かつては仕事の鬼とまで呼ばれた凄腕MD(マーチャンダイザー)のコ・ヘラ。しかし、それも7年前の話。今では娘を持つ母親として、自分の名前より〇〇ちゃんのママと呼ばれることの方が多くなりました。そんな彼女が、失われた自分の人生を取り戻すため、再就職を決意します。
物語は、ヘラが高層ビルの屋上から、向かいのオフィスビルにいるかつての同僚たちに銃口を向けるという、衝撃的なシーンから幕を開けます。いったい何が彼女をそうさせたのか…?時間は少し遡ります。
7年間のブランクと40代という年齢の壁は厚く、ヘラの就職活動は書類選考すら通らない日々。夫のコン・スピョは非協力的で、どうせ無理だと彼女の挑戦を鼻で笑う始末。その悔しさが、かえってヘラの心に火をつけます。
連戦連敗の末、ようやくたどり着いたある会社の面接。そこに現れた面接官の一人を見て、ヘラは言葉を失います。なんと、かつての職場の同期で、今や商品企画室の部長となったチェ・ジウォンだったのです。
面接でジウォンは、ヘラともう一人の若い応募者にこう問いかけます。もし上司から法に触れるような指示をされたら従いますか?。若い応募者がいいえと答える中、ヘラは覚悟を決めたようにはい、従いますと断言しました。
この答えを待っていたかのように、ジウォンはヘラに私のチームでインターンとして働かないかと、驚きの提案をします。かつての同僚の下で、しかもインターンからやり直すことにプライドは傷つきますが、ヘラはこのチャンスを掴むことを決意するのでした。
こうして、ヘラの7年ぶりの社会人生活がスタート。久しぶりに飲む職場のインスタントコーヒーに喜びを感じるヘラ。一方、ジウォンは社内で唯一の女性役員でありながら、不正を働く上司の下で苦労している様子がうかがえます。
インターンとして何としても成功したいヘラは、同じチームの女性社員2人に取り入ろうとします。2人がどちらも幼い子供を持つワーキングマザーだと知ったヘラは、同じ境遇の自分なら味方にできると確信しました。
しかし、物語の終盤、ジウォンがヘラをインターンとして採用した、本当の理由が明かされます。
ジウォンはヘラに、ある密かで残酷な任務を命じます。それは、ヘラが仲良くなろうとしていた、産休を控える2人の女性社員を自主退職に追い込むこと。それが無理なら、会社が解雇できるような理由を作り出せ、というものでした。
そして、もしこの非情なミッションを成功させたら、ヘラを正式な管理職として採用すると約束するのでした。
『伝説のインターン コ・ヘラ ~Cold Blooded Intern~』第1話の感想
7年というブランクを経て社会復帰を目指す女性のリアルな厳しさと、それを取り巻く人間関係の複雑さが、初回から強烈に描かれていました。特に、かつての同期から突きつけられたインターンという屈辱的な提案を受け入れざるを得ないヘラの姿には、胸が締め付けられる思いです。しかし、物語は単なるお仕事奮闘記では終わりません。終盤で明かされたジウォンの残酷な提案は、現代社会が抱える女性の働き方やキャリアの問題点を鋭くえぐり出しています。同じワーキングマザーでありながら、他のワーキングマザーを蹴落とさなければ自分の居場所を確保できないという、あまりにも皮肉で過酷な状況。ヘラがこの悪魔のような囁きにどう向き合い、どんな選択をするのか、その決断が今後の物語の大きな軸となりそうです。非常に考えさせられる、見ごたえのあるスタートでした。
つづく