サンイン建設を市場価値の3倍で売却する。ソン・ジェシク会長から下された無茶なミッションを成功させるため、ユン・ジュノは動き出す。彼はオ・スニョン、クァク・ミンジョン、チェ・ジンスの3人を連れて、売却対象のサンイン建設に乗り込んだ。
だけど、そこで待っていたのは、ハ・テスが送り込んだ腹心の男。彼は初対面のジュノたちに、あからさまな敵意を向けてきた。あげくの果てには、ジュノのことをクソガキと罵る始末。これには血気盛んな新人のチェ・ジンスがキレかかった。でも、隣にいたオ・スニョンが、なんとか彼を制止する。
最悪の雰囲気の中、ジュノはチームを先に帰らせた。そして、自分だけ会社に引き返す。トイレを借りる、という名目で。
ネタバレ
ジュノの流儀
ジュノは一人で責任者の元へ戻ると、さっきの無礼を詫びた。チームのメンバーが失礼を働いた、と頭を下げる。相手に罵倒されても、彼はまったく動じない。
車に戻ったジュノは、怒りが収まらないジンスにこう教える。仕事に感情を入れるな。M&Aは契約書で戦うゲームだ。銃やナイフに感情がないのと同じで、契約書にも感情は必要ない。感情的になったら負けだ、と。
クァク・ミンジョンも分かっていた。自分たちの目的は、相手を言い負かすことじゃない。会社を高く売るために、相手を説得することだ。だからこそ、相手はわざと感情的にさせて、こっちの判断を鈍らせようとしてくる。ジュノの冷静な対応は、すべて計算の上だったんだ。
厄介なアパート問題
サンイン建設の価値を上げるには、抱えている問題を解決する必要があった。一番のネックは、忠烈(チュンリョル)アパートの再開発計画だ。長年、住民の同意が得られずに止まっている。
ジュノたちが現地を訪れると、サンイン建設の副社長イ・ジョンインが待っていた。彼によると、再開発に反対しているのは、たった一人の老婆だけらしい。
その時、ジュノはジョンインの靴が泥だらけなことに気づく。何か引っかかるものを感じた。案の定、ジュノたちが帰った後、ジョンインは近くの茂みに入っていく。その奥には、ひっそりと一つの墓が立っていた。
駆け引きの始まり
ジュノは買い手候補として、次木建設とBium D&Iという二つの会社に目星をつける。その裏で、会長の側近イ・ドンジュンと接触していた。ドンジュンから明かされた会長の真意は衝撃的だった。サンイン建設の本当の価値を知りたいだけ。つまり、本気で売る気はないのかもしれない。
そんな中、オフィスが何者かに荒らされる事件が起きる。サンイン建設の連中が、防疫業者を装って侵入し、資料をメチャクチャにしていったんだ。でも、ジュノはまったく気にしない。彼はチームを連れて、そのまま入札会場へと向かった。
天才的な揺さぶり
入札会場に、次木建設とBium D&Iの担当者がやってくる。するとジュノは、いきなり時間なので帰りますと言い出した。あっけにとられる一同。
ジュノは帰り際、D&Iのチ・ヨヌ執行官に声をかける。そして、こうささやいた。サンイン建設には、あなた方が思う以上の価値がありますよ。
この一言が決定打になった。チ・ヨヌは土壇場で入札額を変更。7兆9999億ウォンという破格の金額を提示してきたんだ。
最後の逆転劇
ジュノはD&Iと契約を結ぶ。でも、まだ終わりじゃない。サンイン建設の人間が、D&Iにアパートの再開発問題をリークした。再開発は困難だ、と。D&Iは当然、価格の見直しを要求してきた。
絶体絶命のピンチ。その時、事態が動く。副社長のイ・ジョンインが、ついに老婆から再開発の同意書を取り付けたんだ。
形勢は再び逆転。ジュノは強気の交渉で、元の入札価格を一切下げなかった。それどころか、サンイン建設がこれまで投じた資金も上乗せし、総額8兆5299億ウォンという金額で決着させた。
チ・ヨヌは5299億という細かすぎる数字に驚く。ジュノは彼女にだけ耳打ちした。ある墓地を買い取ってくれるなら、299億ウォン引きます。それは、ジョンインが守っていた墓のことだった。D&Iはこの提案を受け入れ、人情味のある企業としてニュースにも取り上げられた。まさに一石二鳥のディールだった。
今回の感想、マジで言うと…
いやー、今回のジュノ、マジで神がかってるわ。会長から3倍で売ってこいなんて無茶振りされて、普通ならキレるところだろ。しかも、乗り込んだらクソガキ呼ばわりだぜ。それを逆に利用して、冷静に相手を分析する。あのメンタルはどうなってんだ。
特にシビれたのは、入札会場での駆け引き。わざと帰るフリして、相手のトップにだけもっと価値があるってささやくやつ。あれで一気に値段を吊り上げるんだから、まさに天才的。見ててうわ、カッケー!って声出たわ。
ただの冷たい交渉人かと思いきや、ちゃんと人間的な問題も解決するところが最高だよな。副社長が守ってた墓の問題を、ディールの中に組み込んで円満解決。しかも、買い手企業のイメージアップにまでつなげる。誰も損しない、完璧な着地点を見つけ出す。これが本当のプロの仕事なんだろうな。
最後のパーティーで、手柄を全部ハ・テスに持っていかれるのは胸糞悪かったけど、ジュノは全然気にしてない。それどころか、次はゲーム会社を買うとか言い出すし。売るだけじゃなくて、買うのかよ!って。もう、彼の頭の中がどうなってるのか、来週も見るしかないだろ、これ。
つづく