罠に落ちた友、そして明かされる過去の真実

物語は、ミヨンがその才能をテフムに認められ、賞金とメインステージ出演の権利を手に入れる華やかなシーンから幕を開けます。その一方で、ソクチョルは警察署にいました。親友のチャンスが、麻薬使用の容疑で逮捕されてしまったのです。もちろんこれは、テフムの部下がチャンスの車に仕掛けた卑劣な罠でした。

その頃、ミヨンはソッキから借りていたお金を返し、母親との新しい生活に希望を膨らませていました。そして彼女は、ついに知ることになります。かつて自分をいじめていた連中をソクチョルが殴り、そのせいで彼が退学処分になり、人生の全てが変わってしまったという衝撃の過去を…。自分のために彼がどれほどのものを犠牲にしてきたのか、ミヨンの胸に突き刺さります。

それぞれの思惑が交錯する

ミヨンにすっかり心を奪われたテフムは、彼女に関する情報を必死でかき集め始めます。その執着にも似た好意が、なんだか不気味な感じもしますよね。

一方、ソクチョルの警察官の友人であるビョンスは、彼の妹ソッキョンと出会い、一目惚れ。彼女に付きまとう闇金業者を「刑務所に入れるぞ」と脅して追い払うなど、早速いいところを見せようと奮闘します。この二人の関係も今後どうなるか気になりますね。

友を救いたいソクチョルは、テフムに直接会いに行き、チャンスとのこと穏便に済ませてほしいと頭を下げます。しかし、テフムは聞く耳を持ちません。妹の復讐は果たしたい、でもソクチョルとの関係は壊したくない…そんな矛盾した感情を口にするのでした。

悲しいすれ違いの果てに

ソクチョルとミヨンは、過去のいじめの件について、ちゃんと向き合って話をする約束をしていました。しかし、ミヨンは初のメインステージのパフォーマンスがあり、約束の場所に遅れてしまいます。

その間、薬物検査で陰性となり釈放されたチャンスは、怒りに燃えていました。テフムへの復讐を心に誓った彼は、ソクチョルの元へ向かいます。そして、なんとソクチョルに一本のナイフを渡し、「テフムを殺してくれ」と告げるのです。親友からの、あまりにも重い依頼。この緊迫した場面で、第4話は幕を閉じました。

『優しい男の物語』第4話の感想

今回のエピソードは、登場人物それぞれの「優しさ」や「正義」が、皮肉にも事態を悪化させていく様子が巧みに描かれていました。ミヨンを想うソクチョルの過去の行動が、巡り巡って現在の彼の首を絞めているという構図は、見ていて胸が痛みます。ミヨンがその真実を知り、これからどう行動するのか、彼女の決意が物語の鍵を握りそうですね。一方で、テフムのミヨンへの純粋な好意と、チャンスへの冷酷な復讐心が同居しているキャラクター造形には深みを感じました。彼の行動一つで、全ての人間関係が壊れてしまいそうな危うさがあります。善と悪、愛情と憎しみが複雑に絡み合い、物語に一層の奥行きを与えた回だったと感じます。

つづく