穏やかな日常とチャン代表の異変
物語は、ムジゲ運輸のメンバーたちが孤児院を運営する友人・マリアと過ごす穏やかなシーンから始まります。子供たちと遊び、食事を共にする彼らの姿は、いつもの緊張感とは無縁でほっこりしますね。
しかし、ドギは鋭い観察眼でチャン・ソンチョル代表の手首にある包帯に気づきます。心配したドギは、無理やり代表を病院へ連れて行くことにしました。
病院にいたソンチョルのもとに、かつての友人パク・ドンスから電話が入ります。今日、ドンヒョンが出所するから一緒に会ってほしいという頼みでした。ソンチョルは刑務所へ向かいますが、そこには誰の姿もありません。
見つかった友人と衝撃の事実
ソンチョルの様子が気になったゴウンたちは、タクシーに新しく設置したカメラの話をしつつ、彼をサポートしようとします。ソンチョルからの依頼で電話の発信元を追跡すると、そこは療養病院の近くでした。
ソンチョルがその場所を訪れると、そこには変わり果てたドンスの姿が。なんと彼は重度の交通事故の後遺症でアルツハイマーを患っており、ソンチョルのことさえ認識できませんでした。
看護師の話では、ドンスの人生が狂ったのは息子ミンホが行方不明になったあの日からだといいます。ソンチョルは彼の医療費を支払い、残された日記を読み始めました。そこには、息子を失った父親の絶望が刻まれていました。
模範タクシー誕生の秘密
病院から姿を消したソンチョルを心配したメンバーたちは、一人で酒を飲む彼を見つけます。そこでソンチョルは、重い口を開きました。ドンスこそが、私が模範タクシーを作った理由なんだと。
過去の悲劇と裏切られた正義
時は遡り、若き日のソンチョル。彼は裁判所で、息子ミンホの失踪と殺害の容疑者であるドンヒョンに対し、あまりに軽い刑が言い渡されたことに激怒するドンスと出会います。殺人の証拠不十分で、ただの暴行罪としてたった5ヶ月の刑。法の無力さに絶望したドンスは川に身を投げようとしますが、それを止めたのがソンチョルでした。
二人は協力して真実を追い始めます。ミンホのバスケ仲間への聞き込みや、弁護士事務所への直談判。そしてついに入手したCCTV映像には、ドンヒョンとミンホ、そして顔の映らない第三者が映っていました。
しかし、ドンヒョンは第三者の正体を決して明かしません。希望を失ったドンスは調査を諦め、姿を消してしまったのです。ソンチョルは出所の日、俺が新しいビジネス(模範タクシー)の話をすると約束していましたが、ドンスが現れることはありませんでした。
今回の依頼人はチャン・ソンチョル
現在に戻り、ソンチョルは悔しさを滲ませます。あんなに長い年月が経ったのに、彼は私のことさえ覚えていないそんな彼に、ドギは力強く告げました。ドンスさんの記憶が完全になくなる前に、真実を突き止めましょう
こうして、今回の依頼人はチャン・ソンチョル自身となりました。ゴウンは資料を洗い直し、ドギたちはドンスの所持品から手がかりを探します。いつもは他人のために動く彼らが、今回は家族同然の代表のために動く。この絆の強さに、胸が熱くなりますね。
動き出す犯人とドギの罠
ある夜、ドンスは夢遊病のように外を彷徨い、車に轢かれそうになりますが、間一髪でソンチョルが助けます。一方、メンバーたちは映像を解析し、ドンヒョンが誰かをかばっていると確信しました。
ドギたちはドンヒョンの足取りを追い、彼が賭博場となっている葬儀場に出入りしていることを突き止めます。ドンヒョンはギャンブル中毒で借金まみれでした。
ここでドギの作戦が発動します。死んだはずのミンホになりすまし、ドンヒョンに脅迫メッセージを送りつけたのです。恐怖に駆られたドンヒョンは、慌てて旧友のチョ・ソンウクのもとへ走ります。
闇に葬られた真実へ
ドギが盗聴しているとも知らず、ドンヒョンはソンウクに詰め寄りました。ミンホから連絡が来たんだ! お前、あいつをちゃんと埋めたんだろうな?この決定的な言葉を聞いたドギは、すぐにソンチョルへ報告します。
ラストシーン、一瞬だけ記憶を取り戻したドンスが目を覚まします。そばにいるソンチョルを見て、彼は何かを悟ったような表情を浮かべました。ソンチョルは友の手を握り、改めて誓います。必ず、ミンホに何があったのか突き止めると。
第5話の感想
いつも冷静沈着なチャン代表が、過去の無力感に苛まれる姿は見ていて辛かったです。でも、だからこそ模範タクシーが生まれたという原点を知り、物語の深みが増しましたね。ドギが記憶が消える前にと言ったシーンは、今期屈指の名場面ではないでしょうか。葬儀場を賭博場にする悪党たちの不気味さも際立っており、次回、ドギたちがどう鉄槌を下すのか楽しみでなりません。
つづく

