あらすじ
三千年にわたる黒聖女との因縁に終止符を打つべく、陸炎(ルー・イエン)と登登は最後の戦いに挑みます。愛する登登と天下泰平のため、陸炎はある大きな決断を下すのでした。激しい戦いの末、ついに平和が訪れますが、そこに陸炎の姿はありません。一年後、青泉寨は復興し、人々は穏やかな日常を取り戻していました。しかし、登登の心は晴れないまま。仲間たちに励まされた彼女は、再び陸炎に会えることを信じ、彼を探すための長い旅に出ることを決意するのでした。
ネタバレ
三千年の時を超えた愛の物語、ついに最終回。壮絶な戦いの果てに、陸炎(ルー・イエン)と登登が迎える結末とは…?涙なしには見られない、感動のフィナーレを詳しくお届けします。
最後の決戦!目覚める雲羲(ユン・シー)と陸炎(ルー・イエン)の覚悟
黒聖女によって容赦なく地面に叩きつけられた登登。黒聖女は、登登を飲み込み、彼女が愛する人々や九州の大地が地獄へと堕ちていく様を、ただ見せつけてやると嘲笑います。
その頃、陸炎はある重大な決意をしていました。自らの胸を裂き、体内にあった「元丹」を取り出したのです。その元丹は、一直線に登登の元へと飛んでいきました。
元丹は登登の体内に吸収され、ついに彼女の中で眠っていた聖女・雲羲(ユン・シー)の元能を呼び覚まします。覚醒した雲羲は、黒聖女と対峙。三千年前、霊族は傲慢さゆえに多くのものを破壊したこと、しかし人類は自分に愛と信仰を教えてくれたことを語ります。そして、陸炎から教わった「弱さこそが生存の障害なのではなく、傲慢さこそがそうだ」という言葉を突きつけ、三千年前に自らの邪念として封印した黒聖女を、今度こそ完全に消滅させると宣言しました。
慌てた黒聖女は、元丹を失った陸炎を救うべきだと揺さぶりをかけますが、その言葉は雲羲の怒りを増幅させるだけでした。雲羲の一振りで黒聖女は深手を負い、もはや抵抗する力も残っていません。圧倒的な力の差の前に、ついに黒聖女は完全に消滅するのでした。
雪に消えた愛しい人
戦いが終わり、登登として意識を取り戻した彼女は、すぐさま陸炎の元へと駆け出します。しかし、空からは、まるで陸炎の痕跡を隠すかのように、深い雪が舞い落ちてきます。
湖のほとりにたどり着いた登登が見つけたのは、陸炎が遺した一本の簪(かんざし)だけでした。いくら彼の名を叫んでも、返事はありません。泣き疲れた登登は、橋のたもとにもたれかかり、真っ白な雪がその身を濡らすのも構わずに、ただ茫然と座り込みます。雪景色の中で、彼女の赤い婚礼衣装だけが、あまりにも鮮やかに、そして寂しく映っていました。
一年後の青泉寨と登登の決意
一年後。青泉寨は活気を取り戻し、人々は豊かで平和な暮らしを送っていました。しかし、登登の心の時間は止まったまま。彼女は一人、山の上に座り込み、遠くを眺めながら、まるでそこに陸炎がいるかのように語りかけます。
畑の作物も野菜も大豊作で、もう食べ物には困らないこと。村の子供たちがみんな学校に通い、字を読めるようになったこと。陸炎が呼んでくれた医者のおかげで、みんな健康でいられること。相変わらず喧嘩ばかりの仲間たちのこと。そして、顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)と十七がもうすぐ祝言を挙げそうだということ…。
登登が悲しみから抜け出せずにいることを、仲間たちは皆心配していました。ある日、顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)と十七が訪ねてきます。彼らは北方の戦地へ向かうことを告げ、登登に「後悔するようなことはしないでほしい」と、陸炎を探し出すよう背中を押すのでした。仲間たちの言葉に心を動かされた登登は、ついに自分の心に従い、陸炎を探す旅に出ることを決意します。
君を探す旅へ
登登は大海を連れて、町から町へと陸炎の行方を尋ね歩きます。ある茶館では、講談師が自分たち二人の物語を語っているのを耳にしました。
これが何番目の町なのか、次に訪れる町に彼の手がかりがあるのかも分かりません。それでも、行く先々で、登登は陸炎の面影を感じるのでした。それは彼らの伝説や物語であったり、彼の後ろ姿によく似た誰かであったり。
陸炎が今どこにいるのかは分からない。でも、探し続けていれば、陸炎がこの九州の空の下にいる限り、いつかきっと再会できる――。そう信じて、登登の旅は続くのでした。
『請君~遥かなる恋人たち~』最終回 第36話の感想
三千年にわたる壮大な愛の物語が、静かで余韻の残る形で幕を閉じました。愛する人のため、そして天下泰平のために自らの命を捧げた陸炎の決断には、胸が締め付けられる思いでした。彼の自己犠牲は、単なる悲劇ではなく、登登と青泉寨の人々の未来を照らす希望の光となったのです。
最終回の大部分は、陸炎を失った後の世界で、彼が残したものの大きさを描くことに費やされていました。豊かになった村、学ぶ子供たち、健康を取り戻した人々。その全てが、陸炎という存在が確かにそこにあった証であり、彼の愛の深さを物語っています。悲しみに暮れながらも、彼の遺志を胸に前を向いて旅立つことを決めた登登の強さには、心から敬意を表したいです。明確なハッピーエンドではないからこそ、視聴者一人ひとりの心の中に、二人の再会を願う気持ちが強く刻まれた、忘れがたい最終回でした。