洗車場での再会と新たな挑戦

物語は、洗車場で働くナクスのもとに、かつての同僚ジヌが現れるところから始まります。ジヌはナクスが汗水流して働く姿をじっと観察し、数週間後に控えた自身の役員昇進を鼻にかけて嫌味を言いに来たのです。悔しい場面ですが、ナクスの現在の上司がうまくカバーに入り、ナクスはその場をやり過ごしました。

一方、ハンナとスギョムのTシャツ事業は順調そのもの。商品の宣伝写真を撮影中、二人は自然と手を繋ぎ、いい雰囲気に。スギョムは毎月の家賃も払えるようになり、公私ともに充実しているようです。

ナクスは不動産の仕事も順調ですが、妻のハジンはまだ不安を抱えています。雨が降れば洗車場の客足は途絶えてしまうからです。そこでナクスは、ある大きな決断をします。それは、かつて自分が勤めていた大企業ACTの社用車を洗車する契約を取りに行くことでした。

かつての職場ACTへの営業

ナクスはこの大仕事のために、テファンに協力を求めます。プライドを捨てて、一緒にやってくれないかと頭を下げるナクス。二人はかつてのように面接室に並んで座りますが、今回はライバルではなく、最強のパートナーとしてそこにいました。ナクスの社内事情への精通ぶりが評価され、見事に契約を勝ち取ります!

いざACTでの仕事が始まると、ナクスは正体がバレないようマスクをして作業にあたります。しかし、かつての部下イッキョンにはすぐに見抜かれてしまいました。それでもイッキョンはナクスの今の生き方を尊重し、秘密を守ってくれます。こういう絆には、胸が熱くなりますよね。

一番の緊張が走ったのは、チョンテ常務の車を洗うことになった瞬間です。ついに正体がバレてしまいますが、ナクスは堂々としていました。恥じることなく背筋を伸ばす姿は、本当にかっこよかったです。

スギョムの恋とジヌの挫折

仕事の後、ナクスはスギョムを空港へと送り届けます。そこにはハンナの姿が。まるでラブコメのような展開で、スギョムはハンナを引き止め、好きだと告白して強く抱きしめました。こちらのカップルは最高のハッピーエンドですね!

一方、社内ではジヌがナクスのことをただの洗車係だと吹聴して回っていました。しかし、ナクスはそんな挑発には乗りません。そして運命の時が訪れます。自信満々だったジヌですが、なんと役員昇進に失敗してしまったのです。

やけ酒をあおるジヌのもとにナクスが現れます。かつて自分を裏切った相手ですが、ナクスは静かに彼を介抱し、家まで送り届けました。なぜ自分が落ちたのかと嘆くジヌに、ナクスは会社という組織の非情さを淡々と語ります。そこにはもう敵意はなく、不思議な穏やかさが漂っていました。

【結末】夢のような生活、その正体

ナクスはテファンと正式にビジネスパートナーになることを決意します。仕事と生活のバランスが整い、妻ハジンとの散歩も日課になりました。夕暮れの中、二人は互いへの感謝を口にし、ナクスはハジンに愛らしいと伝えます。これまでの苦労が報われ、ナクスは心からの幸せを感じていました。

最高の人生を手に入れたナクス。しかし、ここで画面が切り替わります。そこは薄暗い工場。おい、昼飯の時間だぞ!というジュヨンの大声で、作業着姿のナクスが目を覚まします。

そう、これまでの華麗なる転身も、成功も、すべては工場で働くナクスが見ていた夢だったのです。あまりに切なく、けれどどこか現実味のあるラストで物語は幕を閉じました。

第12話の感想

まさかの夢オチには言葉を失いました……!成功して見返してやる、という展開にスカッとしていただけに、ラストの工場のシーンでの現実に引き戻される感覚が強烈です。でも、タイトルが『キム部長の夢の物語』だったことを思うと、妙に納得してしまう自分もいます。切ないけれど、ナクスの人柄が詰まった素敵な夢を見せてもらいました。

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