衝撃の幕開けと王の苦悩
物語は不穏な空気で始まります。キム・ハンチョルが逮捕されたかと思いきや、なんと王であるイ・フィ自身が彼を釈放してしまうのです。これにはイ・ガンも驚きを隠せません。
実は、ここには深い闇がありました。過去の回想シーンで、衝撃の事実が明らかになります。かつて先王とその息子を毒殺したのは、他ならぬキム・ハンチョルだったのです。
当時まだ王子だったイ・フィは、ハンチョルに脅迫されていました。逆賊として死ぬか、王となって私に従うか究極の選択を迫られた彼は、生き残るためにハンチョルと誓約書を交わしてしまったのです。
長年、この誓約書が王を縛り付けていました。ハンチョルは王を操り人形にし、邪魔な人間を次々と排除してきたのです。イ・フィはイ・ガンに全てを打ち明け、臆病者と言われても生き延びろと告げます。王様の無力さは、優しさゆえだったのですね。胸が締め付けられます。
ウヒの逃避行と切ない決断
一方、宮殿の外では別のドラマが動いていました。キム・ウヒとジェウンが船で逃げようとしていたのです。しかし、ハンチョルの追手が二人を包囲します。
駆けつけたイ・ガンは、二人を見逃すようハンチョルを説得しようとします。駆け落ちさせてやればいいと提案しますが、ハンチョルは聞き入れません。証拠隠滅のために娘のウヒさえ殺そうとする冷酷さを見せるのです。
ジェウンは自分の命を差し出そうとしますが、ウヒがそれを止めました。彼女はジェウンを助けるため、自ら宮殿に戻ることを決意します。愛する人を守るための別れ。二人の想いを思うと、涙なしでは見られません。
明かされる真実と覚醒
物語は終盤、大きく動きます。王イ・フィは、パク・ホンナンを呼び出し、ダリは世子嬪(セジャビン)なのかと問い質しました。ホンナンはついに認めます。
実は王様は、かつて世子嬪に逃げろという手紙を送っていたのです。しかし彼女は毒を飲み、記憶を失ってしまいました。王様は今度こそ彼女を守るため、ダリの死を偽装して逃がす計画を立てます。冒頭のダリを殺せという命令は、実は彼女を逃がすための芝居だったのです!
そして、運命の瞬間が訪れます。新しい住まいに移ったダリ。花びらが舞い散る中、女官が花びらをつかむと初恋が実ると言います。
その言葉が引き金となりました。かつて世子嬪として、イ・ガンと同じ会話をした記憶がフラッシュバックします。隠していた鼻のほくろ、宮殿での日々。全ての記憶を取り戻したダリは、ホンナンを見つめこう言いました。なぜ嘘をついたの?
第10話の感想
ずっと弱腰に見えていた王様ですが、実は誰よりも苦しんでいたんですね。ハンチョルの極悪非道ぶりが際立つほど、王様の孤独が痛いほど伝わってきました。そしてラストシーン!ついにダリが記憶を取り戻しましたね。花びらが舞う演出が美しくも切なく、彼女の表情の変化に鳥肌が立ちました。真実を知ったダリが、これからどう動くのか。イ・ガンとの関係はどうなるのか、心配でなりません。
つづく


