今回の舞台は腐った病院だ

今回の話は、グホが病院にいるところから始まる。盲腸の手術をしただけなのに、死ぬかのような悪夢を見て大騒ぎ。こいつは本当に大げさで面白いよな。

同じ病室には、ハン・ジェヒっていう口の達者な女の子がいる。彼女は長いこと入院していて、病院の事情にもやけに詳しい。実は大動脈が狭くなる病気で、ずっと手術を待っている状態なんだ。

そこへイランとジェームズがお見舞いに来る。ジェヒは二人相手にも物怖じしない。大したもんだ。イランの目は、一人の医者に釘付けになる。その男はチョ・ソンウ。韓国でトップ5に入る天才外科医らしい。イランは一瞬で彼に夢中になる。まあ、数分の話だけどな。

ソンウの患者への態度がどうも引っかかる。イランはすぐに彼の化けの皮に気づき始める。その夜、グホは廊下でジェヒが泣いているのを聞いてしまうんだ。

天才外科医の正体と黒幕

数日後、抜糸のために病院に行ったグホはとんでもない会話を耳にする。あの天才外科医ソンウが、同僚のグァンシクと話している。内容はジェヒに関する医療過誤についてだ。

すぐに真相がわかる。ソンウは天才なんかじゃない。ただの金持ちのボンボンだ。父親の力で医者になっただけで、腕はからっきし。ジェヒの手術があった週、ソンウはVIP患者の手術も担当していた。でも、実際に汗を流してメスを握っていたのは、同僚のグァンシクだった。ソンウは手術室に立って、手柄を全部横取りしていただけ。

ジェヒの手術当日、グァンシクは過労で集中力を欠いていた。そして、大きなミスを犯してしまう。彼がこんなゴースト手術をやらされていたのには理由があった。父親が詐欺にあって莫大な借金を背負わされ、ソンウに弱みを握られていたんだ。

この腐った構図を作り上げた黒幕がいる。ソンウの母親で、この病院の理事長イ・ソンミだ。彼女は金の亡者で、貧しいジェヒの手術はずっと後回し。金持ちのクライアントからの、儲かる手術を優先していた。ジェヒの医療事故について報告を受けても、彼女の反応は迷惑だというだけ。本当に救いようがない。

俺たちのターゲットが決まった。この悪徳理事長、イ・ソンミだ。

壮大なワナの始まり

ここからが俺たちの本領発揮だ。まず、チームの仲間がドクター・レイチェルに変装。超金持ちのVVIP専門ドクターとして、理事長のソンミに接近する。

メインの仕掛けは、ジェームズによるハニートラップだ。彼はアトモス・ブラック・ノワールっていう古いコロンをつけたリッチなVIPを演じる。偶然を装って何度もソンミの前に現れ、ピンチを救う白馬の騎士を完璧に演じてみせる。この一連の流れは、見ていて笑えるくらい見事だ。

そして計画は最終段階へ。ソンミはジェームズに勧められた飲み物を口にする。中にはもちろん薬が盛ってある。彼女は病院に緊急搬送される。

ジェームズは病院のコンピューターシステムに侵入。ソンミの医療記録を改ざんし、緊急の救命手術が必要な状態を作り出した。医者たちはトップクラスの外科医が必要だと判断する。執刀できるのは、あのグァンシクしかいない。

でも、グァンシクはジェヒの件で理事長から厳しく叱責された後だった。おまけに、彼は自ら自分の手を傷つけ、もう手術ができない体になっていた。すべてはジェームズの筋書き通りだ。

彼は最高のゴーストサージェンがいると切り出す。その名も、ドクター・レイチェル。追い詰められた理事長は、彼女に手術を頼むしかない。レイチェルは安くない。ソンミは自分の命と引き換えに、手術代として250万ドルを支払うと約束した。

感想

今回は病院の闇に切り込む、かなりヘビーな話だったな。金のために命の順番を平気で入れ替える理事長の姿は、見ていて本気で腹が立った。こういう奴がいるから、世の中はフェアじゃなくなるんだ。でも、そんな重いテーマを扱いながらも、ジェームズのどこかズレてるハニートラップとか、チームのコミカルな連携プレーで、後味はスカッとするのがこのドラマのいいところだ。特に、古いコロンの銘柄を小道具に使うセンスには笑った。可哀想な少女ジェヒを救うっていう明確な目的があったから、今回の作戦はいつも以上に感情移入して見ることができた。悪党をただ騙すだけじゃない。その裏にある人情噺が、やっぱりこのチームの魅力なんだよな。

つづく