34話は、幸せの絶頂と、胸が締め付けられるような切ない決意が交錯する、まさに神回でしたね…。それでは、さっそくあらすじとネタバレに参りましょう!

命を懸けた決断と、最後の願い

陸炎(ルー・イエン)は、日に日に影が薄くなり、生命力そのものが失われていく于登登(ユー・ドンドン)を前に、静かに苦悩していました。彼女の体内の気血はすでに半分近くも消耗しており、このままでは自分の霊力で補い続けても、いずれ限界が来ることは明らか…。側近の阿鑫(アーシン)が止めるのも聞かず、陸炎(ルー・イエン)はついに、自身の霊丹をえぐり出して登登を救うという、あまりにも過酷な決断を下します。自分の命と引き換えにしてでも、愛する人を救いたい。その悲壮な覚悟に、見ているこちらも胸が詰まります。

一方の登登もまた、自身の運命を悟っていました。黒聖女が世に出れば、世界は闇に覆われる…。そして、自分が夢で見た人物が翌日には必ず死んでしまうという恐ろしい現実。「彼らを殺しているのは、黒聖女なの?それとも、私なの?」その恐怖と罪悪感に苛まれた彼女は、陸炎(ルー・イエン)たちを巻き込むまいと、たった一人で黒聖女と相打ちになる覚悟を決めていたのです。

この決意を胸に秘め、登登は残された時間をただ、愛する人たちと穏やかに過ごしたいと願います。そんな彼女の想いを知ってか知らずか、陸炎はそっと彼女に寄り添うのでした。

月夜のプロポーズと、涙の祝福

ある晩、陸炎は登登の気持ちをすべて見透かしたように、もう一度正式な結婚式を挙げようと提案します。驚きと喜びに満たされる登登。

月明かりが優しく二人を照らす中、陸炎は術で美しい合歓(ごうかん)の花を咲かせます。夫婦円満の象徴である合歓の花に囲まれて、陸炎はひざまずき、正式にプロポーズを…!このあまりにもロマンチックな展開に、登登は涙を流して彼を抱きしめました。

もちろん、二人の再婚に、育ての親である于瘫子(ユー・タンズ)と呂二(リュー・アル)は猛反対。しかし、陸炎への揺るぎない愛を語る登登の真剣な眼差しに、二人はついに折れます。娘同然に育ててきた登登を嫁に出す父親の寂しさと、それでも彼女の幸せを願う気持ちが入り混じった于瘫子の涙には、思わずもらい泣きしてしまいましたね。彼は陸炎に、「最初は娘を奪っていくお前が嫌いだった。だが今は、登登を託せると信じている」と語り、陸炎もまた、必ず彼女を守ると固く誓うのでした。

すれ違う想いと、華やかな婚礼衣装

その頃、顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)と十七(シーチー)の関係には、少し影が差していました。自分を避けているように見える十七に、顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)はその理由を問い詰めます。十七は、彼が白家のことへの罪悪感から自分に優しくしているのだと思い込み、「同情は要らない」と突き放してしまうのです。この二人のじれったいすれ違いも、気になるところですね。

そして、いよいよ結婚式当日。十七は登登のために美しい化粧を施し、二人は女同士の友情を深めます。前回とは打って変わって、温かくロマンチックな雰囲気の中で行われた結婚式。その後、山を下りて婚礼衣装を選びに行った一行。登登が華やかな赤い嫁入り衣装に身を包んだ姿は、息をのむほどの美しさ!陸炎も、ただただ彼女に見とれるばかりでした。

この幸せな光景の裏に、二人がそれぞれ命を懸けた決意を隠していると思うと、本当に切なくてたまりません。

『請君~遥かなる恋人たち~』第34話の感想

今回のエピソードは、甘く美しいラブシーンと、その裏側にある悲壮な覚悟の対比が鮮烈でした。月明かりの下、合歓の花に囲まれてのプロポーズは、このドラマの中でも屈指のロマンチックな名場面と言えるでしょう。しかし、その幸せが、実は二人にとって「最後の時間」かもしれないという事実が、常に影を落としています。自分の命を犠牲にしてでも愛する人を救おうとする陸炎の絶対的な愛と、世界と愛する人々を守るために自らを犠牲にしようと決めた登登の強さ。二人の愛が深ければ深いほど、その自己犠牲の選択が胸に突き刺さります。幸せなはずの結婚式のシーンでさえ、どこか儚げで切ない雰囲気が漂い、キャラクターたちの細やかな感情表現に見入ってしまいました。

つづく