あらすじ
誅戎(ジュー・ロン)との決着が迫る中、陸炎(ルー・イエン)と于登登(ユー・ドンドン)は古蜀城で絶体絶命の危機に直面します。そこで明かされるのは、三千年の時を超えた恐るべき真実と、二人を待ち受ける過酷な選択でした。死闘の末、故郷の青泉寨へ戻った一行。束の間の平穏の中で、登登は陸炎にあるものを託そうとしますが、そこには思わぬ笑いの罠が…。一方、愛する人を失ったはずの顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)のもとには、信じられない奇跡が訪れます。
ネタバレ
第32話は、物語の核心にグッと迫る、息をのむような展開の連続でした。古蜀(こしょく)での最終決戦、そして明かされる衝撃の真実。片時も目が離せませんでしたね。早速、その内容を詳しく見ていきましょう!
誅戎との決着、そして現れる最悪の敵
前回の続き、誅戎(ジュー・ロン)との戦いから物語は始まります。陸炎(ルー・イエン)たちの連携プレーで、誅戎を追い詰めるのは時間の問題かと思われました。しかし、なんと誅戎は卑劣にも、地中から衛都(ウェイドゥ)の亡骸を呼び出し、盾にしたのです!かつての忠実な部下を前に、さすがの陸炎(ルー・イエン)も手が出せません。
この絶体絶命のピンチを救ったのは、于登登(ユー・ドンドン)の父、于瘫子(ユー・タンズ)でした。彼の術で誅戎の動きが封じられた一瞬の隙を突き、陸炎(ルー・イエン)は衛都の亡骸を取り戻します。二人の力で誅戎を捕らえたかに見えましたが、あと一歩のところで逃げられてしまいました。
逃げ込んだ密室で、誅戎は自らの血を古樹に捧げるという最後の手段に出ます。すると、天から一人の女性が舞い降りてきました。その姿は、登登が夢の中で何度も見ていた、あの謎の女性そのもの…。そう、彼女こそが、この物語の元凶ともいえる「黒聖女」だったのです。
明かされる真実と、二人に迫る非情な運命
紫の雷が鳴り響き、世界が終焉を迎えるかのような雰囲気の中、衛都が登登に衝撃の事実を告げます。黒聖女は、三千年前に登登自身が封印した自らの「悪しき念」。その化身であり、万物を滅ぼす存在なのだと。
そして、黒聖女を再び封印するには、聖女の元丹(げんたん)が不可欠。しかし、その元丹は今、陸炎の体内にあり、彼の命を繋ぎとめています。もし陸炎が元丹を登登に返せば、彼はこの世から完全に消滅してしまう…。残されたもう一つの方法は、黒聖女と一心同体である登登自身が命を絶つこと。愛する人を救うか、世界を救うために自分が犠牲になるか。あまりにも過酷な選択が、二人に突きつけられました。
その頃、陸炎は密室で息絶えた誅戎を発見。祭壇に戻ると、衛都の最期の瞬間に立ち会うことになります。衛都は、金烏聖女の血を浴びたことで長らえ、誅戎に操られながらも陸炎との再会を待ち望んでいたことを明かします。「将軍に再び会え、悔いはない」という言葉を残し、彼は古蜀の城と共に砂塵へと還っていきました。三千年の時を超えた主従の絆の結末に、涙腺が緩みます。
束の間の平穏と、暴かれた登登の秘密
命からがら青泉寨(せいせんさい)に戻った一行。仲間たちの温かい出迎えを受け、しばしの平穏が訪れます。宴の席でも陸炎のそばを片時も離れない登登。その姿は、恋する乙女そのもので微笑ましいですね。
食事もそこそこに、登登は陸炎を一本の木の下へ連れて行きます。「宝物を見せてあげる」とシャベルで掘り出したのは、古びた布包み。中から出てきた箱には、育ての親である呂二(リュー・アル)が、未来の娘婿のために書いたという手紙が収められていました。
星空の下、陸炎の肩に寄りかかり、幸せな未来を語り合う二人。ロマンチックな雰囲気の中、陸炎が手紙を開くと…そこに書かれていたのは、感動的な言葉ではなく、登登の子どもの頃の恥ずかしい秘密の数々!「書き直させる!」とぷんぷん怒る登登と、笑いをこらえる陸炎の姿に、つかの間の幸せを感じずにはいられません。
一方、白十七(バイ・シーチー) の死を悼み、位牌を立てようとしていた顧北西(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)(グー・ベイシー)。そんな彼の元に、奇跡が舞い込みます。土匪に絡まれていた女性を助けたところ、なんとその女性こそが生きていた白十七(バイ・シーチー) だったのです!死んだと思っていた愛する人との再会。人目もはばからず強く抱きしめ合う二人の姿は、本当に感動的でした。幾多の困難を乗り越え、たくましく成長した白十七(バイ・シーチー) 。こちらのカップルの未来も、ますます気になりますね。
『請君~遥かなる恋人たち~』第32話の感想
今回は、物語の根幹を揺るがす大きな真実が明かされる、非常に重要な回でした。黒聖女の正体が登登自身の悪しき念であったこと、そして二人を待ち受ける「どちらかが消えるしかない」という過酷な運命。この重いテーマが突きつけられたことで、これまで描かれてきた二人の絆の強さが、より一層際立って見えました。一方で、青泉寨に戻ってからのコミカルなシーンが、絶妙な緩急を生み出しています。特に呂二(リュー・アル)からの手紙のくだりは、シリアスな展開の中での素晴らしい清涼剤となっており、脚本の巧みさを感じさせます。衛都の三千年にわたる忠誠心と悲しい結末にも胸を打たれました。それぞれのキャラクターが背負う宿命が明らかになり、物語がさらに深みを増したように思います。
つづく