ついに迎えた最終回。息を呑むような展開の連続で、もう感情が追いつかない!そんな『Sライン』第6話のすべてを、ここで余すところなくお伝えします。まだ見ていない方は、この先ネタバレ注意ですよ!

悲劇の連鎖と謎の招待状

物語は、一人の女子大生が自分のプライベートな動画を受け取るシーンから始まります。大学に行けば好奇の目に晒され、家に帰っても脅迫メッセージが鳴りやまない。絶望した彼女が車道に飛び込もうとしたその時、彼女を救ったのは、あの謎めいた教師、ギュジンでした。彼は何も知らないかのように、あの不気味な「メガネ」を彼女に差し出すのです…。

一方、ヒョンフプはジュンソンと再会し、ある頼み事をします。二人がホテルで一夜を過ごした後、ヒョンフプは彼との間に新たな「Sライン」が現れたのを見つけます。しかし、その幸せも束の間。ジュンソンがスナックを買いに走っていった直後、彼の背中から金属の棒のようなものが突き出るという、信じがたい光景がヒョンフプの目に飛び込んできます。

「私は呪われている…」

大切な人がまた目の前で死んでいく。絶望するヒョンフプに追い打ちをかけるように、縛られた友人の動画と「17歳の誕生日おめでとう」というメッセージ、そして「境界の部屋」への招待状が届きます。彼女は最後の望みをかけて、ハン刑事に助けを求めるのでした。

学校の怪、二つの屋上

ハン刑事の車に乗り込んだヒョンフプは、何者かが自分の17歳の誕生日をカウントダウンし、何かを要求していると訴えます。ハン刑事は、ヒョンフプが学校に誘い出された手口や、自分がメガネを手に入れた経緯を繋ぎ合わせ、黒幕が同一人物である可能性に気づきます。そして衝撃の事実が判明。ヒョンフプの学校に、ギュジンという教師は存在しなかったのです。

二人は明かりの灯る教室を目指して学校へ突入します。ヒョンフプは無事に友人のギョンジンを見つけ出しますが、ハン刑事のもとへ戻ろうとしても、何度階段を降りても同じ階に戻ってしまうという怪現象に囚われてしまいます。

ハン刑事とヒョンフプたちが屋上へ向かうと、そこは同じ場所ではありませんでした。

ハン刑事のいる屋上では、ギュジンの信者たちが儀式を行っていました。例の女子大生が「先生に出会って、人を殺すたびに線が消え、生きる目的を見つけた」と告白し、最後の罪を清算するため、縛られた男にナイフを振り上げます。そこへ現れたギュジン。彼女の頭からは、無数の赤いラインが伸びていました。ギュジンはハン刑事に気づくと、血まみれで縛られた彼の父親を見せつけ、「ソナを救いたいか?」と刃物を渡します。ハン刑事がギュジンに襲い掛かるも、簡単にあしらわれ、逆に父親を刺殺されてしまうのでした。

世界の再誕、そして…

一方、ヒョンフプたちの屋上では、友人のギョンジンがメガネをかけ、ヒョンフプの首を絞め始めます。もみ合いの末、ヒョンフプがメガネを叩き割ると、ギョンジンは正気を取り戻し、ヒョンフプの目の色が変化していることに気づきます。

その瞬間、ヒョンフプはギュジンの儀式の場にいました。ギュジンは、生まれつきSラインが見えるヒョンフプの能力は「祝福」だと語りかけます。信者たちが一斉にメガネを外し、ヒョンフプを取り囲む中、ギュジンが長い剣を振り上げたその時、ヒョンフプの母親が娘をかばって斬られてしまいます。母親は息絶える前に、自分もメガネを持っていたこと、そしてすべてはヒョンフプのせいではないことを告げました。

母の死を乗り越え、ヒョンフプはギュジンに向かって走り、その剣に自ら貫かれます。しかし、彼女の血は滴り落ちることなく宙に浮かび、やがてヒョンフプ自身も宙に浮き上がります。赤い光の球体が現れ、ヒョンフプが地上に降ろされると、彼女はギュジンを刺します。しかし、ギュジンは「もう手遅れよ」と笑うのでした。

その言葉通り、世界は一変します。すべての人々のメガネが機能を失い、ハン刑事、ヒョンフプ、ギョンジンは同じ屋上にいました。街では、人々が真っ赤に染まった夜空を見上げ、誰もが、誰もの「Sライン」を裸眼で見られるようになってしまったのです。

後日、地下鉄では誰もがサングラスをかけています。ヒョンフプは「やっと普通になれた」と呟きます。昏睡状態だったソナは、Sラインのない状態で奇跡的に目覚めました。しかし、ヒョンフプはまた独りぼっち。彼女がジュンソンの墓を訪れると、背後から「ヒョンフプ」と呼ぶ声が。そこにいたのは、死んだはずのギュジンでした…。

『Sライン』最終回 第6話の感想

個人の秘密が可視化されるという設定が、最終回で全人類に適用されたのは圧巻でした。プライバシーが完全に失われた世界で、人々は「普通」を求めてサングラスをかける。主人公ヒョンフプがずっと望んでいた「普通」が、これ以上ないほど皮肉な形で実現した結末は、非常に深い余韻を残します。愛も憎しみも、すべての人間関係が丸見えになった社会で、人々はこれからどう生きていくのでしょうか。ギュジンの再登場が示すように、物語はまだ終わっていないのかもしれません。多くの問いを視聴者に投げかけ、考えさせる、見事な最終回だったと感じます。

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