ヤバいドラマが始まったから、その話をしたいんだ。主役はそこらへんにいるチキン屋のオヤジ。でも、ただのオヤジじゃない。それがこの『シン社長プロジェクト』の肝だ。
あらすじ(ネタバレあり)
こいつ、何者?
物語は、シン社長っていう男が仕事に向かうシーンから始まる。でも、いきなり普通じゃない。ビルの屋上で男がガソリンをかぶって死んでやる!って騒いでるんだ。野次馬が大騒ぎする中、シン社長はひょいと屋上へ行く。
自殺志願の男に洗濯物干しに来たんだけどなんて言って近づくんだ。しかもうちの大家もひどくてさみたいに、自分の大家の愚痴をこぼして男との距離を縮める。そして、相手が気を許した一瞬の隙にライターを奪い取って、警察に合図を送る。鮮やかすぎる手口だ。警官に何者です?って聞かれても、チキン屋の名刺を渡すだけ。もうこの時点で、ただ者じゃないってわかるよな。
エリート判事、まさかのチキン屋勤務
場面は変わって、チョ・フィリップという新米判事が登場する。エリートコースまっしぐらで、希望に燃えて初出勤だ。ところが、キム・サンクンっていう先輩判事に連れて行かれたのは、なんとシン社長のチキン屋。 君の勤務地はここだって言われて、フィリップはポカーンだよ。当たり前だ。
実は、シン社長は元々すご腕の調停人だったらしい。何か謎めいた理由で今はその仕事をしていないみたいだけどな。キム判事はそんなシン社長に、ある事件の調停を無理やり押し付ける。
クソ真面目エリート、世間の荒波に揉まれる
シン社長は、まずフィリップにチキンの配達を命じる。配達先は人気インフルエンサーの家で、フィリップはライブ配信中に視聴者へ挨拶させられる羽目に。店に戻ると、今度はシン社長の運転で出かけるけど、信号無視を連発するシン社長にフィリップが文句を言う。すると、シン社長は道路のど真ん中でフィリップを車から降ろしちまうんだ。社会のルールブックとは違う、シン社長のやり方にフィリップはついていけない。
ウジ虫事件と見えない敵
キム判事が持ってきた事件は、カンチョン塩辛協同組合とテレビ局の争いだ。キム・ヨンホっていうプロデューサーが担当する現場追跡って番組が、組合の食品からウジ虫が見つかったと報道した。そのせいで、商人たちは評判も生活もめちゃくちゃにされた。彼らは名誉毀損でテレビ局を訴えている。
シン社長はキムプロデューサーに会って、調停する気があるか探りを入れる。でも、プロデューサーは全く乗り気じゃない。その後、フィリップも現れて、この仕事を手伝うと決意を表明する。最初はあんなに嫌がってたのに、面白いじゃないか。
二人はカンチョン塩辛市場へ向かう。商人たちは怒り心頭だ。特に一人のおばあさんは、テレビ局の公式謝罪がなければ絶対に和解しないと断固とした態度を見せる。
裏で動く巨大な影
市場を去る前、シン社長は空き店舗に貼られたカンチョン不動産のステッカーに気づく。不動産屋に行ってみると、例のおばあさんの店以外の全ての店舗が、すでに売却済みだということがわかる。誰が何のために?怪しい匂いがプンプンする。不動産屋の主人は、シン社長たちの写真を撮って誰かに送っていた。
その頃、市場ではあのおばあさんが、孫のギボムが電話で話しているのを聞いてしまう。ウジ虫を食品に入れたのは、なんとギボム本人だった。
チキン屋、バズる
店に戻ると、注文が殺到していた。フィリップが出演したインフルエンサーの動画がバズったせいだ。一方、シン社長は昔助けたことがあるプレイヤー・キムというハッカーに会い、カンチョン不動産について調べるよう依頼する。フィリップも負けじと、誰かに電話してシン社長の素性を探らせていた。それを店で働く少女、シオンが聞き咎めて二人は口論になる。
事態は急展開へ
翌日、シン社長とフィリップは再びキムプロデューサーに会う。ウジ虫事件の情報提供者は誰なのかと問い詰める。プロデューサーは当然、機密情報だと言い張る。でもフィリップがどうせ法廷で明らかになると冷静に指摘する。
その時、シン社長に電話が入る。あのおばあさんが自殺を図ったという知らせだった。幸い命に別状はなく、和解にサインすると言う。病院でシン社長は、孫のギボムが電話で祖母の悪態をついているのを聞いてしまう。
さらに、ハッカーのキムから連絡が来る。カンチョン不動産を調べたせいで、チンピラに追われていると。彼が見つけた情報と引き換えに、コンビニで会う約束をする。
バイクチェイスと黒幕の正体
シン社長はシオンのバイクの後ろに乗ってコンビニへ向かう。すぐにチンピラが追ってくる。シオンは巧みなバイクさばきで路地を駆け抜け、SOSで呼んだバイク仲間の助けを借りて、なんとかチンピラをまくことに成功する。
ハッカーから受け取ったファイルで、ついに黒幕の計画が明らかになる。カンチョン不動産は、この土地にリゾートを建設する計画を2年前から進めていた。市場の土地を手に入れるために、ウジ虫事件を仕組んだんだ。計画のトップはヤン・ジンヒョクという男。シン社長は、最後の土地(おばあさんの店)を買い取る手助けをすると言って、この男に接触する。
破られた和解、そして…
調停会議の日。おばあさんを含む商人全員が和解文書にサインした。これで一件落着かと思われたその時、シン社長が現れてその書類をビリビリに破り捨てる。彼は、本当の正義を勝ち取るつもりだ。
会議の後、シン社長とフィリップは、出席者の一人イ・ジェハクに工事中だから裏道を行けと勧められる。その通りに進むと、二人の乗った車は踏切の上で前後をトラックに挟まれ、立ち往生してしまう。ドアは開かない。迫り来る電車。二人は必死で窓ガラスを割り、電車が車に激突する寸前で脱出する。第1話は、ここで終わる。
感想
いや、マジですごい1話だった。ただの調停ドラマかと思ったら大間違いだ。謎の過去を持つシン社長っていうキャラクターが最高にクール。普段は気のいいチキン屋のオヤジなのに、いざとなると頭脳と度胸でどんな相手も手玉に取る。そのギャップがたまらない。
そして、堅物エリート判事のフィリップとのコンビも面白い。最初は反発しあうけど、事件を追ううちに少しずつ認め合っていく感じがいいよな。これから最高のバディになっていく予感がする。
ウジ虫事件の裏に隠された巨大なリゾート開発計画っていうサスペンス要素も、グイグイ引き込まれる。単純な人情話じゃなくて、社会の闇に切り込んでいく骨太なストーリーだ。バイクチェイスみたいなアクションもあって、飽きさせない。最後の踏切のシーンは、心臓が止まるかと思った。こんなの、続きが気にならないわけがないだろ!
つづく