第2話:全部、裏目に出る男

いきなり最悪のニュース

第2話は、いきなり重いニュースから始まる。ナクスが追い詰めた同僚のテファン。彼が車の中で自殺を図った。一酸化炭素中毒だったらしい。もちろんナクスは、自分のせいだと責任を感じる。そりゃそうだよな。

ここで少し時間を遡る。2001年の4月。ナクスとテファンが初めて会った時の話だ。二人は同じ会社の面接を一緒に受けていた。この頃からナクスはすごかった。自信満々で、情熱をアピールしまくる。出世のためなら、平気で同僚を蹴落とす。そんな男だったことがよく分かる。

父親のようにはならない

場面は現在に戻る。ナクスの息子、スギョムが面接を受けている。なんと、ナクスと同じACT社だ。父親は窓から誇らしげにその姿を見ている。だけどスギョムの気持ちは正反対。父親と比べられるのは、もううんざりなんだ。

面接が終わった後、エレベーターで父親に会っても完全に無視。スギョmは会社の腐った空気を肌で感じていた。こんな場所で働きたくない。そう考えているところに、友人たちから連絡が来る。スタートアップをやっているジョンファンだ。彼はスギョムにうちで働かないかと誘う。スギョムはACT社に合格した。でも、それを断って新しい道に進むことを決める。

四面楚歌のキム・ナクス

会社では、専務のジョンテがナクスを呼び出す。テファンが過酷な労働で追い出された件。これがマスコミにバレたら大ごとになる。ジョンテはナクスに圧力をかける。会社の体面を守れと。要するに、全部お前がなんとかしろってことだ。

ナクスは病院にテファンを見舞う。テファンの意識は戻っていた。でも、ナクスと話す気なんてない。ナクスは空気が読めない。自分の功績や自慢話ばかりをペラペラと喋る。テファンは冷たく言い放つ。あんたは自分の昇進しか興味がないだろと。まさにその通りだ。

社内では、ナクスを追い出そうという動きまで出ていた。役員昇進レースからも脱落させようという魂胆だ。ナクスの味方はどこにもいない。

一方、ナクスの妻ハジンはテファンの事件で人生を考え直していた。専業主婦のままじゃダメだ。不安定な会社員の夫だけに頼れない。彼女は図書館へ向かう。不動産の本を何冊も借りて、勉強を始めた。

崩壊していく家族とキャリア

ナクスはジョンテ専務に再び呼び出される。彼のチームは、ライバルのジヌのチームに全分野で負けている。営業成績はいい。でも、マネージャーとしての能力がゼロだと指摘される。部下を力で押さえつけ、共感も理解も示さない。そのせいでチームはバラバラだ。

ジョンテは衝撃の事実を告げる。ナクスが邪険に扱っていた部下のイッキョン。彼が実はジョンテ専務の不動産投資の師匠だった。ナクスは部下のことを何も見ていなかった。その事実を突きつけられる。

その夜、ナクスは家族と中華料理店で食事をする。ここでも彼の態度は最悪だ。店員に横柄な態度をとり、息子スギョムを失望させる。妻ハジンが不動産の勉強を始めたと打ち明ける。ナクスはそれを鼻で笑う。スギョムがスタートアップで働く話をしても、息子の情熱を馬鹿にするだけ。家族の心は、どんどん彼から離れていく。

おまけに、そのレストランはナクスが予約した店じゃなかった。彼が予約を間違えたのに、謝ろうともしない。プライドだけは本当に高い。気まずい空気の中、家族は先に帰ってしまう。ナクスは一人、店に取り残される。

とどめの一撃

行く当てもないナクスは会社に戻って仕事をする。そのままオフィスで眠ってしまう。そして翌朝、最悪の事態が発生する。彼が強引に進めたギガインターネットのサービス。その速度が、宣伝とは全く違うと大炎上していた。ある有名インフルエンサーが暴露したのがきっかけだ。会社の電話は苦情で鳴りやまない。もちろん、このプロジェクトの責任者はナクスだ。彼は専務のオフィスに呼び出される。

第2話の感想:自業自得の転落劇、でも…

いやあ、キム・ナクス、見ていて本当に気の毒になるくらい全部が裏目に出てる。仕事はできるのかもしれない。だけど、人として大事なものが欠けすぎている。部下を駒としか見ていないし、家族の話にも耳を貸さない。自分の出世とプライドが世界の全て。そりゃあ、周りから人がいなくなるよな。

息子スギョムが父親を反面教師にして自分の道を見つけようとしているのが、この回の救いだった。妻ハジンも、夫に依存するのをやめて自立しようと動き出した。みんな、ナクスから離れて前に進もうとしている。

でも、不思議と彼を完全には嫌いになれないんだ。予約を間違えたレストランで、一人ぼっちで食事をするシーン。あの背中には、彼のどうしようもない孤独が滲み出ていた。会社でしか居場所がないのに、その会社でも孤立していく。自業自得なんだけど、少しだけ同情してしまう。最後のネット炎上スキャンダルは、彼のキャリアにとって致命傷になりかねない。このどん底から、彼はどうするんだろうか。

つづく