ソンヒとの決着、そして忍び寄る狂気

ソンヒとアジンの激しい争いは、衝撃的な結末を迎えました。ソンヒの顔が切りつけられ、騒動の最中にムン・ドヒョクが現れます。彼は傷ついたアジンを抱きかかえ、その場を去りました。

病院で目を覚ましたアジン。そこにはジュンソの姿があり、彼は優しく彼女の額にキスをします。しかし、これは後に明らかになる恐ろしい事実への伏線でした。

その後、ドヒョクから連絡が入ります。ソンヒは統合失調症と診断され、精神病院へ送られたとのこと。そこはドヒョクの妻が入院しているのと同じ病院でした。さらに、アジンたちの過去を暴露したイム記者も行方不明になってしまいます。

一方、ジュンソは母との穏やかな生活を送っていました。しかし、偶然出会ったプロデューサーの話から、アジンとソンヒの噂が自分の小説の内容と酷似していることに気づきます。アジンが襲われたことを知った彼は、ジェオに連絡を取りますが、これまで音信不通だったことを厳しく責められるのでした。

アジンを襲う幻覚と記憶の欠落

アジンの精神状態は、急速に悪化していきます。家政婦にお茶を頼んだはずが、気づけば別の部屋でウイスキーのグラスを握っている。メイドがナイフを持って襲ってくる幻覚が見える。さらには、3階の部屋をめちゃくちゃに破壊したのが自分自身だと聞かされ、愕然とします。

私は狂ってないそう自分に言い聞かせるアジンですが、現実は残酷でした。撮影現場でジェオと会ったアジンは、自分が彼に電話をかけドヒョクに何かされていると助けを求めたことを知らされます。しかし、アジンにはその記憶が全くありません。

ジェオはドヒョクが全てを操っていると疑います。ソンヒがアジンを襲う直前、ドヒョクに会っていたことも突き止めました。それでもアジンは、築き上げたものを失いたくない一心で、離婚を拒否します。そんな彼女の必死な姿を見て、ジェオは再び彼女を助ける決意を固めるのでした。

残酷なシナリオ変更とドヒョクの正体

ある夜、アジンは再び幻覚を見て鏡を割り、手を怪我してしまいます。そこに現れたドヒョクは、優しく手当てをしながら僕に頼ればいいと囁きます。完全に彼女を支配しようとするドヒョクの罠でした。

撮影現場では、さらに追い打ちをかけるような出来事が起きます。台本が急に変更され、アジンが父親を殺害した時と同じ状況を演じることになったのです。動揺したアジンは演技のコントロールを失い、相手役の俳優に大怪我を負わせてしまいます。

監督を問い詰めると、この変更は投資会社であるドヒョクの指示だったことが判明します。アジンはドヒョクに詰め寄りますが、彼は冷酷に言い放ちました。元妻はすぐに壊れてしまったが、君なら長く楽しませてくれる

そして、衝撃の事実が明かされます。病院でアジンを目覚めさせ、額にキスをしたのはジュンソではなく、ドヒョクだったのです。アジンは幻覚を見ており、その錯乱の中で母の死についてもドヒョクに話してしまっていました。ドヒョクはアジンをプールに突き落とし、その場を去ります。

ジェオの最期とアジンの喝采

プールサイドに残されたアジンは、ドヒョクへの復讐心に燃えていました。駆けつけたジュンソをよそに、彼女は隠し持っていた携帯でジェオに助けを求めます。どうしてそこまでしてくれるの?と問うアジンに、ジェオは答えます。君の隣にいて、役に立てることが嬉しいんだ

その後、アジンは点滴を受けて目を覚ましますが、撮影での事故やプールでの会話をすっかり忘れていました。ドヒョクはその様子を見て、彼女の記憶が完全に混濁していることを確信します。

一方、ジェオはドヒョクの手下を脅し、反撃に出ようとしていました。しかし、ドヒョクはジェオの排除を命じます。夜、ジェオの隠れ家に数台の車が押し寄せました。バイクで逃走するジェオですが、追い詰められた場所は、かつてアジンが父親を殺したあのビルの屋上でした。

激しい暴行を受け、ボロボロになったジェオ。彼はそのまま、ビルの屋上から投げ捨てられてしまいます。同じ頃、撮影現場ではアジンが最後のシーンを見事に演じきり、スタッフから万雷の拍手を浴びていました。残酷な対比の中で、物語は幕を閉じます。

第11話の感想

ドヒョクのサイコパスぶりが本当に恐ろしい回でした…。アジンを精神的に追い詰め、記憶まで支配しようとする手口には寒気がします。そして何より、ジェオの最期が悲しすぎました。君の役に立ちたいという彼の純粋な愛が、あんな形で終わるなんて。アジンが拍手喝采を浴びている裏で、ジェオが命を落とす演出はあまりに残酷で、胸が張り裂けそうでした。

つづく