あらすじ
太子・韓燁(かんよう)の妃選びは、左相(さしょう)の提案により北秦の公主・莫霜(ばくそう)も候補に加わり、ますます混迷を極めていく。そんな中、偽りの帝家の姫・帝承恩(ていしょうおん)は、宮中での己の立場を確固たるものにしようと画策を始める。太后からの試練のような命令に苦慮しつつも、したたかに立ち回ろうとする。一方、任安楽(じんあんらく)は韓燁と偶然にも馬車で二人きりになる機会を得る。突然の雨が、二人の心の距離を少しだけ縮めるきっかけとなり、韓燁の心に新たな感情が芽生え始める。
ネタバレ
まず、洛銘西が帝承恩(ていしょうおん)の教育係である慕青(ぼせい)に釘を刺すシーンからスタート。帝承恩(ていしょうおん)はあくまで復讐計画の「駒」だって、改めて警告するの。でも当の帝承恩は、酔った勢いで本音をポロリ。「小さい頃から苦労してきたんだから、本物の“帝梓元”になって、みんなに尊敬される太子妃になりたい!」ですって。この子、思った以上に野心家で、ちょっと怖いくらいよね。
宮中では、太子妃選びがますます複雑になってきたわ。太后は古婉瑩を推してるんだけど、左相の韓仲遠(かんちゅうえん)は古家がこれ以上力を持つのが気に入らない。そこで彼が提案したのが、なんと北秦の公主・莫霜(ばくそう)を候補に加えること!これで大靖と北秦の関係が良くなるなら一石二鳥ってわけ。
この状況を、任安楽(じんあんらく)と洛銘西は「好都合」と見てるの。候補者が増えれば増えるほど、任安楽(じんあんらく)への注目が薄まるからね。「太子に色目を使うただの水賊」って思わせておけば、誰も彼女の本当の正体と目的には気づかないだろうって算段よ。でも、そんな中で洛銘西だけは、彼女が本当は帝梓元で、長思花が好きだったことを覚えてるの。復讐という茨の道を歩む安楽が、もう一度あの花を見られる日は来るのかしら…切ないわね。
一方、私たちの太子・韓燁(かんよう)は、本物の帝梓元(つまり任安楽のことなんだけど、彼はまだ気づいてない!)を想って物憂げな様子。そんな彼の気持ちなんてお構いなしに、帝承恩は太后や皇帝に取り入ろうと必死よ。
そんな時、太后から帝承恩にトンデモない命令が下るの。新しくできた刑部の大牢の看板の字を、彼女に書けって言うのよ!これ、明らかに「お前の家は罪人の一族だ」っていう当てつけじゃない!さすがの帝承恩も、これには真っ青。太后を怒らせたくないけど、こんな屈辱は受けられない…。結局、病気ってことにして逃げたんだけど、韓燁(かんよう)はこの一件で「彼女は変わってない、復讐心を隠してるだけだ」って確信を深めるの。
韓燁は帝承恩(彼にとっては大切な帝梓元)の太子妃の座を守ろうと動き出すんだけど、そこに任安楽が登場!韓燁の馬車に乗り込んできて、「北秦からもお妃候補が来て大変ですね~」なんてからかうのよ。そうこうしてるうちに突然の雨!韓燁がさっと任安楽のために車窓を覆ってあげるんだけど、その時の二人の視線が交差する瞬間…!韓燁の心臓、ドッキドキよ!これはもう、恋の始まりの予感しかないわよね!
その後、帝承恩は太后に呼び出されて、ひたすら殊勝な態度で「帝家の罪は私の一生をかけて償います」なんて宣言するの。その姿を見た安寧(あんねい)公主(あんねいこうしゅ)は、変わり果てた“従姉”の姿にドン引き。帝承恩は韓燁が会いに来てくれないことに焦って、ついに自分から行動を開始!画廊でわざと帝家の作品を選んで、韓燁の気を引こうとするんだけど…。さあ、このしたたかな偽物のお姫様、一体どこまでやるのかしらね!
『安楽伝』第13話の感想
今回のエピソードは、各キャラクターの思惑が複雑に絡み合い、物語に一層の深みを与えていました。特に印象的だったのは、偽りの姫・帝承恩の野心がはっきりと描かれた点です。彼女の行動は見ていて歯がゆい部分もありますが、その背景にある過酷な境遇を思うと、一概に責められない複雑なキャラクターだと感じさせられます。一方で、韓燁と任安楽の距離が雨のシーンをきっかけに縮まる様子は、緊張感の続く物語の中での一服の清涼剤のようでした。韓燁がまだ任安楽の正体に気づいていないからこその、純粋な心の揺れ動きが丁寧に描写されていて、今後の二人の関係から目が離せません。政治的な駆け引きと、登場人物たちの心情の変化が巧みに織り交ぜられ、非常に見ごたえのある回でした。
つづく