さて、前回、行方不明だった姉のソッキョンが見つかったものの、とんでもないトラブルメーカーだったことが判明しましたよね。第2話は、その続きからスタートします。

ソッキョンはなんと、賭博場のボスにまさかの頭突き!その隙にソクチョル、ソッキョン、ソッキの兄妹3人は、なんとかその場から逃げ出すことに成功します。

逃げ込んだ先で、ソッキョンのこれまでの人生が明らかになります。美容師時代に妊娠して、できちゃった結婚。でも、夫の浮気が発覚して新婚旅行が終わる前にスピード離婚。その心の隙間を埋めるようにギャンブルにのめり込み、ついには家族が住む家まで失ってしまったという、なんとも言えない過去…。妹のソッキが「お姉ちゃんのせいで家までなくなったのに!」と叱るのも無理ないですよね。

一方、ヤクザ稼業から足を洗うため、「再開発地区の立ち退き交渉」という最後の仕事に挑むソクチョル。彼は暴力ではなく、対話での平和的な解決を試みます。しかし、抗議活動のリーダーは「ここで死ぬ覚悟だ」と一歩も引きません。

しびれを切らしたソクチョルのボスは、ついに部下たちに暴力での制圧を命令。現場が大混乱に陥る中、ソクチョルはこれ以上の暴力を止めるため、そして交渉するために、リーダーの家に忍び込みます。しかし、もみ合いの最中にまさかの火事が発生!ソクチョルはとっさの判断で、敵であるはずのリーダーを炎の中から救い出します。

この一件は翌日の新聞で「ヤクザが人命救助」と報じられ、結果的に抗議活動は収束。ソクチョルはヤクザを辞めたいという本心をリーダーに打ち明け、ボスからも平和的解決を評価されて報酬を受け取ります。これでやっと、真っ当な人生を歩める…誰もがそう思ったはずでした。

しかし、現実はそう甘くありません。姉ソッキョンが作った借金の返済期限を延ばすため、父が銀行と交渉。その条件は「2週間以内に7000万ウォンを支払うこと」。

そんな中、歌手の夢を諦めきれないミヨンは、オーディションの広告を見つけます。そこで彼女が出会ったのは、ソクチョルのボスと敵対する組織のリーダー、カン・テフム。不穏な空気が漂います。

そして、ラストシーン。ソクチョルの職場に、あの父親が現れます。目的は、息子のボスから金を借りること。かつて、父が刑務所に入ったことで家族の借金を背負い、ヤクザになるしかなかったソクチョル。やっと抜け出せると思った矢先に、今度はその父によって、再びヤクザの世界に引き戻されようとしているのです。あの時のソクチョルの絶望的な表情が、今も忘れられません。

『優しい男の物語』第2話の感想

第2話は、主人公ソクチョルの優しさが、皮肉にも彼自身を追い詰めていく様が克明に描かれていました。ヤクザの世界から抜け出すため、最後まで暴力に頼らず対話で解決しようと奮闘する姿には、彼の根底にある誠実さが表れています。しかし、彼が必死で手に入れようとした平穏は、姉が作った借金と、あまりにも無責任な父親の行動によって、いとも簡単に打ち砕かれます。家族という断ち切れない鎖が、彼の足に重く絡みついていくようで、見ていて非常にやるせない気持ちになりました。特に、父親が金の無心に現れた最後の場面は、ソクチョルの心の叫びが聞こえてくるようでした。彼の純粋な願いが、なぜこうも踏みにじられなければならないのか。物語の非情さに、ただただ言葉を失います。

つづく