今回は『アンダンテ』の最終回、15話と16話について語っていこうと思う。いやー、ティッシュの箱を空にする覚悟で観てくれよな。

最終回 あらすじとネタバレ

突然すぎるボムのサヨナラ

物語の終わりは、ボムの決断から始まる。彼女は、自分が弱っていく姿を誰にも見せたくなかった。幸せな思い出だけをみんなの記憶に残したい。そう考えて、シギョンたちの前から去ることを選んだんだ。

実の母親が彼女を引き取ることに同意はする。でも、二人の関係が完全に元通りになるわけじゃない。母親は罪悪感を感じている。それでも、ボムを養子家族に別れの挨拶をさせるために、周りから説得される必要があったんだ。

そして、一番つらいのがボムの最期だ。シギョンも、俺たち視聴者も、彼女が息を引き取る瞬間に立ち会うことはできない。次のシーンで、ボムの母親がシギョンに泣きながら電話をかけてくる。それで、彼女の死を悟るんだ。あまりにも唐突で、胸がえぐられるような展開だった。

悲しみの底にいるシギョンと、最高の仲間たち

ボムを失ったシギョンは、当然、抜け殻みたいになる。感情を全部押し殺して、平気なフリをする。でも、そんな彼を仲間たちが放っておかない。

学校で罰としてグラウンドを走らされるシギョン。すると、クラスメイトたちが何も言わずに集まってきて、一緒に走り始めるんだ。 お前は一人じゃないぞって、行動で示してくれる。このシーンはグッときたな。そのおかげで、シギョンは溜め込んでいた悲しみや怒りを全部吐き出して、大声で泣き叫ぶことができた。

父との本当の別れと、おばあちゃんの記憶

シギョンが少しずつ立ち直っていく中で、物語は二つの大きな問題に向き合う。一つはホスピスの存続問題。もう一つは、ずっと行方不明だった父親のことだ。

ホスピスの話は、元アイドルのオーナーを改心させて解決する。ちょっと急な展開に感じたけど、まあ一件落着だ。

もっと重要なのは父親の話。長年行方不明だった父親の遺体が見つかった、という知らせが届く。ずっと父は生きていると信じていた妹のシヨンは、その事実を受け入れられず泣き崩れる。これで家族は、ようやく父親の死と向き合い、本当の意味で彼を悼むことができるようになったんだ。

同じ頃、おばあちゃんの認知症が進んでしまう。彼女の記憶は、父親がアフリカへ発つ前の日に戻っていた。そこで家族は、おばあちゃんのために過去を書き換えることにする。シギョンが父親のフリをして、昔みんなで行けなかった家族旅行に出かけるんだ。おばあちゃんは、ずっと渡せなかった手料理を息子であるシギョンに渡すことができた。この旅を通じて、シギョン自身も忘れていた父親との大切な記憶を取り戻していく。

最終回の感想、ちょっと言わせて

いやー、最後の2話は感情が揺さぶられっぱなしだったな。全体を通して、このドラマは死との向き合い方をすごくユニークな視点で描いていたと思う。愛する人を失った後も、記憶の中でその人は生き続ける。そのメッセージが、すごく心に響いたよ。

ただ、正直に言うと、展開がちょっと急ぎ足に感じた部分もあった。ボムの死の描き方はあまりに突然で、もう少し寄り添う時間が欲しかった気もする。ホスピスの問題も、割とあっさり解決しちゃったしな。妹のシヨンのキャラクターも、もっと深掘りできたんじゃないかと思う。

でも、そういう細かい部分を差し引いても、このドラマは観る価値があった。特にラストシーンは秀逸だ。ベンチに座るシギョンの隣には、幸せそうに微笑むボムの幻が見える。でもカメラが動くと、そこには誰もいない。シギョンは一人で微笑んでいる。彼の隣には、二人が出会った木のそばに、ボムの写真が飾ってあるんだ。悲しいけど、温かい。まさにこのドラマのテーマそのものだった。

つづく