どん底の始まり
いやー、今回のキム部長、見てて辛かったよ。前回、見事に詐欺に引っかかったキム・ナクス。ショックで倒れて、病院に担ぎ込まれちまった。診断結果はパニック障害。まあ、そうなるよな。退職金ぜんぶパーだもん。医者からは精神科医に診てもらうよう勧められる。
でもナクスは、家族に電話一本かけられない。恥ずかしくて、情けなくて、言えるわけないんだ。結局、頼れるのは大家の友達だけ。事情を聞いた友達も、さすがに言葉を失ってた。ナクスの借金の額がヤバすぎる。なんとか解決策を探そうとは言ってくれるけど、正直、先は見えない。
家に帰ると、妻のハジンがめちゃくちゃ喜んでる。なんと、彼女のセールスが初めて成功したんだ。そんな嬉しそうな顔を見て、ナクスは何も言えなくなる。自分が詐欺にあったこと、退職金を失ったこと。そんなこと、口が裂けても言えないよ。追い打ちをかけるように、病院から治療費の請求書まで届く。もう八方塞がりだ。
一筋の光、それとも新たな罠?
息子のスギョムは、親父を助けようと必死だ。友達のハンナと一緒に、Tシャツを売るビジネスに投資しようと決める。その話を聞いたナクスは、心配でたまらない。借金は自分を見失わせるぞ。息子にそう忠告するけど、それは今の自分に言ってるみたいだった。
ナクスはハジンに嘘をつき続ける。サンチョルの仕事を手伝ってくる。そう言って家を出て、なんでもいいから仕事を探す毎日。この生活のおかげで、ナクスは一つだけ学んだ。日用品がいかに高いか。金がないことがどれだけ大変か。今まで気づかなかった現実が、身に染みてわかる。
サンチョルの不動産屋で、ナクスはプライドを捨てて働く。でも、所詮はド素人。屈辱的な雑用ばっかりやらされる。おまけに、事務所の上の階の医者からは説教される始末だ。君の土地に月300万ウォンの価値なんてない。現実を見ろ。グサグサくる言葉を浴びせられる。
そんな時、サンチョルの会社でチャンスが舞い込む。古巣のACT社との契約にサンチョルが手こずっていた。ナクスは、自分がプレゼンをやると名乗り出る。新しい決済システムの導入を提案して、契約を勝ち取るつもりだ。資料の準備からプレゼン本番まで、全部自分がやると約束する。
サンチョルは大喜び。もし契約できたら、売り上げの10%をコミッションとして払う。今の営業部長をクビにして、君を正式に採用する。最高の条件だ。ナクスにとって、これは最後のチャンスかもしれない。
裏切りと絶望
プレゼン当日。ナクスは久しぶりにACT社に足を踏み入れる。すると、あの時の記憶が蘇って、パニック障害の症状が出てきた。息が苦しくなる。最悪なことに、同僚のハヨンはPCの操作がおぼつかない。スライドがめちゃくちゃに進んでいく。サンチョルは隣で見てるだけ。役立たずか!
それでも、ナクスの必死のプレゼンが通じた。ACT社は契約に合意する。ただし、条件があった。最初の6ヶ月はコミッションなし。その後の働きを見て、正式なパートナーに格上げするという内容だ。それを聞いたサンチョルは、ナクスに一言も相談しない。その場でやりましょう!と即決してしまった。
ナクスは唖然とする。専門家として呼ばれたはずなのに、完全に無視された。サンチョルが約束した10%のコミッションも、この条件じゃチャラだ。ここでナクスは気づく。サンチョルは、ナクスを助ける気なんて最初からなかったんだ。ACT社とのパイプ役として、ただ利用しただけだった。このヘビ野郎が!。怒りと裏切られた気持ちで、ナクスはその場を去った。
プライドを捨てた先で
結局、ナクスは配車サービスの運転手として働き始める。夜の街を走り回り、少しでも金を稼ぐ。プライドなんて、もうない。ある夜、20万ウォンの高額な依頼が入った。行き先はヤンスリ。
客を迎えに行った場所は、昔の行きつけの店だった。最悪のタイミングで、元部下たちが店から出てくる。彼らは見てしまった。かつての上司であるナクスが、酔っ払った客を乗せて走り去る姿を。
屈辱に耐えながら車を走らせる。後部座席の客は、電話で自分の部下を大声で罵倒している。その声を聞いて、ナクスは昔の自分を思い出す。嫌な記憶がフラッシュバックする。その瞬間、彼は道路から目を離してしまった。そして、車をクラッシュさせてしまう。
第9話の感想、ちょっとだけ語らせて
今回はマジでキツい回だったな。ナクスがどんどん落ちていくのが見てて辛い。詐欺にあってパニック障害になって、家族にも言えなくて。もう全部が裏目に出る感じ。特にサンチョル、あいつはダメだ。友達の弱みにつけこんで利用するだけ利用してポイ捨てとか、人間として最低だろ。ナクスがヘビ野郎って言った時、思わずそうだ、言ってやれ!って声が出たよ。
でも、一番グッときたのは、元部下たちに今の仕事を見られちゃうシーン。あのナクスの表情、たまらなかったな。プライドズタズタにされて、それでも家族のために働いてるのに。最後の事故も、過去の自分と向き合った結果みたいなもんだし。このドラマ、ただの転落劇じゃない。人間の弱さとか、見栄とか、そういうリアルな部分をえぐってくるから目が離せないんだよな。
つづく

