ゲーム続行か、中止か…運命の投票
前回の反乱失敗で、レッドチームのプレイヤーたちが処刑されるという衝撃的なシーンから幕を開けた第3話。補充されたスタッフはなんと外国人。彼らは失敗したプレイヤーを殺したくてたまらない様子で、その正体が後にVIPたちであることが明かされます。もうこの時点で胸糞悪い展開が約束されたようなものですよね…。
一方、参加者たちの間でも不協和音が鳴り響きます。ナムギュは例の「サノス」のピルケースを失くして禁断症状に苦しみ、半狂乱に。そんな中、ゲームを続けるか否かの投票が始まります。VIPたちは、この人間たちの強欲さを観察するのが、実際のゲームよりも面白いと大興奮。
ここで、まさかの展開が。なんとナムギュが「反対」に票を投じたのです。しかし、彼の苦しむ姿をもっと見たいミンスは、意地悪く「賛成」票を入れます。クムジャは赤ん坊のためにゲームの中止を涙ながらに訴えますが、その声は誰にも届かず、結果は賛成多数でレッドチームの勝利。VIPたちは、見ず知らずの子供のために自分の息子を殺したクムジャの演説を嘲笑うのでした。人間の心、どこに捨ててきたんだ…。
脱出計画と外部からの追跡
その頃、ノウルはプレイヤー246を医者(スタッフ#16)に変装させ、脱出計画を着々と進めていました。臓器売買チームはついに作業室で警備員の死体を発見しますが、顔を潰され246の服を着せられた本物の医者の死体を見て、スタッフ#16が裏切ったと勘違いします。
オフィサーは監視カメラからノウル(#11)と変装した246の姿を見つけますが、その背後からノウル本人に脅され、脱出の手助けを強要されることに。彼女の真の目的は一体何なのでしょうか。
船で島を追うジュノも、ついに見覚えのある崖を発見。パク船長の制止を振り切り、島へと接近します。そして外部では、ウソクがパク船長の家への潜入に成功。そこで営業マンとパク船長が一緒に写る写真を見つけますが、飼い犬に襲われ、駆けつけた警官に追い詰められるという絶体絶命のピンチに陥ります。
母の決断と、あまりにも残酷な第5ゲーム
バンカーに戻ると、重苦しい空気が流れていました。ヨンシクとヒョンジュの死に罪悪感を抱くジュニを、クムジャは「あなたのせいじゃない」と慰めます。そしてギフンに対し、ジュニと彼女の子供だけは生き残らせてほしいと懇願するのでした。
しかし翌朝、参加者たちは信じがたい光景を目の当たりにします。棺が運び込まれ、中には夜の間に自ら命を絶ったクムジャの姿が…。ジュニは泣き崩れ、ギフンも涙をこらえきれません。
悲しみに暮れる間もなく、第5ゲームの準備が始まります。VIPたちは、母親なら子供を守るために超人的な力を発揮するだろうと、ジュニの赤ん坊もゲームに参加させるよう仕向けます。人の心がないにも程がある…。
そして明かされた第5ゲームは「縄跳びをしながら壊れた橋を渡る」。制限時間は20分。ギフンは自分が赤ん坊を抱いて渡り、後からジュニを助けに戻る作戦を立てます。しかし、ここでまたしてもミンスが暗躍。ナムギュを挑発するように、空になったサノスのピルケースを橋の上に投げつけます。案の定、薬に目がくらんだナムギュは橋を渡り始めますが、ケースが空だと知って呆然とした隙に縄に打たれ、転落死してしまいました。
ギフンは計画通り赤ん坊を抱いて橋を渡りきりますが、他のプレイヤーが渡り終えるまでジュニの元へは戻れません。残り時間はわずか12分。焦るジュニを尻目に、なんと2番目に渡り終えたプレイヤー96が、ゴール間近のプレイヤーたちを次々と殺し始めるという、衝撃のラストで幕を閉じました。もう、何が何だか…。
『イカゲーム シーズン3』第3話の感想
今回のエピソードは、人間の尊厳がこれでもかと踏みにじられる展開の連続でした。特に胸を抉られたのは、クムジャの選択です。彼女は赤ん坊のためにゲームの中止を訴え、それが叶わないと知ると、自らの命を絶つことでギフンたちに未来を託しました。その母としての深い絶望と愛情が、あまりにも痛々しく伝わってきます。それを高みから見物し、嘲笑うVIPたちの存在は、この物語の非情さを際立たせる強烈なスパイスとなっています。希望を見出そうとするたびに、さらに深い絶望の淵へと突き落とされる構成には、ただただ言葉を失います。登場人物たちの心理的な負担が極限に達しており、物語の重厚さが一層増した回でした。
つづく