あらすじ
青泉寨の仲間が隣の洪青寨でトラブルに巻き込まれたことを知り、義侠心に厚い于登登(ユー・ドンドン)は助けに向かう。しかし、そこで卑劣な挑発を受け、一触即発の事態に。陸炎(ルー・イエン)の助けで事なきを得るが、その夜、登登は不吉な悪夢にうなされる。翌日、寨では家畜が謎の死を遂げ、さらに洪青寨の人間が全員死亡したという知らせが舞い込む。立て続けに起こる不可解な事件の裏で、陸炎は三千年の時を超えた邪悪な存在の復活を察知する。
ネタバレ
33話は、これまでの謎が一気に動き出す、まさに嵐の前の静けさを打ち破るような回だったね。さっそく、その内容を詳しく見ていこう!
義憤に駆られた登登、洪青寨へ殴り込み!
物語は、青泉寨の仲間である大千(ダーチエン)が、隣の洪青寨でいちゃもんをつけられているところから始まる。命懸けの度胸試しを強要され、まさに絶体絶命!その知らせを聞いた我らが姐御、于登登(ユー・ドンドン)が黙っているわけがない。「あたしのダチに何してくれてんだ!」とばかりに、怒り心頭で洪青寨へと乗り込んでいくんだ。
案の定、洪青寨の連中は卑劣な手段で登登を挑発。悪びれるどころか、彼女を侮辱する言葉を浴びせる始末。さすがの登登も堪忍袋の緒が切れ、テーブルを拳一つで叩き割る!それでも懲りない相手が銃を向けてきたその瞬間、背後からすっと現れた陸炎(ルー・イエン)が、いとも簡単に銃弾を素手で受け止めてみせた。これには洪青寨の連中も真っ青。すごすごと引き下がるかと思いきや、なんと背後から闇討ちを企てるんだから、救いようがない連中だ。もちろん、それも陸炎(ルー・イエン)がお見通し。法術で銃口を塞いで事なきを得たけど、登登の怒りは頂点に。相手の銃を奪い、当主の額に突きつける。仲間たちの必死の説得で、なんとかその場は収まったけど、不穏な空気は色濃く残ったままだった。
不吉な悪夢と、忍び寄る邪悪な影
その夜、登登は恐ろしい悪夢にうなされる。夢の中には、自分を食い殺さんばかりの形相の人間たち、そして殺意に満ちた目でこちらへ歩み寄る「黒聖女」の姿が…。悲鳴をあげて飛び起きた登登を、異変に気づいた陸炎(ルー・イエン)が優しく抱きしめる。彼の腕の中で、登登は震えながら悪夢の内容を語るんだ。
翌朝、寨(村)を襲ったのはさらなる異変だった。飼っていた家畜がすべて謎の死を遂げていたんだ。登登は元能で蘇らせようとするも、力を解放しようとした途端に意識を失ってしまう。陸炎がすぐさま彼女を支え、家畜を蘇生させたけど、登登の身に何が起きているのか、不安は募るばかり。
そこへ駆けつけた顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)が、衝撃的なニュースをもたらす。なんと、昨夜あれだけ揉めた洪青寨の人間が、一人残らず死んでいたというんだ。自分の悪夢と奇妙にリンクする出来事に、登登は言いようのない恐怖を感じていた。
明かされる真実、登登と黒聖女の繋がり
事態を重く見た陸炎は、洪青寨の現場へと向かう。そこで彼が目にしたのは、影のない死体の山と、地面に描かれた巨大な「日蝕のトーテム」だった。阿鑫(アーシン)は、そのトーテムに見覚えがあった。それは三千年前、雲羲(ユン・シー)が自身の邪念を封じ込めた印。そう、雲羲の邪念そのものである「黒聖女」が、ついに現世に解き放たれてしまったんだ!
真実を突き止めた陸炎と阿鑫(アーシン)は、黒聖女のいる東海へと急行する。しかし、そこで彼らはあまりにも残酷な事実を突きつけられることになる。陸炎が黒聖女に攻撃を仕掛けた瞬間、遠く離れた青泉寨で、登登が血を吐いて倒れたんだ。黒聖女は嘲笑うかのように告げる。「私と雲羲は一心同体。私を殺せば、彼女も死ぬ」。
陸炎はすぐさま攻撃をやめ、青泉寨へと引き返す。彼が目にしたのは、意識を失い、口から血を流して横たわる愛する登登の姿だった。陸炎の治療で登登は一命を取り留めたように見えたが、皆が去った後、一人になった彼女の顔は、耐えがたい激痛に歪んでいた。黒聖女が受けた痛みは、時差こそあれ、すべて登登の身に降りかかっていたんだ。
『請君~遥かなる恋人たち~』第33話の感想
今回は物語の核心に触れる、非常に重い一話でした。ついに姿を現した黒聖女の存在、そして彼女が登登の「邪念」であり、「一心同体」であるという設定には、ただただ言葉を失います。愛する人を守るためならどんな敵にも立ち向かう陸炎が、その敵を攻撃すること自体が愛する人を傷つけるという、これ以上ないほどのジレンマに直面しました。彼の無力感や絶望を思うと、胸が締め付けられます。また、何も知らずに激痛に耐える登登の姿も痛々しく、二人の運命の過酷さを改めて突きつけられた気分です。これまではコメディとシリアスのバランスが絶妙でしたが、ここから一気に物語は深刻な局面へと突入していくのでしょう。二人がこの残酷な運命にどう立ち向かうのか、固唾をのんで見守りたいと思います。
つづく