切り
ヨハン逮捕の報に、エリヤは取り乱し、ガオンは自らを責め続けます。彼はすべてを元に戻すため、ヨハンを救い出すと固く誓うのでした。しかし、警察に駆け込み、ヨハンが無実であること、チョン・ソナたちの罪を告発しようとしても、証拠がないことを理由に全く相手にされません。
万策尽きたガオンが向かったのは、尊敬する恩師ミン・ジョンホのもとでした。しかし、そこで聞かされたのは信じがたい真実。なんと、ミン・ジョンホはチョン・ソナと手を組んでいたのです。ガオンがヨハンの兄イサクに瓜二つであることを利用し、ヨハンを陥れる計画に加担していたのでした。大法官の地位と引き換えに悪魔に魂を売った恩師の姿に、ガオンは怒りを爆発させ、殴りかかります。
決死の潜入!暴かれる「夢の郷」の闇
尊敬する師にまで裏切られ、孤独な戦いを強いられるガオン。彼は最後の望みをかけ、ヨハンの弁護士に協力を仰ぎ、貨物箱に隠れて「夢の郷クリニック」への潜入を試みます。そこは、ウイルス感染者とされた人々が収容され、非人道的な人体実験が行われている地獄でした。
ガオンは医師になりすまし、院内の様子を録画。そこで、大統領ホ・ジュンセたちがワクチン開発のための人体実験を平然と語り、用済みになったヨハンの殺害を計画している場面を目撃します。ガオンは決死の覚悟で、実験台にされていた一人の女性を連れ出し、悪魔たちの計画の動かぬ証拠を手に入れることに成功するのでした。
死からの復活、そして最後の公開裁判
そんな中、テレビから衝撃的なニュースが流れます。カン・ヨハンが刑務所内で殺害された、と。祝杯をあげるホ・ジュンセ、パク・ドゥマン、ミン・ヨンシクら財団のメンバー。そして、彼らはヨハンの追悼会と称し、ミン・ジョンホの大法官就任式の日に、邪魔者となったチョン・ソナをも始末しようと企みます。
ミン・ジョンホの就任式当日。ガオンはオ・ジンジュの協力を得て、ミン・ジョンホを大法官室に誘い込みます。そして、自爆覚悟で彼に罪を償わせようとした、まさにその時でした。
「よせ、ガオン」
そこに現れたのは、死んだはずのカン・ヨハン!彼は刑務所長の弱みを握って取引し、自らの死を偽装していたのです。
そして、何も知らずに祝宴を開いている財団メンバーたちの前に、ヨハンはスクリーン越しに姿を現します。全国民が見守る中、ヨハンによる最後の公開裁判が始まったのです。ガオンが命がけで撮影した「夢の郷クリニック」の映像、チョン・ソナがスヒョンを殺害した証拠、ミン・ジョンホの裏切り。すべての悪事が白日の下に晒され、国民の怒りは頂点に達します。
悪の終焉、そして…
追い詰められた悪人たちは、醜い仲間割れを始めます。チョン・ソナはホ・ジュンセを射殺。そして、銃口をヨハンに向けますが、最後は自らのこめかみを撃ち抜き、ヨハンへの歪んだ愛を告げながら命を絶ちました。
ヨハンは、この腐った世界を終わらせるため、法廷に仕掛けた爆弾のスイッチを手にします。駆けつけたガオンの制止を振り切り、彼を外へ突き飛ばすと、ヨハンは悪人たちと共に炎の中へと消えていきました。
しかし、悪魔判事は死んでいませんでした。彼は爆発から脱出し、エリヤを連れてスイスの病院へと旅立ちます。
一ヶ月後。日常に戻ったガオンの前に、ふとヨハンが現れます。二人は言葉を交わすことなく、ただ視線を交わすだけ。そしてヨハンは背を向け、去っていきます。その背中を見送るガオンの顔には、確かな絆を感じさせる微笑みが浮かんでいました。
『悪魔判事』最終回 第16話の感想
法で裁けない巨悪を、果たしてどう裁くべきか。このドラマは最後まで重い問いを投げかけてきました。カン・ヨハンが選んだのは、悪を根こそぎ破壊するという、まさに悪魔的な方法でした。彼のやり方は決して肯定されるべきではないかもしれません。しかし、腐敗しきった権力者たちを前に、他にどんな道があったのかと考えさせられます。最終的に、ヨハンはガオンに未来を託し、自らは全ての罪を背負って闇に去りました。爽快感と同時に、深い切なさが胸に残る、見事な結末だったと思います。正義とは何か、その答えの複雑さを突きつけられたような、忘れられない最終回でした。