あらすじ
太子妃選びが本格化し、都では韓燁(かんよう)との再会を果たした帝承恩(ていしょうおん)が最有力候補として大きな話題を集めています。彼女の存在が、任安楽(じんあんらく)と洛銘西の間にあった固い絆に、少しずつ影を落とし始めます。そんな中、北秦から天真爛漫な莫霜(ばくそう)公主が都に到着し、物語に新たな波乱を予感させます。一方、韓燁は帝梓元(ていしげん)への誓いと、日に日に惹かれていく任安楽への想いの間で苦悩していました。ある日、采薇軒で起きた突然の襲撃事件が、登場人物それぞれの運命を大きく揺るがすことになります。
ネタバレ
第14話は、それぞれの思惑が激しくぶつかり合い、物語が大きく動いた回でしたね!太子妃の座をめぐる駆け引きはますます過熱し、新たな登場人物も加わって、一瞬たりとも目が離せません。さっそく、波乱万丈の第14話を振り返っていきましょう!
野心と友情の狭間で
都では、韓燁(かんよう)と再会した帝承恩(ていしょうおん)が「10年の苦難を耐え抜いた悲劇のヒロイン」として一躍時の人に。太子妃の賭けでも一番人気となり、彼女の野心はもはや誰にも止められない勢いです。この状況を危険視したのが、我らが洛銘西。彼は計画を逸脱し始めた帝承恩(ていしょうおん)を、古雲年(こうんねん)に罪を着せて排除しようとまで考えます。
しかし、それを「待った!」と止めたのが任安楽(じんあんらく)。「彼女も苦しんできたのよ。太子妃の座を争うのは当然じゃない。目的のために無関係な人を犠牲にするなんて、帝家を陥れた韓仲遠(かんちゅうえん)と同じよ」と、きっぱり反対します。この安楽のブレない正義感、本当に格好いいですよね!結局、洛銘西も折れ、ひとまずは帝承恩を見逃すことに。でも、二人の間には少し不穏な空気が流れます。
一方、当の韓燁(かんよう)はというと、部屋で一人、任安楽(じんあんらく)の姿を思い浮かべながら肖像画を描いていました。もう、心はすっかり安楽に奪われている様子。それでも「彼女は帝梓元(ていしげん)ではない」という現実に苦しみ、その想いを封じ込めようとします。洛銘西と会った際には、「任安楽に心惹かれているのは事実だ。だが、帝梓元(ていしげん)を太子妃にするという誓いは必ず守る」と、苦しい胸の内を打ち明けるのでした。
新たな風雲児、莫霜(ばくそう)公主あらわる!
そんな中、都に北秦の莫霜(ばくそう)公主が到着!とても天真爛漫で明るい彼女は、さっそくお城を抜け出して街を散策。そこで安寧(あんねい)公主(あんねいこうしゅ)と、彼女に付き従う冷北(冷北 (れい ほく))に出会います。国の立場から素っ気ない態度をとる安寧(あんねい)ですが、莫霜の屈託のなさには少し心が動かされた様子。
そして夜、この莫霜と冷北(冷北 (れい ほく))が実は兄妹だったことが判明!冷北は安寧の側でスパイ活動を続けていたんですね。彼は妹に、太子妃争いには加わらず、大靖に嫁ぐことなど考えるなと強く釘を刺します。そのために「太子はものすごく醜い」なんて嘘をつくのですが…これが後で面白い展開を生むことに!
采薇軒の惨劇、犯人は誰だ?
太子妃の座を確実なものにしたい帝承恩は、安寧公主(あんねいこうしゅ)に協力を求めますが、「他の候補者の後ろ盾は強力よ。皇家に関わるのは危険だわ」とやんわり断られてしまいます。
プライドを傷つけられた帝承恩は、今度は任安楽を采薇軒に呼び出します。わざと冷たい態度をとって安楽を突き放した直後、悲劇が起こりました。書架の陰から現れた謎の男が、帝承恩に襲いかかったのです!
悲鳴を聞いて駆けつけた安楽が帝承恩を助けようとしますが、どこからともなく現れた黒衣人の集団に囲まれてしまいます。安楽は腕に傷を負いながらも奮戦し、そこへ慕青(ぼせい)も駆けつけ、黒衣人たちは撤退。
しかし、話はこれで終わりません。逃げた黒衣人たちを待ち伏せしていたのは、なんと洛銘西の配下である琳琅(りんろう)!彼女は鮮やかな手並みで刺客たちを始末しますが、一人は毒を飲んで自決してしまいます。現場には琳琅(りんろう)のハンカチが落ちており、それを見つけた安楽は、千月閣、つまり洛銘西の関与を疑い、愕然とするのでした。
さらに、帝承恩は慕青(ぼせい)が受け取った「赤い傘」が描かれたメモを見て、恐怖に顔を歪めます。この赤い傘、一体何を意味するのでしょうか…謎が深まるばかりです。
事件が残した波紋
安楽が襲われたと聞き、韓燁は血相を変えて駆けつけます。安楽の無事な姿を見て安堵する韓燁。そこへ、お見舞いにやってきたのが莫霜公主。彼女は韓燁の姿を見るやいなや、その美しさに一目惚れ!「噂の醜い太子って、こんなに素敵な人だったの!?」と、完全に恋に落ちてしまいました。
この事件は、任安楽と洛銘西の信頼関係にも深い亀裂を生みます。安楽は、帝承恩の殺害を謀ったのは洛銘西ではないかと疑い、二人は激しく口論に。復讐を誓い合った二人の間に生まれた溝は、今後の計画にどう影響していくのでしょうか。そして、駒として扱われることに絶望する慕青、妹の身を案じる冷北、それぞれの想いが交錯し、物語はさらに複雑な様相を呈していきます。
『安楽伝』第14話の感想
今回は、各キャラクターの思惑が複雑に絡み合い、物語が一気に深みを増した回でした。特に、野心を隠さなくなった帝承恩、彼女を危険視する洛銘西、そして二人を止めようとする任安楽の三者の関係性が、ひりつくような緊張感を生み出していました。帝承恩の行動は見ていて少し危うさを感じますが、彼女が背負ってきたものを思うと、一概に責められないのがこのドラマの巧みなところです。
韓燁の、任安楽への抑えきれない想いと、帝梓元への責任感との間で揺れる姿は、見ていて本当に切なくなります。采薇軒の襲撃事件は、誰が敵で誰が味方なのか、ますます分からなくなるサスペンスフルな展開でした。任安楽と洛銘西の間に生まれた亀裂が、今後の復讐計画にどう影響するのか、非常に気になります。登場人物たちの心理描写が丁寧で、それぞれの立場や感情が伝わってくる、見応えのあるエピソードでした。
つづく