ジェオの決死の計画と最期
物語は、あまりにも悲しいジェオの決断から始まります。彼は上司のアン・ドガンに頼み、屋上に隠しカメラを設置させました。
さらに、自分のスマホにスパイウェアを仕込み、遠隔操作で録音・録画ができるように準備します。まるで自分の死を予感しているかのような行動ですよね。
そして、恐れていた事態が起きてしまいます。ジェオはムン・ドヒョクの手下たちに暴行を受け、屋上から突き落とされてしまいました。
薄れゆく意識の中で、彼が最後に思い浮かべたのはアジンとの思い出でした。ジェオの命が尽きた後、犯人たちは彼のスマホを持ち去りますが、録画が続いていることには気づきません。
この命がけの証拠映像は、すぐにジュンソとアジンの元へリンクとして送られました。駆けつけたジュンソに対し、ドガンは涙ながらにジェオの遺言を伝えます。それは、決定的な証拠となるSDカードと、ジェオのスマホを制御できる携帯をジュンソに託すというものでした。
アジンの反撃とジュンソの覚悟
翌朝、アジンは家政婦たちを全員帰らせ、ドヒョクと二人きりで対峙します。彼女はジェオが命と引き換えに残した殺害指示の証拠映像をドヒョクに突きつけました。
さらに、アジン自身もその場にいた目撃者であると告げます。これでドヒョクは完全にアジンの言いなりになるしかありません。
ジュンソはアジンに電話をかけ、ジェオはお前のために命を捨てたんだと訴えますが、それでも彼女は止まりません。アジンの暴走を止めるには、もう自分が動くしかない。そう悟ったジュンソは、以前アジンのドキュメンタリーを提案していたハン・ジギュPDに連絡を取りました。
そしてジュンソはドヒョクの元へ向かい、ジェオのスマホから得たさらなる証拠映像を見せつけます。アジンを止めるのは俺だ。お前は手を出すなそうドヒョクを脅し、ジュンソは最後の賭けに出るのです。
栄光の頂点と暴露される真実
アジン主演の映画『Amen to Nothing』は大ヒットを記録し、彼女は女優としての絶頂期を迎えます。青龍映画賞の授賞式、レッドカーペットに登場したアジンには割れんばかりの歓声が送られました。
そしてついに、彼女は主演女優賞を受賞します。しかし、その輝かしい瞬間の裏で、別のチャンネルでは衝撃的な番組が放送されていました。
ハンPDとジュンソが制作した、アジンの真実を暴くドキュメンタリーです。そこには、ソンヒやカフェの店員、ホ・インガンの弟、そしてかつて父親の事件を担当した刑事たちが登場。彼らの口から、アジンの冷酷な本性が次々と語られていきます。
授賞式のステージでスピーチをするアジンと、暴露されていく真実。この対比が残酷なほど鮮やかです。ドキュメンタリーがSNSで拡散されるにつれ、会場の拍手はまばらになっていきました。
ステージを降りたアジンは、スタッフたちがスマホを見ている異様な空気に気づきます。画面の中では、ジュンソが父が死んだ日、バットを持った彼女を見つけたと告白していました。
心中、そして衝撃のラスト
アジンは会場を飛び出し、待ち構えていたジュンソの車に乗り込みます。誰もいない場所へ行ってと頼むアジン。ジュンソは、彼女が変わることは決してないと悟り、すべてを終わらせる決意をしていました。
もう行く場所がないと嘆くアジンに、ジュンソは一緒に終わりにしようと告げます。そして愛してるという言葉を残し、車ごと崖下へ転落しました。
ニュースでは、ジュンソの死亡が報じられますが、アジンの遺体は見つかりません。実家では、義母のジソンがジュンソからの遺書を読み、涙を流していました。彼のアルバムからは、自分の写真だけが抜き取られていたのです。
ドヒョクもアジンの行方を追いますが、生存の痕跡はありません。しかし、ハンPDの番組で流れた事故直後のCCTV映像には、燃え盛る車から這い出るアジンの姿が映っていました。
場面は納骨堂へと変わります。アジンの遺影の前に、白いバラを供えて立ち去る一人の女性の後ろ姿。
ラストシーンは事故直後の回想でした。大怪我を負ったジュンソが止めようとするのを振り切り、アジンは車から脱出します。岩場を這い上がり、炎上する車を冷たい目で見下ろすアジン。彼女はやはり、生き延びていたのです。
第12話の感想
あまりにも壮絶で、そしてアジンらしい結末に言葉を失いました。ジェオの一途すぎる献身と死があまりに不憫でなりません。彼だけが純粋な被害者だったように思えます。ジュンソが選んだ心中という愛の形も悲劇的でしたが、そこから這い上がって生き延びるアジンの生命力には戦慄しました。納骨堂の女性はアジン本人でしょうか?最後まで誰も彼女を本当の意味では裁けなかった、という余韻が強烈に残る最終回でした。



