あらすじとネタバレ

兄妹の成長がまぶしい

最初はバラバラだったシギョン一家が、ようやく一つのチームになってきた。特にシギョンとシヨンの兄妹の変化は目を見張るものがある。自己中心的で自分の趣味にしか興味がなかった二人が、ホスピスでの経験を通じて、思いやりのある人間に成長していくんだ。

シギョンは家族との関係を修復しただけじゃない。ホスピスの患者さんが家族との問題を解決する手助までするようになった。病気の患者さんのために、娘さんと過ごす偽のバカンスを企画してあげたりもする。本当にいい奴になったよな。

もちろん、相変わらず学校には遅刻ギリギリだし、母親に隠れて彼女のボムと会ったりもする。そういう少年っぽさは健在だ。でも、他人を優先できるようになったのは大きな進歩だ。

シヨンの決意と周りの変化

妹のシヨンも、性格のアップダウンが激しかったけど、大きく変わった。病気の母親が娘に真実を告げられずに苦しむ姿を見て、心を動かされたんだ。二人が向き合えるように手伝ったことで、自分も母親や祖母に対して優しく接するようになる。そして、亡くなった父親と同じように医者になるため、再び勉強に集中することを決意する。ずっとそばにいてくれたガラムと、ようやく正式に付き合い始めたのもこの頃だ。

驚くのは、シギョンをいじめていた連中まで変わっていくこと。罰としてホスピスで働き始めた元いじめっ子は、最初はシギョンに嫌がらせをする。でも、ホスピスの仲間たちに諭され、最終的には自ら進んで患者さんを助けるようになるんだ。ライバルだったヨンギもボランティアに参加し、音楽好きという優しい一面を見せ始める。いじめっ子を単なる悪役で終わらせないところが、このドラマのいいところだ。

訪れる二つの悲劇

兄妹が成長し、幸せな日々が続くかと思った矢先、衝撃の事実が明らかになる。祖母が認知症であること、そしてシギョンの恋人ボムが不治の癌であることが判明するんだ。

祖母の認知症は、以前シギョンのことを亡くなった息子と間違えたシーンが伏線だった。買い物や仕事を忘れ、家族の顔さえ分からなくなっていく。家族はこの現実を受け止め、祖母の症状の進行を少しでも遅らせようと団結する。シヨンは泣きながら家中の物に名前を書いたラベルを貼り、シギョンは祖母の脳を活性化させるために友達を呼んで一緒にゲームをする。この家族の姿は、見ていて胸が締め付けられる。

ボムの選択と模擬葬式

ボムもこの二つの知らせに大きなショックを受ける。シギョンの家族と過ごすことで、ようやく手に入れた温かい居場所を失うことになるからだ。自分の父親の死もまだ受け入れられていない彼女にとって、これはあまりにも過酷な現実だ。

ここからの彼女の行動は、見ていて少し混乱するかもしれない。シギョンと同居を始めたかと思えば、突然姿を消す。何事もなかったかのように戻ってきては、シギョンの勉強態度を批判してまた去っていく。これは、自分の死によって彼を傷つけたくないという思いから、わざと突き放そうとしているんだろう。でも、その行動は少し情緒不安定に見えてしまう。

最終的に、彼女はシギョンの元に戻り、学校生活を続けることを選ぶ。そして、学校のプロジェクトで、自分のための模擬葬式を行うボランティアに名乗り出るんだ。自分の死を知っている友人たちにとっては酷な課題だけど、ボム自身にとってはこの経験が一種の救いになる。

彼女は、自分の人生をみんなに祝ってほしいと決める。シギョンとお揃いの、まるで結婚式のような真っ白な服を着て、自分の葬式に出席するんだ。このボムの考え方は、この町の死生観そのものだ。死は必ずしも悲しいだけのものではなく、愛する人々を結びつけるきっかけにもなり得ることを示している。

感想

正直、見ていてかなりキツい展開だった。前半でシギョンとシヨンが成長して、家族の絆が深まっていく様子が丁寧に描かれていただけに、後半の悲劇が重くのしかかる。特に、祖母の認知症とボムの癌という二つの大きな問題が同時に発覚するのは、あまりにも残酷だ。

でも、このドラマがすごいのは、ただ悲しいだけで終わらせないところ。シギョンは亡き父との対話を通じて、死は人生の終わりだけど、関係の終わりじゃないという考え方に行き着く。この死生観が、これから彼が直面する祖母とボムの問題に対する一つの答えになるんだろう。

ボムが選んだ模擬葬式も印象的だった。自分の死を悲しむのではなく、生きてきた証を祝ってほしいという彼女の願いは、この物語全体のテーマを象徴している。重いテーマを扱いながらも、どこか温かい希望を感じさせる。この絶望的な状況から、彼らがどうやって前に進んでいくのか。見届けるしかないよな。

つづく