前回、イ・ソンがとんでもない決断をしたところで終わったけど、第23話はまさに息をのむ展開の連続だったよ。父子の絆が、音を立てて崩れていく…。早速、詳しく見ていこうか。

罠だと知りながら、民のために

物語は、イ・ソンが関西(クァンソ)地方にある秘密のアカデミーが弾圧されるという知らせを受け取るところから始まる。 これが老論(ノロン)派の罠かもしれないと側近は止めるけど、イ・ソンはアカデミーの民の生死がかかっていると言い、温泉治療を装って自ら関西へ向かうんだ。

その頃、宮殿ではイ・ソンの不在が大問題に。彼の妻である恵慶宮(ヘギョングン)の父が、イ・ソンが逆賊を育てていると老論派の首長キム・テクに密告。 話はすぐに王である英祖(ヨンジョ)の耳に入り、ヨンジョは激怒する。世子が逆賊を育てているだと?と。

師匠であるパク・ムンスが必死に弁護するも、ヨンジョの怒りは収まらず、ムンスは投獄されてしまう。 そしてヨンジョは、イ・ソンの住まいである東宮殿の捜索を命令するんだ。

暴かれた秘密と父の絶望

東宮殿では、恵慶宮たちが必死でイ・ソンの思想が詰まった危険な書物を隠そうとする。 でも、無情にも隠し通路の奥にある秘密の書斎が兵士たちによって発見されてしまう。

ヨンジョ自らその場に足を踏み入れると、そこには西洋の学問やカトリックに関する本がずらり。 これを見たヨンジョは、国を滅ぼす気か!と絶望と怒りを露わにする。 そして、ついに国防大臣ホン・ゲヒ(ホン・ゲヒ)に対し、軍を率いて関西へ向かい、イ・ソンを連れ戻すよう厳命を下したんだ。

関西の悲劇、散りゆく命

関西のアカデミーでは、イ・ソンが駆けつけたことで一度は弾圧が食い止められる。 イ・ソンはこの者たちが逆賊なら、未来の王である私も逆賊だということか!と一喝し、軍を撤退させるんだ。

しかし、それも束の間。イ・ソンが都に戻り事態を収拾しようとしている隙に、ホン・ゲヒ率いる中央軍がアカデミーを襲撃。 アカデミーを守ろうとしたナ・チョルチュ(ナ・チョルチュ)の私兵も抵抗するけど、正規軍にはかなわない。

静かだった学び舎は、一瞬にして地獄絵図と化す。多くの生徒たちが無残に殺されていく中、パク・ムンスが生徒をかばって深手を負ってしまう。 彼はナ・チョルチュの腕の中で、我々は何を間違っていたのだろうか…という言葉を遺して、静かに息を引き取った。 イ・ソンの理想を支え続けた師匠の、あまりにも悲しい最期だった。

決裂する父と子

都に戻ったイ・ソンは、父ヨンジョと対峙する。ヨンジョはお前が逆賊を育てたのかと問い、イ・ソンは彼らは逆賊ではなく、声を聞いてもらえない民ですと真っ向から反論する。

民の声を聞き、彼らの怒りを希望に変えるのが王の役目だ!と訴えるイ・ソン。

お前の甘い理想が、国を揺るがす反乱軍を生んだのだ!と断罪するヨンジョ。

二人の溝はもはや埋めようがなく、ついにヨンジョは非情な命令を下す。

世子を、私邸に監禁せよ!

父の手によって、世子はその自由を奪われた。一方、仲間を殺されたナ・チョルチュは王を殺し、新しい世を開くと、ついに反乱の狼煙を上げる。

ラストシーン、監禁されたイ・ソンにキム・テクが自ら退位せよと迫る。しかし、イ・ソンの瞳からは光が消えていなかった。

私は間違っていない。罪なき民を傷つけた者たちと、最後まで戦う

彼の孤独な戦いが、ここから始まろうとしていた。

『秘密の扉』第23話の感想

今回のエピソードは、これまで積み重ねてきた父子のすれ違いが、ついに後戻りできない悲劇へと突き進んでしまった回でした。理想を追い求めるイ・ソンの純粋な思いが、皮肉にも最悪の結果を招いてしまう展開には、胸が締め付けられる思いです。特に、師匠であるパク・ムンスの死は、イ・ソンの理想が現実の非情さの前に砕け散った象徴のように感じられました。彼の最期の言葉我々は何を間違っていたのだろうかは、このドラマ全体のテーマを貫く問いかけであり、深く心に突き刺さります。王として国を憂うヨンジョと、民を思うイ・ソン、どちらの正義も理解できるからこそ、二人の決裂がより一層悲しく映りました。政治の冷酷さと親子の情愛が絡み合い、重厚な人間ドラマが繰り広げられた、非常に見ごたえのある一話でした。

つづく