父を救うためのソクチョルの決断

物語は、ソクチョルが事務所を去るところから始まります。父親がヤクザの会長からお金を借りようとするのを、「その借金は結局俺の肩にのしかかるんだ」と一言で阻止。父親思いなのが伝わってきますよね。

結局、父親は金を借りなかったものの、問題が解決したわけではありません。そこでソクチョルは、自らの働きで会社が大きな契約を勝ち取ったことを盾に、なんと自ら会長に1億ウォンの融資を直談判!この大胆な行動が、後々の展開に繋がっていきます。

驚いたことに、会長はこの要求をあっさり承認。というのも、かつてテフンが金銭的な理由で組織を去った過去があり、優秀なソクチョルまで失いたくないという思惑があったからでした。

ソッキョンとソッキ姉妹のドタバタ劇

一方、ソッキが入院している病院ではちょっとした騒動が。ギャンブルのボスが部下を引き連れて現れ、ソッキの友人を利用して姉ソッキョンの居場所を嗅ぎ出そうとします。しかし、我らがソッキはそんな脅しに屈するタマじゃありません!見事な頭突きでチンピラたちを撃退します。強い!

その頃、姉のソッキョンは久しぶりに息子に会うため、こっそり抜け出していました。息子はすぐに母親だと気づき、逃げるソッキョンを追いかけるという、なんともコミカルな追跡劇がスタート。しかも、事情を知らないおばあちゃん(ソッキョンの母)まで「孫が知らない人に追われている!」と勘違いして追いかける始末。最終的に、ソッキョンは息子と二人きりになる時間を作れ、「また会いに来るから、おばあちゃんには内緒だよ」と約束を交わすのでした。切ないけれど、心温まるシーンでしたね。

テフンの復讐とミヨンの夢

さて、物語の核心に迫るのがテフンのパート。彼の回想シーンで、ヤクザのボスであるチャンスとの根深い確執が明らかになります。かつてテフンは、妹の手術に必要な7000万ウォンをチャンスに貸してほしいと頼んだものの、無情にも断られ、妹を亡くしていたのです。その絶望の淵で、唯一そばにいてくれたのが親友ソクチョルでした。だからこそ、テフンはチャンスへの復讐にソクチョルを巻き込みたくないと考えていたんですね。

時を同じくして、歌手を目指すミヨンは高級バー「Nibana」のオーディションに挑戦。圧倒的な実力を見せつけますが、マネージャーが他の候補者から賄賂を受け取っていたため、不当に落とされてしまいます。

この話を聞いたソクチョルが黙っているはずがありません。実はそのバー、テフンのいとこが経営しており、ソクチョルとは旧知の仲。彼のとりなしのおかげで、ミヨンは無事に合格を勝ち取ります。

そして迎えたミヨンの初ステージ。招待されたソクチョルも客席から見守ります。しかし、彼女の歌声が響く中、ソクチョルの元に衝撃的なニュースが。「警察が事務所に踏み込み、ボスが逮捕された」――。これはすべて、テフンが仕組んだ復讐でした。

知らせを聞いたソクチョルは、ミヨンのステージを途中で後にして駆けつけます。一方、バーに残ったテフンは、まるで自分の心を代弁するかのようなミヨンの歌声に、ただ静かに聴き入るのでした。親友二人の対照的な姿が映し出されたところで、第3話は幕を閉じます。

『優しい男の物語』第3話の感想

第3話は、登場人物それぞれの背景や動機が深く描かれ、物語に一層の厚みが出たと感じました。ソクチョルが見せる、家族や仲間を守るための行動は、彼の「優しさ」が単なるお人好しではなく、強さに基づいていることを示しています。一方で、親友テフンの抱える過去の痛みと復讐心は、非常に重く、彼の行動に説得力を与えていました。この二人の友情が、今後どのような形で試されるのか、目が離せません。また、夢に向かってひたむきなミヨンや、コミカルながらも切ない事情を抱えるソッキョン姉妹など、脇を固めるキャラクターたちの物語も丁寧に描かれており、それぞれの人生がどう交差していくのか、今後の展開が非常に気になります。

つづく