あらすじ:出世しか見えない男

この物語の主人公はキム・ナクス。こいつはとにかく出世したい男だ。学生時代からずっと、人気者の影に隠れてきた。兄貴と比べられて育った。そのコンプレックスが、今のナクスを作り上げた。

現在は通信会社ACTで働くエリート会社員。営業部長として実績もある。でも、本人は満足していない。次期常務のイス、その先の役員の座しか見ていない。

家にはハジンという妻と、スギョムという大学生の息子がいる。妻の料理には文句を言う。感謝の言葉なんて口にしない。息子は自分と正反対。ガツガツ働く気なんてゼロ。人生を楽しみたいタイプだ。ナクスはそんな息子にイライラしてる。就活に有利だからって、無理やりインターンをさせようとする。もちろん、スギョムは嫌がってる。親子関係は、かなりギクシャクしてるみたいだ。

ネタバレ:失われた友情と悲劇の始まり

ライバルとの出世争い

ナクスの会社は、マジで競争が激しい。生きるか死ぬかの戦場だ。ナクスのライバルは、営業2チームの部長ト・ジヌ。こいつのチームは朝からビシッとしてる。それに比べてナクスのチームは、遅刻してくるヤツもいる。これがナクスの評価を下げている。

次の常務のイスは一つだけ。現常務のチョンテに気に入られる必要がある。ナクスはチョンテのオフィスを嗅ぎ回ったり、必死にアピールする。見栄っ張りだから、役員によく見られようと新しいカバンまで買う始末だ。昔、妻が家計のために借金したときは無駄遣いするなって怒ったくせに、自分のためには金を使う。

週末は大事なゴルフ接待。ここでチョンテにゴマをする。結果、ナクスは大活躍。今日のスターに選ばれて、飲み会でも大盤振る舞い。これで常務の座は俺のものだって、完全に有頂天になる。

見捨てられた友人

ナクスには会社にテファンという友人がいる。彼は仕事で結果を出せず、会社から追い出されそうになっていた。鬱陵島(ウルルンド)っていう島への異動を命じられたんだ。これは事実上のクビ宣告だ。

テファンはナクスに泣きつく。どうにかしてくれ、と。彼は狭い場所が怖いのに、毎日マンホールに入って作業させられている。もう限界だった。でも、ナクスは冷たかった。自分の昇進に響くのが嫌だったんだ。

恥ずかしいから俺に近づくな。ナクスはそう言って友人を突き放した。お前がいると俺の迷惑になる、と。自分が一番の被害者みたいな顔をして、テファンを追い返した。最低だよな。

悲劇的な結末

ゴルフ接待で上手くいって、ナクスは調子に乗っていた。そんな時、部下のソングがある問題に気づく。大型契約を取った文化センターが、実はまだサービスの提供エリア外だった。来週からサービス開始なのに、使えるようになるのは8月。

普通なら大問題だ。でもナクスはどうせ速度チェックなんてしないだろって言って、問題を隠して強行することにした。自分の昇進しか頭にない。

さすがにテファンに言った言葉が気になったのか、ナクスはチョンテ常務に話をしに行く。でも、チョンテは決定を覆さない。この件は君が処理しろ。できないなら君の昇進に影響するぞ。そう言われて、ナクスは引き下がるしかなかった。

オフィスを出ると、駐車場が封鎖されている。安全上の問題が発生した、とアナウンスが流れる。その直後、ナクスの電話が鳴った。最悪の知らせだった。

テファンが、会社で自殺した。

感想:初っ端から胸糞悪いけど、これがリアル

いや、もう第1話から気分が重い。主人公のキム・ナクスが、本当に救いようのないくらい自己中心的なんだ。出世のためなら、友人も平気で切り捨てる。部下の手柄は自分のもの。問題は見て見ぬふり。でも、こういうヤツ、現実にいるよなあって思わされるから怖い。彼の行動の一つ一つが、会社のリアルな醜さを突きつけてくる。

一方で、息子のスギョムの存在が対照的だ。父親の価値観をまったく受け入れず、自分の生き方を探している。この親子関係が、今後の物語でどう影響してくるのか気になる。

それにしても、テファンの結末は衝撃だった。会社という組織が、一人の人間をここまで追い詰めるのかと。ナクスの冷たい一言が、最後の引き金を引いたのは間違いない。このドラマ、ただの出世物語じゃない。人間の価値とか、生きることの意味とか、重いテーマをいきなりぶつけてきた。見ていて辛いけど、目が離せない。これは本物だ。

つづく