あらすじ
五柳街の火事で任安楽(じんあんらく)が危険に陥るも、太子・韓燁(かんよう)によって救出される。二人の距離が縮まる一方、宮中では除夕の宴が催されていた。しかし、その祝宴の最中に皇帝の命を狙う暗殺未遂事件が発生。ある人物の思わぬ行動が、韓燁の太子妃選びに決定的な影響を及ぼすことになる。その裏で、都では過去の冤罪事件を巡る新たな動きが始まろうとしていた。
ネタバレ
いやあ、今回の19話は本当に見どころが満載だったね!五柳街の火事から息つく暇もなく、宮中でのドロドロとした権力争いと、それぞれのキャラクターの思惑が複雑に絡み合って、一瞬たりとも目が離せなかったよ。
炎の中から芽生える想いと、計算された策略
前回のラストで任安楽(じんあんらく)が閉じ込められた五柳街の火事。彼女の危機を知った洛銘西(らくめいせい)が現場に駆けつけた時には、もうすでに韓燁(かんよう)が身を挺して安楽を救い出した後だったんだ。燃え盛る炎の中に飛び込んでいくなんて、韓燁(かんよう)、あんたって人は…!この一件で、安楽の心は再び韓燁(かんよう)へと傾いていくのが手に取るようにわかるよね。
この火事は、左相(さしょう)にとっては都合のいい出来事だったけど、忠義侯・古雲年(こうんねん)にとってはまさに命取り。息子の古斉善(こせいぜん)の仕業がバレて、もはや自分の身も危ういと悟り、息子を屋敷から追い出す始末。自業自得とはいえ、哀れなもんだね。
さて、舞台は宮中の除夕の宴へ。
いつもは皇室の宴なんて退屈そうな安寧(あんねい)公主(あんねいこうしゅ)が、この日に限ってはバッチリおしゃれして出席。その視線の先には、もちろん帝承恩(ていしょうおん)がいるわけ。帝承恩(ていしょうおん)のほうも、今夜こそ太子妃の座を射止めてやろうっていう野心ギラギラで、もう火花がバチバチ!
そんな中、韓燁が遅れて登場。遅れた理由を「鐘海(しょうかい)を探していたら、任安楽(じんあんらく)に助けられた」と報告するあたり、もう彼の頭の中は安楽でいっぱいなのがバレバレだよ。
宴の悲劇、ヒーローになったのは…?
宴が最高潮に達したその時、事件は起こる。踊り子に化けた刺客が皇帝・韓仲遠(かんちゅうえん)に襲いかかったんだ!韓燁や安寧(あんねい)の活躍で、皇帝たちはなんとか奥の宮殿へ避難。
でも、本当の狙いはここからだった。天井の梁に潜んでいた別の刺客が皇帝に斬りかかろうとした瞬間、なんと帝承恩(ていしょうおん)が身を挺して皇帝をかばったんだ!
もちろん、これは彼女の計算通り。傷は見た目ほど深くなく、急所も外れている。でも、皇帝からすれば命の恩人。韓家の祖先と帝家の盟約を思い出し、「これぞ天意!」とばかりに、帝承恩を太子妃として認めることを決意しちゃうんだよね。
長年の願いが叶ったはずの韓燁は、なぜか浮かない顔。皇帝も、息子の気持ちが帝承恩から離れていることに気づいているみたいだけど、見て見ぬふり。このすれ違いが、本当に切ない…。
一方、宴での暗殺事件の報せは、洛銘西の屋敷で休んでいた任安楽(じんあんらく)の元にも届く。これを好機と捉えた彼女たちの目が、いよいよ復讐に向けて本気になった瞬間だった。
それぞれの思惑と、動き出す真実
この暗殺計画、実は裏で糸を引いていた人物がもう一人。なんと太后だったんだ!彼女も帝承恩を亡き者にしようと刺客を放っていたのに、別の刺客(帝承恩の自作自演)のせいで、逆に彼女を皇帝の恩人にしてしまうなんて、皮肉なもんだよね。
安寧公主(あんねいこうしゅ)は、刺客の体つきが護衛の冷北(冷北 (れい ほく))にそっくりだと気づき、彼を問い詰める。冷北は妹の莫霜(ばくそう)に助けを求め、なんとかアリバイを偽装するんだけど、もちろん実行犯は彼。安寧を裏切っている罪悪感に苛まれる姿が、これまた見ていて辛い…。
そして物語は、ついに核心へ。
溫朔(おんさく)から「苑琴(えん きん)と苑書(えんしょ)が江南で兄を探していた」という情報を得た韓燁は、任安楽に真偽を問うも、はぐらかされてしまう。諦めきれない韓燁は、自ら牢獄にいる鐘海を訪ね、鐘家の冤罪を晴らすよう彼を励ますんだ。
韓燁の言葉に勇気づけられた鐘海は、ついに大理寺の前で青龍鐘を鳴らし、訴状を掲げて一族の無実を訴える!彼の悲痛な叫びは民衆の心を動かし、ついに朝廷を揺るがす大きなうねりとなっていくんだ。
追い詰められた古雲年は、一族を守るため、息子を都から逃がすことを決意するのであった。
『安楽伝』第19話の感想
今回のエピソードは、帝承恩の策略が見事に成功し、物語が大きく動いた回でした。彼女が自作自演の悲劇によって太子妃の座をほぼ手中に収める様子は、その計算高さに感心する一方で、見ていて少し胸が痛みました。本当に欲しいものは決して手に入らない韓燁と、手段を選ばずに欲しいものを手に入れようとする帝承恩の対比が鮮やかです。そして、その裏で着実に復讐の駒を進める任安楽。彼女たちの三者三様の想いが、今後の展開をさらに複雑にしていくのだろうと感じさせます。また、鐘海が民衆の前で冤罪を訴える場面は、これまで水面下で進んでいた帝家の復讐が、ついに公の場で始まったことを示す重要な転換点でした。安寧と冷北の関係にも不穏な影が差し始め、各所で火種が大きくなっていく様子から、物語の深まりを強く感じました。
つづく