あらすじ

婚礼を控え、写真撮影やダンスなど、幸せな時間を過ごす陸炎(ルー・イエン)と登登。しかし、その笑顔の裏には、愛する相手を生かすための、ある悲壮な決意が隠されていました。一方、顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)は十七に亡き父の写真を渡し、彼女を生涯守り抜くことを誓います。そして迎えた婚礼当日。仲間たちの祝福の中、儀式は無事に執り行われます。しかし、その祝宴の裏で、二人はそれぞれ計画を実行に移そうとします。ところが、予期せぬ邪悪な存在の介入により、物語は衝撃的な展開を迎えるのでした。

ネタバレ

ついにこの時が来てしまいましたね…。『請君~遥かなる恋人たち~』第35話は、幸せの絶頂と悲劇の始まりが交差する、あまりにも切ない回でした。

幸せな時間の裏で…それぞれの覚悟

物語は、陸炎(ルー・イエン)と于登登(ユー・ドンドン)が真っ赤な婚礼衣装に身を包み、写真館で記念撮影をする幸せなシーンから始まります。満面の笑みをカメラに向ける二人ですが、その笑顔の裏には悲しい決意が隠されていました。

登登は陸炎(ルー・イエン)に「三千年前、蜀の王様に無理やりお后候補を押し付けられたりしなかった?」なんて冗談めかして尋ねます。少し気まずそうに「当時は戦で忙しくてそんな暇はなかった」と答える陸炎(ルー・イエン)。そんな彼を見て、「なんだ、将軍も恋に関しては初心(うぶ)だったんじゃない」とからかう登登。二人の間には、これまでの道のりを経て築き上げられた、穏やかで愛情に満ちた空気が流れます。

その後、陸炎は登登の「一緒にダンスがしたい」という願いを叶えます。月明かりの下、優雅にワルツを踊る二人。ロマンチックなひとときですが、お互いのために自らを犠牲にすることを決めた二人の心は、それぞれ別の思いで満ちていたのでした。

もう一つの誓い

その頃、顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)は、悲劇に見舞われた白家のことを思い、十七のために彼女の父・白局長(はくきょくちょう)の写真を用意していました。写真館で受け取った写真を十七に渡すと、彼女は父を思い出し、涙が止まりません。

顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)はそんな十七を力強く支え、白局長(はくきょくちょう)の写真の前で「天地神明に誓い、これからは十七と苦楽を共にし、生涯を添い遂げる」と固く誓います。こちらのカップルにも、ようやく幸せな未来が見えてきたようです。この二人の真摯な愛の誓いが、陸炎と登登の悲壮な運命をより一層際立たせていましたね。

青泉寨への別れと最後の夜

青泉寨に戻った登登は、育ての親である于瘫子(ユー・タンズ)と呂二(リュー・アル)の元を訪れます。まるで別れを告げるかのように、立て続けにお酒をあおり、二人に体を大切にするよう言い含める登登。心配させまいと気丈に振る舞いますが、涙は正直にあふれ出てしまいます。そして、「もしものことがあっても、陸炎を責めないで」と、必死に釘を刺すのでした。

その夜、登登は陸炎に、初めての結婚式を思い出して語りかけます。「あの頃は、愛も知らずにただあなたを縛り付けようとしていた。最初から間違っていたのかな」と。そんな彼女を、陸炎はただ優しく抱きしめます。登登は「これからは、自分のために生きて」と涙ながらに訴えるのでした。

しかし、眠りについた登登は悪夢にうなされます。荒野に立つ一本の古木から伸びるツタに絞め殺されそうになる夢…。彼女の心の奥底にある恐怖と、これから訪れる不吉な運命を暗示しているかのようでした。

決行の婚礼、そして黒い影

そして、ついに婚礼の日がやってきます。空には不吉な紫色の雷がとどろき、式の始まりを告げます。呂二(リュー・アル)に髪を梳かれながら、「末永くお幸せに」と祝福される登登。しかし、その願いが叶わないことを知っている彼女の瞳からは、大粒の涙がこぼれ落ちます。

賑やかな祝福の声の中、婚礼の儀式は滞りなく完了。しかし、この祝宴は、二人がお互いを救うための計画を実行する合図でもありました。

祝宴の夜。それぞれ別の場所に離れた陸炎と登登は、同時に懐から短剣を取り出します。相手を生かすため、自らの命を絶とうとしたのです。登登が意を決して自分の胸に短剣を突き立てようとした、まさにその瞬間!どこからともなく現れた黒い霧が彼女の短剣を奪い、登登の体を飲み込んでしまいました。

霧の中で登登が目にしたのは、全ての元凶である、あの黒聖女の姿だったのでした…。

『請君~遥かなる恋人たち~』第35話の感想

幸せな婚礼の描写と、その裏で進む自己犠牲という悲しい計画の対比が、胸を締め付ける回でした。特に、写真館やダンスのシーンで見せる二人の穏やかな表情は、これから起こる悲劇を知っている視聴者にとっては、あまりにも切なく映ります。お互いを心から愛しているからこそ、相手を生かすために自分の命を差し出そうとする二人の愛の深さには、ただただ心を揺さぶられました。また、顧北西と十七が真実の愛を誓う姿が、陸炎と登登の悲恋をより一層際立たせる効果的な演出だと感じます。最後の最後で黒聖女が登場し、二人の計画が根底から覆されるという展開には息をのみました。物語は全く予期せぬ方向へと舵を切り、新たな局面へと突入したことを強く印象付けられました。

つづく