ネタバレ

アラの本性、狂気の愛

物語は過去の回想から始まる。チェ・ジョンホが、虐待されていた少年を救えなかったシーンだ。あの時、チョン・イシンは現場でその子の悲惨な姿を見ていた。

場面は現在に戻る。人質交換の現場だ。ジョンホはイシンの身の安全を確保しようとする。アラの方が一枚上手だった。彼女は自分の追跡装置を壊し、イシンを連れて逃げる。ジョンヨンは隠れ家の様子をスヨルに伝え、イシンを救ってくれと頼む。

アラはイシンに怒りをぶつける。自分を気にもかけないスヨルのために、イシンが愛を無駄にしているのが許せない。アラはイシンを愛していると告白し、キスをする。彼女にとってイシンは母親のような存在だった。自分たちだけが分かり合える、自分たちは似ていると訴える。イシンはその言葉を冷たく突き放す。自分たちは全く違うと。逆上したアラは、死んで一緒にいようと、無理心中を図ろうとする。

その瞬間、イシンは拘束を解いてアラを刺した。アラは最後の力でイシンを助けようとする。彼女は一枚の写真を渡す。それは、イシンの父親が撮った、幼い頃のイシンの写真だった。

警察の追跡と明かされる過去

スヨルはアラの隠れ家を見つけ出す。そこは閉鎖された遊園地だった。イシンの姿はない。アラがスヨルに襲いかかる。そこへ、スヨルを追ってきたキム・ナヒが現れ、彼を助ける。スヨルはアラを殺害する。ナヒもアラに刺されてしまう。スヨルはナヒを助けようとする。ナヒは彼に、自分を置いてイシンを追うように言う。

スヨルはイシンを追う。ホン本部長は、スヨルとイシンが共犯だと判断する。二人に指名手配をかける。

ジョンホは、スヨルの居場所を突き止める任務を与えられる。ジョンホは電話でスヨルに本心を明かす。自分はイシンの行いを正しいと信じている、と。法律に縛られ、虐待された被害者たちを救えなかった罪悪感を語る。彼女は、自分にはできなかったことをやったんだ、と。スヨルは反論する。俺たちの仕事は命を選ぶことじゃない。すべての命を救うことだ。そう言って、彼は追跡を断ち切るために電話を切った。

本当の怪物

スヨルはイシンの催眠療法の記録を見つける。その内容に彼は言葉を失う。イシンは幼い頃の記憶を封じ込めていた。セラピーでその記憶が蘇ってしまったんだ。アラから渡された写真が、復讐心を再燃させたのだろう。

回想シーンが流れる。イシンの父、チョン牧師が幼いイシンに化粧を施し、彼女にいたずらをしようとしている。彼の妻、つまりイシンの母親がそれを止め、通報しようとする。彼は妻を殺害し、家に火を放った。

現在、イシンは教会で父親を縛り上げている。父親は、自分たちの罪は許された、自分たちの血が悪いのだと主張する。火事の後、自分の行いを後悔した。だから牧師になり、子供たちのための施設を開いたのだと。イシンは、あんたが許されることなんて絶対にないと告げる。彼女が父を殺そうとしたその時、スヨルが駆けつける。

炎の中の選択

チョン牧師は被害者のふりをする。イシンを侮辱し、スヨルに助けを求める。スヨルは思い出す。子供の頃、祖父であるチョン牧師が、いつもイシンの悪口を言っていたことを。祖父が自分の記憶を書き換えていたのだと気づく。スヨルはイシンの痛みを感じる。目の前の男に、母を苦しめる価値はないと言う。

二人が教会を去ろうとした時、一人の少女の姿が目に入る。施設にいるウネだ。彼女は化粧をしていた。チョン牧師がウネにも同じことをしている。スヨルは怒りに震え、父親に襲いかかろうとする。イシンはスヨルを殺人者にするわけにはいかない。彼女は薬物でスヨルを眠らせる。

イシンは眠ったスヨルを教会の外へ引きずり出す。そして、教会にガソリンを撒き始める。彼女は父親に告げる。私たちはもう十分にスヨルを傷つけた。

外でスヨルが目を覚ます。教会は炎に包まれていた。イシンとチョン牧師は、煙に巻かれて意識を失っている。彼は選択を迫られる。スヨルは、イシンを炎の中から救い出した。

彼は母さんと呼びかけ、目覚めてくれと懇願する。意識を取り戻したイシンは泣いていた。あなたを自分から解放してあげたかったのに、と。

警察が現場に到着する。スヨルはイシンに、これからは面会に行くと約束する。イシンはそれを断ろうとする。血の繋がりなんて意味がない。あなたが自分とは違う、良い人間でよかった、と。

それぞれの道、そして新たな謎

ジョンホ自らがイシンを刑務所に護送する。イシンは彼の優しさに感謝する。スヨルを立派に育ててくれたことも。警察のチームはスヨルを受け入れ、ウネも引き取ることになった。

2年後。イシンは刑務所の中で絵を描いている。スヨルとジョンヨン、そして二人の子供たちの絵だ。テレビのニュースが流れる。ジョンホが殺害されたという報道だった。イシンは動揺する。

そこへナヒとスヨルが面会にやってくる。イシンは二人に説明を求める。

感想

いやー、最終回、重すぎた。全部のピースがはまった時の衝撃がすごい。イシンの父親がすべての元凶だったなんて。スヨルが子供の頃の記憶を書き換えられてたっていうのも、かなりキツい話だ。自分の信じてた祖父が、母親を地獄に突き落とした張本人で、自分はその嘘を信じて生きてきたんだから。

一番グッときたのは、やっぱり炎の中でのスヨルの選択だよな。憎むべき祖父と、守るべき母親。そこで迷わず母親を助けた。あの瞬間に、スヨルは本当の意味で過去を乗り越えたんだと思う。イシンがスヨルを殺人者にしないために薬で眠らせるシーンも、母親の愛が詰まってて泣けた。彼女はずっとスヨルを解放したかったんだ。

最後の最後で、ジョンホが殺されるっていう急展開には驚いた。これで終わりじゃないのかよ!って。イシンの戦いはまだ続くってことなんだろうか。スッキリ終わるかと思いきや、とんでもない爆弾を落としてきた。これはもう、次のシーズンを期待するしかない。

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